内定が出たのに嬉しくない…その感情の正体を、3つに切り分ける
内定が出て嬉しくないのは、喜べない理由が、必ずどこかにあるからです。
感情が壊れているわけでも、贅沢を言っているわけでもありません。
①疲れ切っている ②条件に引っかかりがある ③そもそも転職したかったわけじゃない。
この3つは対処がまったく違うので、まず切り分けてください。
内定の連絡が来た。
「おめでとうございます」と言われた。
でも、思っていたほど嬉しくない。
むしろ、少し重い。
周りは喜んでくれているのに、自分だけ気持ちが追いついていない。
この記事では、その感情の正体を切り分けます。
「気のせいですよ」とは言いません。
□ とにかく疲れていて、何も感じない
□ 条件で引っかかっているところがある(年収・勤務地・配属)
□ 本当は今の会社を辞めたかっただけかもしれない
□ 「これでよかったのか」が消えない
□ 周りが喜んでいるのが、逆につらい
1つ選んでください。選ばないと、対処が決まりません。
嬉しくないのは、おかしなことではありません
まず、ここから。
内定はゴールのように扱われます。
でも実際には、そこから退職と入社が始まります。
今の会社に切り出す。
引き継ぎをする。
新しい環境で、一からやり直す。
やることが増えた瞬間でもあります。
だから、安堵より先に重さが来る人がいるのは自然です。
内定をもらえない人もいるのに、もらって喜べない自分はおかしい。
そう考えてしまう人が多いのですが、この2つは比べるものではありません。
喜べない理由は、あなたの中に必ずあります。それを責めても消えず、見つけると消えます。
①とにかく疲れている場合
いちばん多いパターンです。
転職活動は、働きながら数ヶ月続ける作業です。
求人を探し、書類を書き、面接の日程を調整し、落ちるたびに立て直す。
終わった瞬間、感情が動かなくなることがあります。
これは燃え尽きに近い状態です。
見分け方は簡単です。
・好きだったものが、なんとなく楽しくない
・休みの日に何もする気が起きない
・食欲や睡眠が変わった
内定だけでなく全体的に鈍っているなら、疲れが原因の可能性が高いです。
この場合の対処は1つです。
休んでください。
入社日までの間に、仕事と関係ない予定を1つだけ入れる。
行きたかった場所でも、会いたかった人でも構いません。
気持ちは、休んだあとで戻ってきます。
不安を消そうとして、入社前に勉強を詰め込む人がいます。
でも、これは逆効果になることがあります。「まだ足りない」と感じて、不安が増えるからです。
疲れている人がやるべきなのは、準備ではなく回復です。
②条件に引っかかりがある場合
こちらは、感情の問題ではありません。
嬉しくない理由が、具体的な一点にあります。
年収が思ったより低かった。
勤務地が遠い。
配属先が希望と違った。
この場合、放っておいても消えません。
むしろ、入社後に大きくなります。
見分け方は、不安の中身が変わるかどうかです。
「今日いちばん引っかかったこと」だけで構いません。
バラバラなら → ①の疲れか、④の内定ブルー
同じことが並ぶなら → 条件の問題です
自分の気持ちを疑うより、記録を見たほうが正確です。
条件の問題だと分かったら、入社前が最後の交渉のタイミングです。
言い方は、他社を持ち出して脅すのではなく、正直に相談する形にします。
ひとつだけ、待遇についてご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。
〇〇万円までご検討いただくことは可能でしょうか。
交渉のルールは、希望年収の答え方にまとめました。
③本当は「辞めたかった」だけかもしれない場合
ここが、いちばん見落とされます。
転職活動を始めた理由を、思い出してください。
「あの会社に行きたい」だったでしょうか。
それとも、「今の会社を出たい」だったでしょうか。
後者だった場合、内定は「出られる切符」であって、「行きたい場所」ではありません。
だから、嬉しさが薄い。
これは、選び方が間違っていたという話ではありません。
逃げる転職が悪いわけでもありません。
つらい場所から出るのは、正当な理由です。
「出られればどこでもいい」で決めていた場合、次の会社でも同じことが起きることがあります。
確認する質問は1つです。
「今の会社を辞めたい理由は、次の会社では起きませんか」
残業が理由なら、次は残業が少ないか。
人間関係が理由なら、面接で会った人たちはどうだったか。
答えられるなら、大丈夫です。答えられないなら、入社前に聞いておいてください。
聞くべきことは、入社前に確認すべき質問12にまとめました。
④「これでよかったのか」が消えない場合
条件に不満はない。
疲れてもいない。
でも、決めた瞬間から「本当にこれでよかったのか」が回り続ける。
これは内定ブルーと呼ばれるもので、真剣に選んだ人ほど起きます。
理由は、決めるまでと決めたあとで、頭の使い方が変わるからです。
決めるまでは「どれがいいか」を比べています。
決めたあとは「これでよかったか」を確かめ始めます。
選ばなかった道が、急に良く見えてきます。
これは大きな決断のあとに多くの人に起きることで、結婚を決めた人がマリッジブルーになるのと同じ形です。
対処は内定ブルーの対処法にまとめました。
要点だけ書いておきます。
①不安を紙に出して、2つに分ける
聞けば分かること/やってみないと分からないこと
②口コミを見るのをやめる
不安なときほど、悪い書き込みだけが記憶に残ります
③夜に決めない
「辞退しようかな」と思っても、その夜は決めない
入社日までの過ごし方で、気持ちは変わります
切り分けが済んだら、あとは過ごし方です。
やることがないと、不安が膨らみます。
入社までの期間は、頭の中で想像する時間だけが増えるからです。
だから、予定を1つ入れてください。
・行きたかった場所に行く
・会いたかった人に会う
・平日にしかできないことをする
大げさなことでなくて構いません。
「今しかできないこと」を1つやると、この期間が空白ではなくなります。
逆に、入社準備を完璧にしようとしないでください。
勉強を詰め込むと、「まだ足りない」と感じて不安が増えます。
入社後に教わる前提で採用されています。
退職の手続きを進めると、気持ちが固まります
これは、あまり語られませんが効きます。
内定が出たあと、手が止まっている人ほど不安が長引きます。
逆に、今の会社に退職を伝えると、迷いが減ります。
引き返せなくなるからではありません。
やることが具体的になるからです。
伝える日は、計算で出せます。
入社日の前日=退職日
↓ 有給の残日数を引く
最終出社日
↓ 引き継ぎ期間(1ヶ月が目安)を引く
退職を伝える日
有給が20日残っていれば、それだけで約1ヶ月です。
計算せずに「1ヶ月前でいいや」と伝えると、引き継ぎで埋まって有給が消えます。
詳しくは退職はいつ言うべき?にまとめました。
気持ちの整理は時間が解決することもありますが、有給は消えたら戻りません。
嬉しくないまま何もせずにいると、気づいたときには逆算が間に合わなくなっています。
有給の残日数だけは、今日確認してください。
周りが喜んでいるのが、つらいとき
これも、よくあることです。
「おめでとう」と言われるほど、本音を言えなくなります。
心配をかけたくない。
せっかく応援してくれたのに、水を差したくない。
その結果、一人で抱えることになります。
でも、抱えている間ずっと同じことを考え続けるので、不安は濃くなります。
無理に身近な人へ話す必要はありません。
心配されるのが負担になることもあります。
利害関係のない第三者に話すほうが、気が楽なことがあります。
転職エージェントの担当者は、内定後に迷う人の相談を何度も受けています。
「よくあることですよ」と返ってくるだけで、重さが変わります。
どこに相談すればいいか分からない場合は、転職エージェントの選び方に、それぞれの得意分野と相談だけで使うときの注意点を書いています。
「嬉しくない」を、誰かに言っていいのか
言っていいです。
ただ、相手を選んでください。
△ 応援してくれた家族・友人
心配してくれますが、「せっかく決まったのに」と返ってくることが多い相手です。
その一言で、もう言えなくなります。
△ 今の職場の同僚
利害が絡むので、正直な意見が出にくい相手です。
辞めることが決まっている相手に、本音を返しづらいという事情もあります。
◯ 利害関係のない第三者
同じ状況を何人も見ている人なら、「よくあることです」で終わります。
それだけで、抱えている重さはかなり変わります。
誰にも言いたくない、という気持ちも自然です。
その場合は、紙かスマホのメモに出すだけで構いません。
頭の中に置いたままの心配事は、忘れないように脳が何度も呼び出します。
外に出すと、その必要がなくなります。3分で終わります。
入社後、いつ気にならなくなるのか
多くの場合、入社して数日から数週間です。
理由は単純で、実際に働き始めると、想像する材料がなくなるからです。
嬉しくない気持ちの正体は、多くの場合「まだ知らないことを想像している状態」です。
事実が入ってくれば、想像する余地は減ります。
だから、入社日までがいちばん重いのは自然です。
そこを越えれば軽くなると知っているだけでも、少し違います。
・眠れない日が何日も続いている
・食欲がない、体調を崩している
・入社のことを考えると涙が出る
心や体に出ているときは、気持ちの問題として我慢しないでください。
不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。
また「条件が違う」など具体的な問題があるなら、それは感情の問題ではありません。無理に入社して早期離職になるほうが、あとが大変です。
よくある質問
Q. 嬉しくないまま入社して、大丈夫でしょうか
多くの場合、入社して数日から数週間で気にならなくなります。実際に働き始めると、想像する材料がなくなるからです。ただし条件の問題が残っている場合は別で、それは入社後も残ります。
Q. 辞退したほうがいいのでしょうか
切り分けてから決めてください。疲れや内定ブルーなら、辞退の理由にはなりません。条件の問題で、交渉しても変わらないなら、辞退も選択肢です。進め方は内定承諾後でも辞退できる?にまとめました。
Q. 承諾書をもう出してしまいました
出したあとでも辞退はできます。ただし早く伝えるほど迷惑が小さくなります。確認すべきことは内定承諾書にまとめました。
Q. 前の会社に残ったほうがよかったのでしょうか
前の会社を思い出すとき、思い出されるのは良かったことだけです。辞めたいと思った理由は忘れやすくなっています。転職活動のときに書いた退職理由のメモが残っていたら、読み返してみてください。
Q. 誰にも言えず、眠れません
眠れない日が続いているなら、気持ちの問題として我慢しないでください。不調が続く場合は医療機関にご相談ください。夜の過ごし方は転職の不安で眠れない夜ににまとめました。
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嬉しくない理由は、必ずあります
① 冒頭のチェックリストで、いちばん近いもの1つを選ぶ
② その章に書いてあることを、1つだけやる
③ 判断がつかないなら、1週間だけ毎晩ひとこと記録する
3分で終わります。
嬉しくないことを、感情の問題として片づけないでください。
疲れているのか。
条件に引っかかっているのか。
そもそも行きたい場所ではなかったのか。
どれなのかが分かるだけで、明日やることが変わります。
そして、一人で切り分けるのが難しいと感じたら、利害のない誰かに話してみてください。
同じ状況を何人も見てきた人なら、話しているうちに、それがどれなのか整理してくれます。
相談は無料で、内定が出たあとからでも使えます。
※本記事は一般的な情報の解説です。心身の不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。