退職はいつ言うべき?何ヶ月前が正解かを、逆算で決める方法
「何ヶ月前がいいか」を先に考えると、決まりません。
退職日を先に決めて、そこから逆算するのが正解です。
目安は退職希望日の2ヶ月前。
有給が20日以上残っているなら、3ヶ月前から動いてください。
辞めると決めた。
でも、いつ言えばいいのか分からない。
早すぎると、残りの期間が気まずい。
遅すぎると、迷惑をかける。
繁忙期は避けたほうがいいのか。
ボーナスをもらってからのほうがいいのか。
この記事では、いつ言うかを逆算で決める方法を書きます。
言い方や切り出し方は別の記事にまとめているので、ここでは「時期」だけに絞ります。
□ いつ辞めたいか(月まででOK)
□ 有給は何日残っているか
□ 転職先は決まっているか
□ 就業規則に「何日前まで」と書いてあるか
この4つが分かれば、言う日は自動的に決まります。順番に見ていきます。
目安は「2ヶ月前」。理由は有給
一般的な目安としてよく言われるのは、退職希望日の1〜2ヶ月前です。
ただ、この数字だけを覚えても意味がありません。
大事なのは、その期間に何が入るかです。
① 上司との面談(1回では終わらないこともあります)
② 会社としての承認・手続き
③ 後任の決定
④ 引き継ぎ
⑤ 有給消化
このうち⑤がいちばん時間を食います。
有給が20日残っていれば、それだけで約1ヶ月です。
引き継ぎに1ヶ月かかるなら、合わせて2ヶ月。
だから、有給が多い人ほど早く言う必要があります。
「1ヶ月前でいいや」と伝えた結果、引き継ぎで1ヶ月が埋まり、有給が丸ごと消える。
有給は買い取りが義務づけられているものではありません。
残したまま辞めると、そのまま消えることがあります。
20日なら、金額にすると小さくない額です。
逆算のやり方
紙に書いてみてください。
3ステップです。
ステップ1:最終的な退職日を決める
「〇月末で辞める」と決めます。
転職先が決まっているなら、入社日の前日が退職日になるのが基本です。
決まっていないなら、ひとまず仮でかまいません。
ステップ2:有給の残日数を引く
退職日から、有給の日数分をさかのぼります。
そこが最終出社日です。
例)退職日が3月31日で有給が20日なら、最終出社日は2月末ごろになります。
ステップ3:引き継ぎ期間をさらに引く
最終出社日から、引き継ぎに必要な期間をさかのぼります。
1ヶ月みておけば、書面にまとめる時間としては足ります。
その日が、退職を伝える日です。
退職日:3月31日
有給20日 → 最終出社日:2月28日ごろ
引き継ぎ1ヶ月 → 伝える日:1月末ごろ
つまり、3月に辞めたいなら1月には言うということです。
「2ヶ月前」という目安は、ここから出てきます。
有給が5日しか残っていないなら、1ヶ月前でも間に合います。
自分の日数で計算してみてください。
就業規則と法律、どちらに合わせるか
多くの会社の就業規則には、「退職は1ヶ月前までに申し出ること」などと書かれています。
一方で、期間の定めのない雇用契約であれば、法律上は申し出から2週間で退職できるとされています(民法627条)。
では、どちらに合わせるべきか。
基本は、就業規則に合わせてください。
そのほうが手続きがスムーズですし、角も立ちません。
法律のほうは、話し合いで折り合わないときの最終ラインだと考えてください。
就業規則にかなり長い期間が定められていることがあります。
その場合でも、それに従わなければ辞められない、というものではありません。
まずは相談し、折り合わない場合は法律の定めがあることを踏まえて進めてください。
契約期間が決まっている雇用(契約社員・派遣など)は扱いが違うので、契約書を確認したうえで専門家に相談してください。
ボーナス・繁忙期・年度末はどう考えるか
時期を悩ませる3つです。
ボーナスをもらってから辞めたい
その考えで問題ありません。
ただし、支給条件を先に確認してください。
就業規則に「支給日に在籍していること」と書かれていることが多く、この場合は支給日まで在籍していれば対象になります。
一方で、「支給日以降に退職予定の者は減額する」といった定めがある会社もあります。
自分の会社の規定を確認してから、伝える日を決めてください。
なお、ボーナスの支給後に退職を伝えること自体に問題はありません。
繁忙期は避けるべきか
避けられるなら、避けたほうが円満です。
ただ、避けることを優先しすぎないでください。
繁忙期を避け続けると、言うタイミングが永遠に来ません。
繁忙期が年に何度もある職場では、そもそも「いい時期」は存在しません。
体調に影響が出ているなら、時期を待つ理由はありません。
年度末・期末に合わせるべきか
区切りがいいので、会社としては受け入れやすい時期です。
ただし、転職先の入社日が優先です。
転職先が「来月から」と言っているのに年度末まで待つと、内定が流れることがあります。
順番は、転職先の都合 → 自分の有給 → 会社の区切りです。
転職先が決まる前に言っていいか
結論から言うと、おすすめしません。
理由は2つあります。
1. 収入が途切れる期間が読めない
転職活動がどれくらいかかるかは、始めてみないと分かりません。
先に辞めると、お金の不安が判断をゆがめます。
「早く決めなきゃ」と焦って、条件の悪い会社を選んでしまうことがあります。
2. 引き止めに弱くなる
次が決まっていないと、「もう少し考えたら」と言われたときに断る材料がありません。
「〇月〇日から次の会社に入社します」と言えるほうが、話が早く終わります。
心身に不調が出ている場合は、次を決めるより先に離れることを優先してください。
在職中の転職活動は、体力があってこそできるものです。
休職という選択もあります。違いは休職か退職か迷うときにまとめました。
伝える相手と、その順番
時期と同じくらい大事なのが、誰に最初に言うかです。
答えは、直属の上司です。
人事でも、社長でも、同僚でもありません。
順番を飛ばすと、上司の顔をつぶすことになります。
そこからこじれることが多いのです。
同僚に先に話すのも避けてください。
本人が伝える前に上司の耳に入ると、話がまったく違う形で進みます。
伝えるまでは、誰にも言わないのが原則です。
切り出す順番や言い方は、円満退職のコツにまとめました。
時間帯と場所
細かいことですが、受け取られ方が変わります。
時間帯
朝いちばんと、終業間際は避けてください。
朝は一日の段取りで忙しく、夕方は疲れています。
午前の後半か、午後の早い時間が落ち着いて話せます。
曜日
週明けの月曜より、火曜から木曜のほうが余裕があることが多いです。
場所
立ち話やチャットで済ませないでください。
「お時間を10分いただけますか」と伝えて、会議室など、二人で話せる場所を確保します。
この一手間があるだけで、真剣さが伝わります。
「言うのが遅れた」と思っている人へ
もう辞めたい月が近い。
逆算すると、とっくに言っているべき時期だった。
そういう状態の人も多いと思います。
その場合、調整するのは退職日のほうです。
選べるのは、この3つです。
1. 退職日を1ヶ月後ろにずらす
転職先が決まっていないなら、これがいちばん無理がありません。
2. 有給を諦めて、引き継ぎを優先する
金銭的には損ですが、
転職先の入社日が動かせないなら現実的な選択です。
3. 引き継ぎを圧縮する
人に教える形をやめて、書面に落として渡す形に切り替えます。
後任が決まっていなくても書けるので、実はいちばん早く終わります。
① 転職先の入社日(これは動かしにくい)
② 有給の消化(お金に直結します)
③ 引き継ぎの丁寧さ(書面で代替できます)
③から削ってください。引き継ぎは、時間ではなく書面の質で埋められます。
退職を伝えたあと、気まずくならないために
時期を悩む理由の一つが、「言ったあとの空気」だと思います。
ここは、伝え方より過ごし方で決まります。
1. 不満を辞める理由にしない
本音がそうであっても、会社への不満を挙げると角が立ちます。
「やりたいことができた」など、前向きな理由に置き換えるほうが残りの期間が過ごしやすくなります。
2. 最後まで通常どおり働く
辞めると決まった瞬間に手を抜くと、
それが最後の印象として残ります。
3. 転職先の話をしない
聞かれても、「同業です」程度にとどめてください。
条件を比べる話になると、残る人の気持ちを乱します。
4. 感謝は言葉にする
去り際の一言は、意外と長く覚えられています。
業界が同じなら、また会う可能性は十分にあります。
よくある質問
Q. メールやチャットで伝えてもいいですか
最初の一報は、対面か、少なくとも口頭にしてください。ただし、上司が遠方にいる、何度お願いしても時間を作ってもらえないといった事情があるなら、メールで伝えることも選択肢になります。
Q. 退職届はいつ出せばいいですか
口頭で伝えて、了承を得たあとに出すのが一般的です。いきなり退職届を差し出すと、話し合いの余地がない形になります。ただし、口頭で伝えても取り合ってもらえない場合は、書面で出して記録を残す意味があります。
Q. 引き止められて、伝える日をやり直すことになりました
やり直す必要はありません。最初に伝えた日が、申し出た日です。話し合いが続いているだけで、日付が戻るわけではありません。メールなどで記録を残しておくと確実です。
Q. 有給を全部使うと、引き継ぎが終わりません
だから早く言うのです。有給の日数を先に引いて逆算すれば、引き継ぎの時間は確保できます。順番が逆になると、有給が犠牲になります。
Q. 試用期間中でも同じですか
試用期間中も労働契約は成立しているので、基本的な考え方は同じです。詳しくは試用期間中に辞めたいときにまとめました。
Q. 上司が忙しそうで、話す時間をもらえません
「10分だけお時間をいただけますか」と、所要時間を添えて頼んでください。用件を伏せたまま長時間を求めると、後回しにされがちです。何度お願いしても時間を作ってもらえないなら、それ自体が一つの答えでもあります。
Q. 退職を伝える前に、有給を先に申請してもいいですか
順番としては、退職を伝えてから、退職日と合わせて申請するほうがスムーズです。先に長期の有給を申請すると、理由を聞かれて話が中途半端に始まることがあります。
パターン別・伝える日の目安
自分がどれに近いか、探してみてください。
→ 入社日の3ヶ月前には伝える。有給1ヶ月+引き継ぎ1ヶ月+話し合いの余裕1ヶ月。
B:転職先が決まっていて、有給が10日以下
→ 入社日の1ヶ月半前。引き継ぎ1ヶ月+有給2週間。
C:転職先が決まっていない
→ まだ言わない。先に転職活動を始める。内定が出てから逆算する。
D:体調に影響が出ている
→ 逆算しない。今日伝えるか、休むことを先に考える。
Cの人がいちばん多いと思います。
この場合、先に決めるべきは退職日ではなく、転職活動を始める日です。
在職中に動くほうが、条件を落とさずに済みます。
何から始めればいいか分からない場合は、転職に必要な書類・準備リストに順番をまとめました。
逆算は、体力が残っている人のための考え方です。
朝起きられない、会社を考えると動悸がする、眠れない日が続いている。
こうした状態なら、時期を計算している場合ではありません。
不調が続く場合は医療機関に相談し、離れることを優先してください。
言う日が決まれば、あとは進むだけ
① 有給の残日数を確認する(給与明細か、勤怠システムで分かります)
② 退職したい月を決める
③ そこから「有給の日数 + 1ヶ月」をさかのぼる
その日が、あなたが伝える日です。
カレンダーに丸をつけてください。
いつ言うか決まらないのは、ゴールが決まっていないからです。
退職日を先に決めてしまえば、伝える日は計算で出ます。
もし、日が決まっても言い出せる気がしないなら、別の問題があります。
話を聞いてもらえない、言い出すと怒鳴られる、考えるだけで体調が悪くなる。
その場合は、自分で伝えずに辞める方法もあります。
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※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言ではありません。有給や賞与の条件は会社ごとに異なるため、就業規則をご確認ください。※本記事には広告(PR)を含みます。