入社前に確認すべき質問12|聞き方の例文と、答えから分かること
入社前の不安の多くは、聞けば消えるものです。
でも、ほとんどの人は聞かないまま入社日を迎えます。
「聞くと印象が悪くなる」と思っているからです。
実際は逆で、入社前の確認は準備している人の行動として受け取られます。
内定が出た。
でも、実際どんな仕事をするのか、はっきり分かっていない。
残業はどのくらいなのか。
配属先は決まっているのか。
聞きたいけれど、内定をもらった立場で細かく聞くのは気が引ける。
この記事では、入社前に確認しておきたい質問を、聞き方の例文つきでまとめました。
あわせて、相手の答え方から何が読み取れるかも書いています。
・入社前に確認しておきたい質問(12個)
・そのまま送れるメールの例文
・聞かないほうがいい質問
・答え方から分かること
・誰に聞くのが正解か
□ 何をする仕事なのか、はっきりしていない
□ 残業がどのくらいか分からない
□ 給与の内訳(固定残業代など)が分からない
□ 配属先も勤務地も聞いていない
□ 初日に何を持っていけばいいか分からない
1つでもチェックがついたなら、それは今日メールで聞けることです。この記事の質問リストから選んで、そのまま送ってください。
聞いても印象は悪くならない
まず、いちばんの心配から片づけます。
入社前の質問で内定が取り消されることは、通常ありません。
企業側から見ると、入社前に確認してくる人は本気で準備している人に見えます。
逆に、何も聞かずに入社して「思っていたのと違った」と早期に辞められるほうが、会社にとっては痛手です。
だから、確認は歓迎されることのほうが多いのです。
同じことを聞くのでも、「不安なので教えてください」より「準備したいので教えてください」のほうが伝わります。
前者は心配している人、後者は前に進もうとしている人に見えます。
内容は同じでも、この差は大きいです。
確認しておきたい質問12
優先度の高い順に並べました。
全部聞く必要はありません。
自分が気になっているものだけ選んでください。
【必ず確認】労働条件に関わる4つ
入社後にどこで働くのかが決まっていないと、通勤も生活設計もできません。
2. 入社直後の業務内容
研修があるのか、いきなり実務なのか。
3. 給与の内訳(固定残業代の有無と時間数)
「月給〇万円」に何が含まれているか。
4. 試用期間の長さと、その間の条件
試用期間中に給与や待遇が変わる場合があります。
この4つは、労働条件通知書に書かれているはずのものです。
受け取っていないなら、そのこと自体を確認してください。
書面での交付は、会社が行うべきものとされています。
【できれば確認】働き方に関わる4つ
「部署の平均で月何時間くらいでしょうか」と聞くと答えやすくなります。
6. 繁忙期の時期と忙しさ
年間のリズムが分かると、生活の見通しが立ちます。
7. 有給休暇の取りやすさ
「実際にどのくらい取得されていますか」という聞き方が具体的です。
8. リモートワークや時差出勤の可否
制度があっても運用されていないことがあるので、実態を聞きます。
【余裕があれば】入社準備に関わる4つ
書類、資格、勉強など。
10. 初日の持ち物と服装
意外と当日まで分からないことが多い項目です。
11. 使用するツールやシステム
事前に触れておけると、立ち上がりが早くなります。
12. 教育・研修の体制
誰に教わるのかが分かると、初日の不安がかなり減ります。
そのまま送れるメールの例文
件名で用件が分かるようにしてください。
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
お世話になっております。〇〇 〇〇です。
このたびは内定をいただき、誠にありがとうございました。
入社に向けて準備を進めたく、下記についてお教えいただけますでしょうか。
1. 配属予定の部署
2. 入社後しばらくの業務内容
3. 入社日までに準備しておくべきこと
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇 〇〇
電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
ポイントは3つです。
1. 「準備したい」を理由にする
不安だからではなく、前に進むために聞いている形にします。
2. 一度に3つまで
10個並べると、相手の負担が大きくなります。
本当に知りたいものから聞いてください。
3. 箇条書きにする
文章で長く書くより、番号をつけたほうが答えやすくなります。
答え方から分かること
質問して得られるのは、答えの内容だけではありません。
どう答えたかも、大事な情報です。
◯ 具体的な数字や名前が返ってくる
「〇〇部の〇〇が担当します」「平均で月20時間程度です」。
把握している会社であり、隠していないということです。
△ 一般論で返ってくる
「部署によりますね」「人それぞれです」。
答えられない事情があるのか、単に把握していないのか、どちらかです。
もう一段だけ、具体的に聞き直してみてください。
✕ はぐらかされる、質問自体を嫌がられる
「入社してからのお楽しみです」「そういうことを気にされるんですね」。
入社前に聞けないことは、入社後はもっと聞けません。
入社前の質問に対する態度は、入社後の情報共有の姿勢とつながっていることがあります。
答えの中身より、答え方のほうを覚えておいてください。
もし対応に強い違和感があるなら、承諾後でも辞退はできます。
聞かないほうがいい質問
聞くこと自体は問題ないのですが、タイミングを選んだほうがいいものがあります。
1. 「辞める人は多いですか」
知りたい気持ちは分かりますが、正直に答えてもらえる質問ではありません。
聞くなら「この部署の方は、平均してどのくらいの年数いらっしゃいますか」のほうが答えが返ってきます。
2. 給与や条件の再交渉
内定承諾より前なら相談できますが、承諾したあとに蒸し返すのは避けてください。
3. 「他の内定と迷っています」
承諾前なら正直に伝えていい情報です。
承諾後に言うと、相手を不安にさせるだけになります。
4. 答えが一つに決まらない質問
「社風はどうですか」「働きやすいですか」。
答える人によって変わるので、判断材料になりにくい質問です。
誰に聞くのが正解か
聞く相手によって、返ってくる情報の質が変わります。
◯ 転職エージェントの担当者
いちばん角が立たない方法です。
年収や残業の実態など、本人からは聞きづらいことほど、間に人が入ると聞きやすくなります。
担当者は企業とやりとりしているので、公開されていない情報を持っていることもあります。
◯ 採用担当者
制度や手続きのことは、この人がいちばん正確です。
ただし、現場の実態は分からないことがあります。
△ 配属予定の上司
現場の話はいちばん正確ですが、面接以外で連絡先を知っているケースは多くありません。
採用担当に「一度お話しさせていただけますか」と頼むと、間に入ってもらえることがあります。
自分で応募して内定を得た場合、聞きにくさは自分で引き受けることになります。
それでも、入社前の確認は当然のことです。メールなら相手の時間も奪いません。
今後また転職する可能性があるなら、転職エージェントを間に入れておくと、こうした確認や条件の相談を任せられます。
オファー面談があるなら、そこで全部聞く
会社によっては、内定後にオファー面談(条件面談)の場を設けています。
採用担当や配属先の責任者と話す機会です。
ここは、質問するために用意された場です。
遠慮する必要はまったくありません。
むしろ、何も聞かずに終えるほうがもったいない時間になります。
聞くことを紙に書いて持っていってください。
その場で思い出そうとすると、いちばん聞きたかったことを忘れます。
「入社前に一度、お話しさせていただく機会をいただけますでしょうか」と伝えてみてください。
対応してもらえることは珍しくありません。
断られたとしても、メールで質問することはできます。
入社までの1ヶ月でやること
確認と並行して、進めておくことがあります。
1. 今の会社の退職手続き
退職の申し出、引き継ぎ、有給消化。
ここが遅れると、入社日そのものに影響します。
手続きの全体像は、承諾から入社までの流れにまとめました。
2. 提出書類の準備
年金手帳、雇用保険被保険者証、源泉徴収票など。
前の会社から受け取るものがあるので、退職前に何が必要か確認しておくと後で慌てません。
3. 生活まわりの手続き
健康保険や住民税の扱いが変わることがあります。
退職日と入社日の間が空く場合は、特に確認しておいてください。
4. 休むこと
これがいちばん抜けます。
入社前の期間は、まとまった休みを取れる数少ない機会です。
準備を詰め込みすぎて、疲れた状態で初日を迎えるのは避けてください。
聞いても不安が消えないとき
全部確認したのに、まだ落ち着かない。
これはよくあることです。
確認で消えるのは、「聞けば分かること」の不安だけだからです。
「人間関係がうまくいくか」「仕事についていけるか」は、聞いても答えが出ません。
やってみないと分からないことだからです。
この2種類を分けて扱う方法は、内定ブルーの対処法の記事にまとめました。
入社前に不安になること自体は、真剣に選んだ人ほど起きるものです。
入社前に「これは確認しておいてよかった」と言われるもの
実際に相談が多いのは、あとから気づいて困る項目です。
聞き忘れやすい順に挙げます。
1. 給与の締め日と支払日
前の会社の最終給与と、新しい会社の初回給与の間が1ヶ月以上空くことがあります。
生活費の準備が必要になるので、早めに確認してください。
2. 賞与の支給条件
「〇月時点で在籍している人」という条件があると、入社初年度は対象外になることがあります。
3. 有給休暇が付与される時期
入社後半年で付与されるのが基本ですが、前倒しで付与する会社もあります。
入社直後に休む予定があるなら、先に伝えておいてください。
4. 通勤手当の上限と支給方法
上限があると、引っ越し先の選択に影響します。
5. 副業の可否
就業規則で決まっていることが多い項目です。
続けているものがあるなら、入社前に確認してください。
この5つは、入社後に知っても取り返しがつかないものです。
賞与の条件を知らずに入社日を1ヶ月遅らせて、対象外になるようなことも起こりえます。
入社日を決める前に、確認しておいてください。
よくある質問
Q. 内定承諾前と承諾後、どちらで聞くべきですか
条件に関わることは承諾前です。承諾すると、条件を相談する余地が小さくなります。入社準備に関することは、承諾後で問題ありません。
Q. 労働条件通知書がもらえません
入社前に一度、「労働条件について書面でいただくことは可能でしょうか」と確認してみてください。書面での明示は会社が行うものとされています。応じてもらえない場合は、入社を判断する材料の1つとして考えてください。
Q. 質問は何回まで送っていいですか
回数より、まとめ方です。思いつくたびに送ると相手の負担になるので、ある程度たまってから、まとめて送るようにしてください。
Q. 電話とメール、どちらがいいですか
メールをおすすめします。相手が都合のいいときに答えられますし、回答が文字で残ります。言った言わないを防げます。
Q. 聞いた内容と、入社後の実際が違いました
メールで残していれば、それを示して確認することができます。労働条件が明示されたものと大きく違う場合は、労働基準監督署などの相談窓口があります。一人で抱えずに相談してください。
入社前にできることは、意外と多い
① 12個の質問から、気になるものを3つだけ選ぶ
② 上のメール例文に、その3つを入れる
③ 送る
5分で終わります。
返事が来た時点で、不安のいくつかは消えています。
聞かずに悩んでいる時間が、いちばんもったいないのです。
聞けば分かることは、聞いてください。
自分で聞きにくいことがあるなら、間に人を入れる方法もあります。
転職エージェントは、企業への確認を代わりに行うのが仕事の一部です。
※本記事は一般的な情報の解説です。労働条件の詳細は、内定通知書・労働条件通知書をご確認ください。※本記事には広告(PR)を含みます。