夫の転職が不安…反対する前に、確かめておく4つの数字
不安なのは、あなたが情報を持っていないからです。
反対したい気持ちの多くは、「聞いていない」から生まれます。
この記事では、止める・止めないを決める前に、確かめておく数字をまとめます。
感情の話ではなく、気持ちではなく、材料の話にします。
夫(あるいはパートナー)が、転職したいと言い出した。
応援したい気持ちはある。
でも、正直に言えば不安のほうが大きい。
ローンがある。
子どもの学費がある。
年収が下がったら、生活はどうなるのか。
その不安を口に出すと、反対されたと受け取られそうで言えない。
この記事は、そういう立場の人のために書きます。
不安の正体は、たいてい「聞いていない」
本人ではないので、情報が入ってこないのが最大の原因です。
本人の頭の中には、何ヶ月も考えてきた材料があります。
でも、あなたが聞かされたのは「転職したい」という結論だけかもしれません。
だから、いきなり崖から突き落とされたように感じます。
・なぜ辞めたいのか(言いにくい理由のことも)
・いつ辞めるつもりか
・年収がどうなりそうか
・すでに動いているのかどうか
これを聞くだけで、不安の大きさはかなり変わります。
つまり、最初にやることは「反対するか決める」ことではありません。
聞くことです。
聞き方を、間違えないでください
ここが、いちばん大事なところです。
同じ内容でも、聞き方で結果がまったく変わります。
| 言いがちな言い方 | 相手に伝わるもの |
|---|---|
| 「本気で言ってるの?」 | 否定されている→ 話さなくなります |
| 「生活はどうするの?」 | 責められている→ 防御に回ります |
| 「いまの会社で我慢できないの?」 | 理解されていない→ 一人で決めるようになります |
| 「どうしてそう思ったのか、聞かせて」 | 受け止められている→ 本音が出ます |
| 「いつごろを考えてるの?」 | 具体的な話に進めます |
最初の3つを言ってしまうと、相手は相談しなくなります。
そして、一人で決めて、事後報告になります。
それが、いちばん避けたい展開のはずです。
転職を言い出す側は、反対されることを予想して身構えています。
だから最初の一言に敏感です。
「まず話を聞かせて」と言うだけで、その後の会話がまったく変わります。
賛成する必要はありません。聞くだけで十分です。
確かめておく数字は、4つだけ
感情ではなく、材料で話せるようにしておくと楽になります。
① 毎月、最低いくらあれば生活が回るか(固定費+生活費)
② いまの手取り
③ 手元にある貯金は、何ヶ月分か
④ 転職先の想定年収(決まっていれば)
①と③は、あなたのほうが把握していることが多いと思います。
この数字があると、「不安」が「あと何ヶ月もつか」に変わります。
漠然とした不安より、数字のほうがはるかに扱いやすいです。
いちばん確かめたいのは「辞めてから探す」かどうか
ここが、生活への影響がいちばん大きい分かれ道です。
| 在職中に探す | 辞めてから探す | |
|---|---|---|
| 収入 | 途切れません | 途切れます |
| 期間 | 3〜6ヶ月かけられます | 焦って決めやすい |
| 条件 | 妥協しにくい | 時間が経つほど下げがち |
| 家庭の負担 | 小さい | 大きい |
もし「まず辞めてから」と言っているなら、そこは話し合う価値があります。
反対するのではなく、「在職中に探せない事情があるのか」を聞いてください。
体調やハラスメントなど、先に辞めるべき事情もあります。
その場合は、止めることのほうが危ないこともあります。
生活が回るかを、実際に計算する
不安が大きく感じるのは、計算していないからでもあります。
紙に書くだけで、見え方が変わります。
・住居費(家賃またはローン)= 〇〇円
・水道光熱・通信 = 〇〇円
・保険 = 〇〇円
・食費・日用品 = 〇〇円
・教育費 = 〇〇円
・その他(車・習い事など)= 〇〇円
合計= 〇〇円
②いまの世帯の手取り= 〇〇円
③貯金= 〇〇円
④無収入になった場合、③÷①= 何ヶ月もつか
④が出ると、話が具体的になります。
「不安」ではなく、「4ヶ月で尽きる」という形になるからです。
本人も、数字で言われると受け止め方が変わります。
下げられる余地も、一緒に見ておく
①のうち、すぐ下げられるものがあるかを見てください。
通信費、保険、サブスク、習い事。
数万円下がるだけで、もつ月数が変わります。
「反対しているのではなく、一緒に成立させようとしている」ということが伝わります。
数字を持って話すと、感情のぶつけ合いになりにくいです。
同じ紙を見ながら話せるからです。
あなたの不安を、伝えていい
我慢する必要はありません。
ただ、伝え方を「反対」ではなく「条件」にすると、話が進みます。
「やめたほうがいいと思う」
「うまくいくと思えない」
条件として伝わる言い方
「次が決まってからにしてほしい」
「年収が〇〇万円を下回ると、うちは回らないと思う」
「貯金が〇ヶ月分あるうちに決まる形なら、賛成できる」
下の言い方は、否定していません。
「どういう形なら賛成できるか」を示しています。
こう言われた側は、反論ではなく調整を考えます。
これが、いちばん現実的な進め方だと思います。
転職が決まってから、家庭に起きること
決まったあとにも、知っておくと備えられることがあります。
収入の入り方が、一時的に乱れます
転職の前後は、給料日がずれることがあります。
前の会社の最終給与と、新しい会社の初回給与のあいだが1〜2ヶ月空くことも珍しくありません。
入社月は日割りになることも多いです。
・新しい会社の給料日はいつか
・初回は満額か、日割りか
・賞与の支給条件(入社初年度は対象外のことがあります)
ここを知らないと、「聞いていた話と違う」と感じてしまいます。
住民税は、翌年に効いてきます
年収が上がった場合も下がった場合も、住民税は1年遅れて反映されます。
年収が下がった年は、前の年の高い所得をもとにした住民税がかかります。
つまり、下がった直後の1年がいちばんきつくなります。
ここを見込んでおくと、「思っていたより苦しい」を防げます。
・健康保険の切り替え(空白期間ができないか)
・年金の切り替え
・扶養に入っている場合の手続き
正確なところは会社の担当部署や、市区町村の窓口・年金事務所で確認できます。
転職後の手続きは退職後の手続きにまとめました。
応援するときに、できること
話を聞いたうえで、進める方向になった場合です。
1. 在職中に動くことを、勧める
本人は、「辞めてから集中したい」と言うかもしれません。
気持ちは分かりますが、家計への影響が大きく変わります。
在職中でも、オンライン面接や夜間の面談で進められます。
2. 一人で抱えさせない
在職中の転職活動は、職場の誰にも言えません。
だから、家で話せる相手がいるかどうかで負担がまったく違います。
アドバイスはいりません。
聞くだけで足ります。
3. 数字は、あなたが管理する
本人は、仕事の中身や人間関係に気を取られています。
生活が回るかどうかの計算は、あなたがやったほうが正確なことが多いです。
役割を分けておくと、お互いに責めにくくなります。
止めたほうがいい場合も、あります
全部を応援しなくて構いません。
いったん待ってもらったほうがいい状態もあります。
・辞めたい理由が「いまの会社が嫌」だけ(次の話がない)
・転職先も業界も決まっていないのに、辞める日だけ決めている
・年収が大きく下がることを、把握していない
・貯金が3ヶ月分もない
・独立や起業の話に、急に変わった
この場合、止めるのではなく「順番を変えてもらう」のがいいです。
ただ、次が決まってからにしてほしい。
それなら、全力で応援できる。
「反対」ではなく「順番」の話にする。
これが、いちばん受け入れられやすい形です。
逆に、止めないほうがいい場合
・眠れていない
・食べられない
・休日もずっと沈んでいる
・仕事の話になると様子が変わる
この状態で「もう少し我慢して」と言うのは、危ないことがあります。
生活の心配より、まず休むことを優先してください。
心身の不調が続く場合は、医療機関や公的な相談窓口に相談してください。
お金は、あとから取り返せることがあります。
健康は、そうとは限りません。
この順番だけは、間違えないほうがいいと思います。
こういう状態なら、話し合いはうまくいきます
・辞めたい理由を、本人が言葉にできている
・在職中に探すことに、同意している
・毎月いくら必要かを、二人とも知っている
・貯金が何ヶ月分あるかを、把握している
・期限が決まっている(〇月までに決まらなければどうするか)
逆に言うと、もめるのはこのどれかが欠けているときです。
多くの場合、足りないのは情報であって、気持ちではありません。
「応援してくれない」と「不安だから聞かせてほしい」は、まったく別のことです。
でも、伝え方を間違えると同じに聞こえます。
だから、最初の一言を「聞かせて」から始めてください。
よくある質問
Q. 自分が働きに出るべきでしょうか
選択肢のひとつですが、先に決めなくて大丈夫です。まず「何ヶ月もつか」の計算をしてください。余裕があるなら、慌てて決める必要はありません。足りない場合の手段として、頭に置いておくくらいが現実的です。
Q. 子どもにはどう説明すればいいですか
年齢によりますが、不安をそのまま伝える必要はありません。「お父さんが新しい仕事に変わる」で足りることが多いです。家の中の空気が張りつめているほうが、子どもは敏感に感じ取ります。
Q. 応援したいのに、つい否定的なことを言ってしまいます
不安があるので、自然な反応です。ただ、言い方を「反対」から「条件」に変えるだけで印象が変わります。「やめて」ではなく「こういう形なら賛成できる」。同じ心配を伝えていても、相手の受け取り方がまったく違います。
Q. すでに辞めてきてしまいました
起きてしまったことは変えられません。いま確かめるのは、貯金が何ヶ月分あるかです。それが分かれば、いつまでに決める必要があるかが見えます。期限が決まると、活動の進め方も変わります。
Q. 何度も転職を繰り返しています
回数そのものより、辞める理由が毎回同じかどうかを見てください。同じ理由が繰り返されているなら、会社ではなく別のところに原因がある可能性があります。そこを本人と話せると、次が変わります。
Q. 相談されず、勝手に進められていました
つらいと思います。ただ、言えなかった理由があることも多いです。「反対されると思った」というのが、いちばん多い理由です。責める前に、なぜ言えなかったのかを聞いてみてください。
Q. 年収が下がると言われました
金額と、いつまで下がったままなのかを確かめてください。一時的に下がっても、数年で戻る場合と戻らない場合があります。考え方は転職で年収が下がるのが怖いときにまとめました。
Q. 本人が疲れきっていて、話ができません
その場合は、転職の話より先に、休むことを優先してください。判断できる状態ではない可能性があります。心身の不調が続いているなら、医療機関に相談することも考えてください。
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不安なのは、家族だからです
① 「どうしてそう思ったのか、聞かせて」と言う
② いつ辞めるつもりかを確かめる
③ 毎月いくらあれば回るかを、自分で計算しておく
③は、一人でできます。これがあるだけで、話し合いがまったく変わります。
パートナーの転職が不安なのは、あなたが生活を背負っているからです。
その不安は、わがままではありません。
ただ、不安のままぶつけると、反対として受け取られます。
そして相手は、話さなくなります。
だから、順番を変えてください。
まず聞く。そのあと、条件として伝える。
それだけで、敵ではなく、同じ側の人になれます。
本人が動き始めるなら、在職中のうちに相場を確かめておくほうが、生活への影響を小さくできます。
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