電話で相手の名前が聞き取れない…耳の問題ではありません。そのまま使える聞き返し方
名前が聞き取れないのは、あなたの耳の問題ではありません。
相手は毎日言い慣れている名前を、いつもの速さで言っています。初めて聞く側に合わせていません。
聞き返す言葉は、これだけ覚えてください。「恐れ入ります、お名前をもう一度よろしいでしょうか」
2回聞き返しても、失礼にはなりません。
電話を取った。
相手が名乗った。
でも、会社名も名前も、頭に入らなかった。
聞き返したけれど、同じ速さで言われて、また分からない。
3回目は、さすがに聞けない。
この記事は、そのまま使える聞き返し方を書きます。
聞き取れないのは、当たり前です
まず、これを知っておいてください。
相手は、自分の会社名と名前を何千回も言っています。
だから、速い。
そして、初めて聞く人がいることを想像していません。
| 聞き取れない理由 | あなたのせいか |
|---|---|
| 相手が早口 | 違います |
| 会社名が長い・聞き慣れない | 違います |
| 電話の音質が悪い | 違います |
| 周りがうるさい | 違います |
| 取引先の名前をまだ知らない | 入ったばかりなら当然です |
最後の項目が、実はいちばん大きいです。
知っている名前は、聞き取れます。
知らない名前は、音として流れていきます。
だから、慣れれば自然に聞き取れるようになります。
いま聞き取れないのは、知識が足りないだけです。
そのまま使える、聞き返し方
聞き返す言葉を、決めておいてください。
「恐れ入ります、お電話が少し遠いようです。
もう一度、お願いできますでしょうか。」
「電話が遠い」は、便利な言い方です。
自分が聞き取れなかったとは言わずに、もう一度言ってもらえます。
「申し訳ありません。
確認させてください。◯◯様でいらっしゃいますか。」
(会社名が分からないとき)
「恐れ入ります、御社名をもう一度お願いできますでしょうか。」
2回目は、聞き取れた部分を言ってみるのがコツです。
「もう一度お願いします」を繰り返すより、間違っていても言ってみるほうが早く解決します。
相手が「いえ、△△です」と訂正してくれます。
・「た」から始まるのは分かった → 「た、から始まるお名前でしょうか」
・会社名だけ分かった → 「◯◯商事の、どちら様でしょうか」
・何も分からない → 「恐れ入ります、もう一度お願いできますでしょうか」
漢字を聞く、という手
名前が聞き取れないとき、漢字を聞くと正確に残せます。
「恐れ入ります、どのような漢字をお書きになりますか。」
「失礼ですが、お名前の漢字を教えていただけますか。」
これは、失礼になりません。
むしろ、正確に記録しようとしていると伝わります。
書類や記録に残す場合は、漢字まで確認するのが普通です。
そして、漢字を聞くと相手はゆっくり話してくれます。
「木へんに、寸と書いて村です」のように、区切って説明してくれるからです。
メモの取り方で、負担が減ります
聞き取れない原因のひとつに、書くことが多すぎるというのがあります。
全部を書こうとすると、聞くほうが止まります。
書くのは、この順番だけにしてください。
| 順番 | 書くこと |
|---|---|
| 1 | 会社名(分かる範囲で) |
| 2 | 相手の名前 |
| 3 | 誰宛てか |
| 4 | 用件(一言で) |
| 5 | 折り返しの要否と電話番号 |
最初は、1と2だけで構いません。
取り次げれば、あとは担当者が聞きます。
書き取りやすくする工夫
・電話メモの用紙を作っておく(項目が印刷されていれば、埋めるだけ)
・カタカナで書く(漢字を考えていると遅れます)
・聞きながら復唱する(「◯◯商事の△△様ですね」)
・番号は、区切って復唱する
3つ目が、とくに効きます。
復唱すると、間違いがその場で分かります。
そして、復唱している間に書く時間も作れます。
相手も「きちんと聞いてくれている」と受け取ります。
メモの残し方全般は、メモを取っても覚えられないときも参考にしてください。
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聞き返すときに、相手の言葉をそのまま書き取れる紙が手元にあると落ち着きます。
方眼だと、漢字を確かめながら書くときに形が整います。
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先に準備しておくと、変わります
電話を取る前にできることがあります。
・メモ用紙とペン(探している間に聞き逃します)
・取引先の一覧(会社名を見ながら聞けます)
・社内の名前と内線の一覧(取り次ぎ先を探す時間が減ります)
・聞き返しの言葉を書いた紙(そのまま読めば言えます)
2つ目が、いちばん効きます。
取引先の一覧を手元に置くだけで、聞き取れる率が変わります。
「知っている名前は聞き取れる」からです。
一覧がないなら、自分で作ってください。
電話に出るたびに、会社名と担当者名を書き足していけば、1か月で使えるものになります。
4つ目も、恥ずかしいことではありません。
読み上げるだけで言えるなら、そのほうが落ち着いて話せます。
聞き取れないまま、取り次ぐとき
どうしても聞き取れないことがあります。
そのときは、無理に確定させないでください。
(担当者へ)
「◯◯商事の方からお電話です。
お名前が聞き取れず、申し訳ありません。」
(相手が分からないとき)
「外線1番にお電話が入っています。
お名前を伺えなかったのですが、お願いできますか。」
聞き取れなかったと、正直に言ってください。
間違った名前で取り次ぐほうが、あとで問題になります。
担当者は、声や用件で相手が分かることがほとんどです。
・聞き取れていないのに、分かったふりをする
・推測した名前を、そのまま伝える
・3回以上、同じ聞き方で繰り返す
・保留のまま、長く待たせる(30秒を超えるなら、一度戻ってください)
慣れるまでの、期間の目安
どのくらいで聞き取れるようになるのか。
| 時期 | だいたいの状態 |
|---|---|
| 1か月 | よくかかってくる相手は、聞き取れるようになる |
| 3か月 | 初めての相手でも、1回の聞き返しで済むようになる |
| 半年 | 声で相手が分かることが増える |
半年たつと、名乗られる前に誰か分かることも出てきます。
そうなると、電話そのものが怖くなくなります。
いま聞き取れないのは、その手前にいるだけです。
早く進めたいなら、取引先の一覧を見ながら電話に出るのがいちばんです。
知っている名前は聞き取れるので、覚える前に見てしまえばいいのです。
会社名/よく電話をくれる担当者の名前/社内の誰が担当か
3つ目まであると、取り次ぎ先を探す時間も減ります。
この一覧は、次に入る人にも役立ちます。
よく使う言い回しを、まとめて置いておく
電話は、言葉が出てこないことがいちばんの負担です。
紙に書いて、机に貼っておいてください。
| 場面 | そのまま言える一文 |
|---|---|
| 出るとき | 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社でございます」 |
| 聞き返す | 「恐れ入ります、お電話が少し遠いようです」 |
| 確認する | 「◯◯様でいらっしゃいますね。少々お待ちください」 |
| 不在のとき | 「あいにく席を外しております」 |
| 折り返す | 「戻り次第、ご連絡いたしましょうか」 |
| 分からないとき | 「確認いたしますので、少々お待ちいただけますか」 |
最後の一文を、必ず入れておいてください。
分からないときに使える言葉があると、電話が怖くなくなります。
答えられない質問が来ても、この一言で保留にして人に聞けます。
保留が長くなりそうなら、一度戻って「確認に少しお時間をいただいております」と伝えてください。
30秒を超えるなら、一度声をかけるのが目安です。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 入って3か月以内
□ 取引先の名前を、まだ覚えていない
□ 日常の会話では、聞き取りに困らない
このタイプは、取引先の一覧を作るだけで変わります。
□ 周りの話し声が大きい
□ 電話機の音量が小さい
□ 受話器の調子が悪い
このタイプは、音量の調整や、機器の確認を頼んでください。
「電話の音量を大きくしたいのですが」と聞くだけで解決することがあります。
□ 対面では聞こえるのに、電話だけ極端に聞き取れない
□ 特定の音や声が、聞き分けづらい
□ 以前から、聞き返すことが多い
聞こえ方に不安が続くなら、一度、耳鼻科などで相談してみてください。
原因が分かれば、対処の方法も見つかります。
よくある質問
Q. 何回まで聞き返していいですか
2回までは問題ありません。3回目は、聞き方を変えてください。「恐れ入ります、どのような漢字でしょうか」と切り替えると、解決しやすくなります。
Q. 聞き返したら、相手が不機嫌になりました
相手の側の問題です。ただ、「電話が遠いようです」と前置きすると、そうなりにくくなります。こちらの耳の話ではなく、回線の話にするのがコツです。
Q. 名前を聞き忘れて、切ってしまいました
担当者に、正直に伝えてください。「お名前を伺えませんでした」と言えば、折り返しの対応を考えてもらえます。黙っているほうが問題になります。
Q. 聞き間違えた名前で、書類を作ってしまいました
気づいた時点で、すぐ報告してください。相手にお詫びの連絡が必要かどうかも、上司に確認してください。早く言うほど、対応が簡単になります。
Q. メモを取ろうとすると、話が頭に入りません
最初は、名前と用件だけに絞ってください。全部を書こうとすると、どちらもできなくなります。慣れてくると、両方できるようになります。
Q. 電話を取るのが怖くなってきました
よくあることです。電話の型を決めておくと、恐怖はかなり減ります。中途入社で電話に出るのが怖いときに、詳しく書いています。
Q. 社名だけ聞き取れて、名前が分かりません
「◯◯商事の、どちら様でいらっしゃいますか」と聞いてください。会社名が分かっていることが伝わるので、相手も答えやすくなります。
Q. 早口の人に、ゆっくり話してもらう方法はありますか
こちらがゆっくり話すと、相手も速度を落とすことがあります。また「恐れ入ります、書き留めますので少しゆっくりお願いできますか」と伝えれば、多くの人は合わせてくれます。
Q. 名指しされた社員が、席にいません
「あいにく席を外しております。戻り次第、折り返しご連絡いたしましょうか」と伝えてください。折り返す場合は、相手の名前と番号を必ず確認します。ここは聞き返して構いません。
Q. 聞き返している間に、焦ってしまいます
焦っても、相手には伝わりません。ゆっくり話すほうが、落ち着いて聞こえます。「恐れ入ります」と一度言うと、間ができて自分も落ち着きます。
Q. 貼り紙を見ながら話すのは、みっともないですか
まったく問題ありません。見ずに詰まるより、見て落ち着いて話すほうが相手にも伝わります。慣れれば自然に見なくなります。
Q. 携帯電話からの着信だと、とくに聞き取りにくいです
電波の状況で音質が落ちることがあります。「恐れ入ります、お電話が遠いようです」と伝えれば、相手も場所を変えてくれることがあります。こちらの問題にしなくて大丈夫です。
Q. 外国のお名前で、カタカナも聞き取れません
「恐れ入ります、お名前を一文字ずつお願いできますでしょうか」と伝えてください。区切って言ってもらえば、書き取れます。聞き返すことをためらわないでください。
Q. 急いでいる様子の相手だと、聞き返しづらいです
急いでいるときほど、間違った取り次ぎのほうが時間を失います。「間違いなくお繋ぎしたいので」と一言添えると、聞き返しても嫌がられません。
Q. 電話に出るのは、いつまで新人の仕事ですか
職場によりますが、慣れれば誰が出ても同じになります。最初のうちに数をこなすと、取引先の名前も早く覚えられます。いまは練習の期間だと考えてください。
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① 「恐れ入ります、お電話が少し遠いようです」を紙に書いて、机に置く
② 取引先の会社名と担当者名を、書き足す紙を用意する
③ メモとペンを、受話器のそばに置いておく
名前が聞き取れないのは、あなたの耳の問題ではありません。
知らない名前は、音として流れていくだけです。
2回までは、遠慮なく聞き返してください。
それでも分からなければ、漢字を聞くか、聞き取れなかったと正直に伝えてください。
電話の負担が大きすぎる職場だと感じたときは、転職エージェントの選び方も見ておいてください。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言・医学的助言ではありません。聞こえ方に不安が続く場合は、医療機関にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。