転職して人間関係をまた一から…作り直すのは20人でなく3人です
また一から人間関係を作るのが面倒、という理由で転職をやめるのは、もったいないです。
ただし、その面倒くささは本物です。気のせいではありません。
作り直しは、思っているほど大変ではありません。
理由は、中途入社では「全員と仲良くなる」必要がないからです。
転職したい気持ちはある。
求人も見ている。
でも、ふと想像してしまう。
また自己紹介をして、名前を覚えて、誰が誰と仲がいいのかを探る。
ランチをどうするか考える。
あれを、もう一度やるのか。
そう思った瞬間に、気持ちが萎える。
この記事は、その面倒くささをちゃんと扱います。
その気持ちは、自然です
まず、怠けているわけではありません。
人間関係を作り直すのは、実際にエネルギーを使います。
・名前と顔と役割を覚える
・誰に何を聞けばいいかを把握する
・話しかけていいタイミングを探る
・雑談の距離感を測る
・暗黙のルールを読み取る(休憩・挨拶・飲み会)
これを、仕事を覚えながら同時にやります。
疲れて当然です。
しかも、いまの職場ではそれが全部終わっています。
だから、「いまのままでいいか」と思うのは自然な反応です。
でも、それを理由にすると起きること
正直に書きます。
人間関係の面倒くささは、5年後も10年後も同じだけかかります。
しかも、年齢が上がるほど重くなります。
| いま動く | 5年後に動く | |
|---|---|---|
| 関係を作る手間 | かかる | 同じだけかかる |
| 年下の上司 | 少ない | 増える |
| 覚え直す量 | 同じ | 同じ |
| 選べる求人 | いまの数 | 減っていることが多い |
つまり、先延ばしにしても手間は減りません。
減るのは、選べる求人のほうです。
・いまの職場の人間関係が、実は気に入っている
・辞めたい理由が、人間関係以外にほとんどない
この場合、残るのは十分に合理的です。
人間関係が良い職場は、それだけで価値があります。
「面倒だから残る」と「関係が良いから残る」は、まったく違います。
いまの人間関係は、たぶん持ち越せます
見落とされがちなことがあります。
辞めても、いまの人間関係が全部消えるわけではありません。
仲の良かった同僚とは、辞めたあとも続くことがあります。
むしろ、利害関係がなくなって、前より話しやすくなるという人もいます。
・辞めたあとのほうが本音で話せる(同じ会社の評価にさらされない)
・年に数回会う関係として続く
・相手が辞めたときに、相談される側になる
・転職先の情報をやり取りする関係になる
消えるのは、「毎日顔を合わせる」という関係のほうです。
人そのものが消えるわけではありません。
逆に、消えたほうがいい関係もあります
職場の人間関係には、会社が同じだから続いているだけのものも混ざっています。
気を使う相手。
断りにくい誘い。
辞めると、そちらも一緒に終わります。
作り直しの手間だけを数えると、この身軽さが計算に入りません。
中途入社は、新卒とは違います
ここが、いちばん伝えたいところです。
多くの人が想像している「作り直し」は、新卒のときのイメージです。
| 新卒 | 中途 | |
|---|---|---|
| 同期 | 大勢いる。仲良くなる前提 | いない(その分、群れなくていい) |
| 周りの期待 | 馴染むこと | 仕事ができること |
| 関わる人数 | 会社全体 | 配属部署の数人 |
| 飲み会 | ほぼ必須の空気 | 断っても問題になりにくい |
| 評価 | 人柄・伸びしろ | 成果 |
中途入社で求められているのは、仲良くなることではありません。
仕事が回ることです。
だから、全員と親しくなる必要がありません。
実際に必要なのは、3人だけです
中途入社で最初に押さえるのは、この3人です。
② 分からないことを聞ける人(席が近い・年齢が近いと楽)
③ 決裁する人(直属の上司)
この3人と、普通に話せれば仕事は回ります。
あとの人とは、挨拶ができていれば十分です。
部署に20人いても、20人と仲良くなる必要はありません。
これが分かっているだけで、作り直しの負担は大きく減ります。
「馴染まなきゃ」と思うほど疲れます
中途入社でいちばん消耗するのは、早く馴染もうと頑張ることです。
無理に雑談に入る。
飲み会に全部出る。
でも、関係は時間でできるものです。
急いで作った関係は、だいたい長続きしません。
入社直後の過ごし方は中途入社で馴染めないときにまとめました。
最初の1ヶ月で、実際に起きること
想像しているほど、孤独な時間は長くありません。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 初日 | 自己紹介と挨拶回り。誰の名前も覚えられなくて普通です |
| 1週目 | 教えてくれる人が決まる。その人とは毎日話します |
| 2〜3週目 | 席の近い数人と話すようになる。ここで3人がそろいます |
| 1ヶ月 | 「知らない場所」ではなくなる。疲れのピークもこのあたり |
| 3ヶ月 | 雑談ができる相手が増える。意識して作らなくても自然に増えます |
見て分かるとおり、1週目でもう1人はできます。
新しく入った人に仕事を教えるのは、その人の業務だからです。
つまり、最初の1人は自動的にできます。
つらいのは、2週目あたり
初日は緊張で乗り切れます。
きついのは、緊張が切れて、疲れだけが残る2週目です。
ここで「やっぱり前の会社のほうが」と思いやすいです。
でも、それは比較ではなく疲れです。
前の会社の全部と、新しい会社の2週間を比べても、公平になりません。
作り直しを、軽くする方法
1. メモを取る(人の情報も)
名前を覚えるのがつらいのは、記憶だけでやろうとするからです。
・名前と部署
・見た目の特徴(メガネ・髪型など)
・何の担当か
これだけで、2週目からの負担がまったく違います。
2. 最初の1ヶ月は予定を入れない
慣れない場所にいるだけで、体力を使います。
帰ったら早く寝る。
それだけで構いません。
3. 「距離が近すぎない職場」を選ぶ
これは、転職先を選ぶ段階でできることです。
求人票や面接から、距離感は意外と読み取れます。
・求人票に「アットホーム」「家族のような」と書いてある
・社員旅行・部活動が強調されている
・面接でプライベートの話を多く聞かれる
距離が保たれている職場のサイン
・業務内容の記述が具体的
・リモートやフレックスがある
・面接で実務の話が中心
どちらが良い悪いではなく、合うかどうかです。
人間関係の作り直しが面倒なタイプなら、後者を選んだほうが楽です。
これを面接で聞くこともできます。
また、業務外の集まりはどのくらいありますか。
答え方で、その職場の距離感が分かります。
「面倒」の中身を、分けてみてください
ひとことで「面倒」と言っていますが、中身は人によって違います。
① 覚えるのが面倒(名前・役割・ルール)
② 気を使うのが面倒(距離感を測る時間)
③ また嫌な人に当たるのが怖い
④ いまの人間関係を手放したくない
①なら、メモを取れば大幅に減ります。
②なら、距離が近すぎない職場を選べば減ります。
③なら、部署の人数を面接で聞いておくことで備えられます。
④だけは、対処法がありません。
いまの人間関係に価値を感じているということです。
それは、残る理由として十分に成立します。
「面倒だから動けない」と自分を責める必要はありません。
「大事なものがあるから動かない」のほうが、実態に近いはずです。
④の人がそれでも動くとしたら、人間関係より重い理由があるときだけです。
体調に出ている、労働条件が厳しい、将来が見えない。
その理由があるかどうかが、判断の分かれ目になります。
入社初日に、これだけやっておく
初日にやることを決めておくと、気が楽になります。
① 教えてくれる人の名前を、その場でメモする
② 「分からないことは誰に聞けばいいですか」と一度だけ聞く
③ 帰りに挨拶をして帰る
これで、3人のうち2人はもう確保できています。
②は、初日にしか聞きにくい質問です。
あとから聞くと、「まだ分かってないのか」と思われそうで聞けなくなります。
初日なら、聞いて当然です。
分からないことが出てきたときは、どなたにお聞きするのがよろしいでしょうか。
この一言で、「聞ける相手」が公式に決まります。
あとは、その人に聞けばいいだけです。
初日の過ごし方は入社前日が不安でしかないときにもまとめました。
よくある質問
Q. 前の職場の同僚と、辞めたあとも連絡していいですか
問題ありません。ただし、会社の内部情報や、新しい職場の話を細かくやり取りするのは避けてください。両方の会社にとって都合が悪くなることがあります。個人としての付き合いなら、続けて構いません。
Q. リモート中心の職場なら、人間関係は楽ですか
気を使う場面は減りますが、「聞ける相手を作る」のは難しくなります。対面なら隣の人にすぐ聞けることが、リモートだとチャットを送る決心が要ります。人見知りの人ほど、最初はある程度出社できる環境のほうが楽な場合があります。
Q. 転職先で、また同じ悩みを持たないか心配です
人間関係の悩みが毎回同じ形で出ている場合は、職場ではなく別のところに原因があることもあります。たとえば「気を使いすぎる」「断れない」といった傾向です。その場合、環境を変えても同じことが起きます。転職と並行して、そこを見ておくと次が変わります。
Q. 職場の人と仲良くならないと、評価が下がりませんか
中途採用で見られているのは成果と、仕事のやり取りが円滑かどうかです。飲み会に出るかどうかで評価が決まる職場もありますが、それは面接の段階で気配が出ます。業務外の集まりの頻度を聞いておけば、避けられます。
Q. 少人数の会社と大きい会社、どちらが楽ですか
合わない人がいたときの逃げ場を考えると、人数が多いほうが楽です。少人数だと、合わない人と毎日必ず接します。ただし少人数は覚える人数が少ないという利点もあります。「①覚えるのが面倒」なら少人数、「③嫌な人が怖い」なら大きめ、が目安です。
Q. 人見知りでも、中途入社はやっていけますか
やっていけます。中途に求められているのは、明るさではなく仕事です。必要なのは、分からないことを聞けることだけです。雑談が得意である必要はありません。
Q. 前の職場の人間関係が良かったので、余計に動けません
それは大事な情報です。人間関係が良い職場は、それ自体が条件のひとつです。それを手放してでも解決したい問題があるのかを、一度紙に書いてみてください。なければ、残るのも十分な判断です。
Q. 飲み会に出ないと、浮きませんか
中途入社なら、断っても大きな問題になりにくいです。最初の1回だけ出て、あとは頻度を落とすのが現実的です。毎回断ると理由を聞かれやすいので、「たまに出る」くらいがいちばん楽です。
Q. また合わない人がいたらどうしよう
どこに行っても、合わない人はいます。違うのは、その人と関わる時間の長さです。部署が大きい会社なら、合わない人と毎日話す必要はありません。面接で組織の規模を聞いておくと、判断材料になります。
Q. 何ヶ月で慣れますか
人によりますが、1〜3ヶ月で「知らない場所」ではなくなります。最初の1ヶ月がいちばんきついです。その1ヶ月を越えれば、あとは急に楽になります。
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作り直すのは、20人ではなく3人です
① いま辞めたい理由を3つ書く
② そのうち「人間関係を作り直す面倒くささ」より重いものに丸をつける
③ 丸が1つでもあるなら、それが動く理由です
丸が1つもないなら、いまは残っていいという結論です。
「また一から」と考えると、とても大きな作業に見えます。
でも実際に必要なのは、3人と普通に話せるようになることだけです。
部署の全員でもなければ、会社全体でもありません。
そして、その3人は、向こうから話しかけてきます。
新しく入った人に仕事を教えるのは、相手の仕事だからです。
つまり、あなたが一から作るわけではありません。
半分は、相手が作ってくれます。
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