前任者が辞めた理由が気になる…聞いていい。ただし本当に見るべきは「いまの職場」です
前任者が辞めた理由が気になるのは、当然のことです。
聞いて構いません。ただ、本当の理由がそのまま返ってくることは少ないです。
あなたが本当に知りたいのは、「自分も同じ目に遭わないか」のはず。
それは、辞めた理由よりも、いまの職場の様子を見るほうが確かめられます。
求人は「欠員補充」。
つまり、このポジションにいた誰かが辞めたということです。
なぜ辞めたのだろう。
人間関係がひどかったのか。
仕事がきつすぎたのか。
自分も同じ理由で辞めることになったらどうしよう。
面接で聞いていいのか、入社してから周りに聞いていいのか、迷っている人も多いと思います。
この記事は、前任者が辞めた理由の、確かめ方と受け止め方を書きます。
気になるのは、自分の未来を知りたいから
前任者の話が気になるのは、野次馬根性ではありません。
同じ席に座り、同じ上司の下で、同じ仕事をするのはこれからのあなたです。
前任者に起きたことは、あなたにも起きるかもしれない。
そう考えるのは、とても自然です。
ただ、ここで一つだけ押さえておいてください。
前任者が辞めた理由と、あなたが続けられるかどうかは、同じではありません。
同じ職場でも、合う人と合わない人がいます。
前任者には合わなかったけれど、あなたには合う、ということは普通にあります。
逆に、前任者は円満に辞めたけれど、あなたには合わない、ということもあります。
だから、理由を知ることは判断材料の一つであって、答えそのものではありません。
面接や職場見学で、聞いてもいい?
聞いて構いません。
ただし、聞き方で受け取られ方が変わります。
「長く働きたいと考えているので、差し支えなければ伺いたいのですが、
こちらのポジションは、前任の方がいらっしゃったのでしょうか。」
ポイントは、「辞めた理由」を直接聞かないことです。
「前任の方がいらっしゃったのか」と聞けば、相手は話せる範囲で答えてくれます。
「長く働きたいので」と前に置くと、詮索ではなく、前向きな質問として受け取られます。
本当の理由は、返ってこない前提で
面接で返ってくる答えは、たいてい「家庭の事情で」「キャリアアップのために」といったものです。
会社としては、辞めた人の事情を詳しく話すわけにはいきません。
だから、答えの中身より、答えるときの様子を見てください。
| 答え方 | 読み取れること |
|---|---|
| すぐに、具体的に答えてくれる | 隠すことがあまりない。円満な退職だった可能性が高い |
| 少し考えてから、一般的な理由を言う | よくある反応です。これだけで判断しないでください |
| 明らかに言葉に詰まる・話をそらす | 何か言いにくい事情があった可能性。ほかの質問で確かめる |
| 前任者の悪口を言う | 注意が必要です。辞めた人を悪く言う職場は、あなたが辞めたあとも同じように言う可能性があります |
4つ目は、とくに大事なサインです。
面接という場で前任者を悪く言う人は、普段からそういう話し方をしていることが多いです。
「欠員補充」の求人は、悪い求人ではありません
「欠員補充」と書いてあると、それだけで身構える人もいます。
でも、欠員補充はごく普通の募集理由です。
人が辞めるのは、どの職場でも起きることです。
むしろ、欠員補充の求人にはよい面もあります。
・仕事の中身がはっきりしている(前任者がやっていた仕事がある)
・職場の人数や体制が、すでにできあがっている
・前任者が長く勤めていたなら、続けられる土台がある
気をつけたいのは、同じポジションの募集が何度も出ているときだけです。
求人サイトで、同じ会社の同じ職種が繰り返し出ていないか、一度見ておくと安心です。
理由より、実態が分かる質問
辞めた理由を聞くより、いまの職場の実態が分かる質問のほうが役に立ちます。
こちらは、面接で聞いても印象が悪くなりにくい質問です。
① 「このポジションは、何人くらいで担当されていますか」
② 「入社後は、どなたに教えていただく形になりますか」
③ 「引き継ぎの資料や、業務の手順書はありますか」
④ 「前任の方は、どのくらいの期間いらっしゃいましたか」
④の答えは、とくに参考になります。
前任者が何年も勤めていたなら、続けられる職場である可能性が高いです。
逆に、短い期間で何人も入れ替わっているなら、そのポジションには何か理由があるかもしれません。
②と③は、入社後の自分に直接関わります。
答えがあいまいなら、入社後に放置される可能性も考えておいてください。
入社前に確かめておきたいことは、入社前に確認すべき質問12にまとめました。
入社してから、周りに聞いてもいい?
入社したあとで、前任者のことが気になってくることもあります。
周りに聞くのは、タブーではありません。
ただし、聞く時期と、聞く相手には気をつけてください。
| 聞き方 | おすすめ度 |
|---|---|
| 入社1ヶ月ほどたってから、仲良くなった人に | ◎ 雑談の流れで自然に聞けます |
| 仕事の質問のついでに、上司に | ◯ 「前任の方はどうされていましたか」と仕事の話として聞く |
| 入社してすぐ、誰かれかまわず | ✗ 詮索好きな人だと思われやすい |
いちばん自然なのは、仕事の質問として聞くことです。
「この作業、前任の方はどんなふうに進めていらっしゃいましたか。」
この聞き方なら、辞めた理由を直接聞かなくても、前任者の話がいろいろ出てきます。
その中に、辞めた理由のヒントが混じっていることもあります。
前任者の悪口を聞かされたら
周りの人が、前任者の悪口を言ってくることもあります。
そのときは、うなずくだけにして、話に乗らないのがいちばんです。
一緒に悪口を言うと、あなたも同じ輪に入ったと思われます。
そして、悪口の中身は、あくまでその人から見た話です。
前任者の側から見れば、別の事情があったかもしれません。
辞めた理由のタイプ別の、受け止め方
もし理由が分かったら、次のように受け止めてください。
| 分かった理由 | あなたへの影響の考え方 |
|---|---|
| 人間関係 | 相手が誰だったかで変わります。あなたが一緒に働く人かどうかを確かめる |
| 仕事量が多すぎた | いまも同じ量かを見ておく。人が増えた・仕事が減ったなら、状況は変わっています |
| 家庭の事情・引っ越し | 本当なら、あなたへの影響はほとんどありません |
| キャリアアップ・転職 | 前向きな理由なら、あなたへの影響はほとんどありません |
| 分からない・誰も話さない | 無理に探らなくていい。1ヶ月の様子で判断する |
「人間関係」と聞くと、身構えてしまうと思います。
でも、その相手がすでに異動していたり、あなたとは別の部署だったりすることもあります。
誰との関係だったのかまで分かって、初めて自分への影響が見えます。
前任者が、引き継ぎなしで辞めていたら
いちばん困るのが、このケースです。
資料もない、手順書もない、誰に聞いても「前任者しか分からない」。
この場合は、前任者の代わりになる情報源を探してください。
・共有フォルダに残っている前任者のファイル
・前任者が送っていたメールの履歴(見られる範囲で)
・一緒に仕事をしていた社外の人(取引先は流れを知っています)
・上司が把握している「月末に必ずやること」
そして、分かったことは自分で手順書にしておいてください。
その手順書は、あなたが職場に残す最初の成果になります。
前任者が作れなかったものを、あなたが作った。
それは、周りからの見られ方を大きく変えます。
理由より大事な、最初の1ヶ月で見ておくこと
結局のところ、あなたが続けられるかどうかは、入ってからの1ヶ月でかなり見えてきます。
□ 質問すると答えてくれる人がいる
□ 仕事の量が、面接で聞いた話と大きく違わない
□ 誰かの悪口が、日常的に飛び交っていない
□ 残業や休日の扱いが、聞いていた話と合っている
□ 体と気分が、なんとかもっている
当てはまる数が多ければ、前任者の事情はあなたには関係なかったと考えていいです。
当てはまらないものが多いなら、前任者と同じ壁に当たっている可能性があります。
そのときは、早めに次の選択肢も考えてください。
入って間もない時期に辞めるかどうかの判断は、入社1ヶ月で辞めたいにまとめました。
よくある質問
Q. 面接で前任者の退職理由を聞いたら、印象が悪くなりますか
聞き方しだいです。「なぜ辞めたんですか」と直接聞くと、身構えられることがあります。「長く働きたいので」と前置きして、「前任の方がいらっしゃったのか」と聞けば、前向きな質問として受け取られます。
Q. 派遣会社から「前任者は人間関係で辞めた」と強調されました
あらかじめ伝えてくれたのは、むしろ誠実な対応とも言えます。誰との関係だったのか、その人はいまもいるのかを、派遣会社の担当者に聞いてみてください。答えによって、あなたへの影響はまったく変わります。
Q. 「家庭の事情」で辞めたと聞きましたが、本当でしょうか
本当のこともあれば、角の立たない言い方として使われていることもあります。確かめる方法はないので、入ってからの1ヶ月の様子で判断してください。前任者が長く勤めていたなら、あまり心配しなくていいことが多いです。
Q. 前任者が短期間で何人も辞めています
そのポジションには、何か続けにくい理由があるかもしれません。仕事量、教える仕組み、一緒に働く相手のどれかであることが多いです。入社前なら、「前任の方はどのくらいの期間いらっしゃいましたか」と聞いて確かめてください。
Q. 前任者が社内の別の部署にいます
困ったときに聞ける、心強い相手です。挨拶に行って、「分からないことがあったら少しだけ伺ってもいいですか」とお願いしておくといいです。ただし、頼りすぎると相手の仕事の負担になるので、質問はまとめて聞いてください。
Q. 前任者と比べられてつらいです
比べられるのは、周りの物差しがまだ前任者しかないからです。あなたのやり方が知られてくると、比べられることは減っていきます。
Q. 前任者に直接連絡して、辞めた理由を聞いてもいいですか
連絡先を知っていても、辞めた理由を聞くのは控えたほうが無難です。仕事の手順を聞くなら、上司を通してお願いしてください。辞めた人にとって、元の職場の話は負担になることもあります。
Q. 入社してから、自分も辞めたくなってきました
前任者と同じ理由かどうかを、一度だけ考えてみてください。同じなら、それはあなたの問題ではなく、そのポジションの問題です。早めに次の選択肢を考えても構いません。
Q. 前任者がまだ在籍していて、引き継ぎを受けます
いちばん恵まれたケースです。遠慮せず、手順の理由まで聞いておいてください。「なぜこの順番なんですか」と聞いておくと、前任者がいなくなったあとでも自分で判断できます。
Q. 同僚から「前の人はすぐ辞めたよ」と言われました
その一言だけで判断しないでください。前任者の事情と、あなたの状況は違います。気になるなら、「どんなところが大変だったんでしょうね」と一度だけ聞いてみて、あとは自分の目で確かめてください。
Q. 前任者の席や私物がそのまま残っています
片づけ忘れていることがよくあります。私物らしいものは自分で処分せず、上司に「前任の方のものが残っているようなのですが」と伝えてください。仕事の資料は、捨てる前に中身を確認すると、引き継ぎ代わりになることもあります。
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① 入社前なら「前任の方の在籍期間」と「教えてくれる人」を聞く
② 入社後なら、仕事の質問として前任者のやり方を聞く
③ 1ヶ月後に、この記事のチェックを見返す
前任者が辞めた理由が気になるのは、あなたがこの職場で長く働きたいと思っているからです。
ただ、前任者の過去は、あなたの未来とは違います。
確かめるべきなのは、いま、この職場で何が起きているかです。
それは、入ってからの1ヶ月で、あなた自身の目で見えてきます。
求人の事情を入る前に知りたいなら、転職エージェントの選び方も参考にしてください。エージェント経由の求人なら、担当者が募集の背景を把握していることもあります。
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