職場が寒いけど言えない…温度でなく「風と場所」の話にすると通ります
寒さは、我慢でどうにかする話ではありません。事務所の室温には、目安が定められています。
動く順番は①自分で防ぐ ②席と風向きを変える ③温度の相談をするの3つ。
③を先にやると、たいていこじれます。温度は、暑い人と寒い人の取り合いになるからです。
言うときは「寒いです」ではなく「風が直接当たるので、向きを変えてもいいですか」と、場所の話にしてください。
手足がしびれる、体調に出ているなら、それは我慢の範囲を超えています。
職場が寒い。
でも、周りは平気そうにしている。
「寒いです」と言ったら、わがままだと思われそうで言えない。
上着を重ねて、なんとかしのいでいる。
この記事は、角を立てずに、寒さを減らす順番を書きます。
我慢する話ではありません
まず、前提を一つ。
事務所で働く人の環境については、室温の目安が決まりとして定められています。
冬でも夏でも、極端に寒い状態が続くのは、本来おかしいのです。
ただ、ここで注意があります。
いきなり「決まりでは◯度です」と言うと、相手は責められたと受け取ります。
そうなると、温度より先に、関係のほうが悪くなります。
知っておくのは大事ですが、使うのは最後です。
だからこの記事では、先に自分でできることから書きます。
順番を守ると、ほとんどの場合、③までいかずに片づきます。
①まず、自分で防げるところから
人に言う前に、ここで半分くらいは解決します。
| 冷えるところ | 対策 |
|---|---|
| 足元 | いちばん冷える。厚手のものに替える、履き替える、足元に敷く |
| 首・手首・足首 | ここを覆うだけで、体感がかなり変わる |
| ひざから下 | ひざ掛けを1枚。座り仕事ならこれが効く |
| おなか・腰 | 薄手のものを一枚はさむ |
| 手先 | 指の出る手袋。作業の邪魔になりにくい |
よくあるのが、上半身だけ厚着して、足元が素通しという形です。
冷えは下から来るので、これだと効きません。
上着を1枚増やすより、足元を1つ変えるほうが、体感は変わります。
中から温めるのは、いちばん早い方法です。
ただし、トイレが近くなるのが難点です。
朝と午後に1杯ずつくらいが、ちょうどいいところです。
②席と、風の向きを変える
自分で防いでもだめなら、次はここです。
多くの場合、寒いのは部屋ではなく、その席です。
風が直接当たっているかどうかで、体感はまったく違います。
確かめ方は簡単です。
① ティッシュを1枚、机の上で持ってみる
② 揺れるなら、風が当たっています
揺れたなら、それは部屋の温度の問題ではありません。
ここまで分かれば、頼み方が変わります。
そのまま使える言い方
ここ、風が直接当たるみたいで。
吹き出し口の向きを、少し変えてもいいでしょうか。
この言い方には、大事な点が2つあります。
ひとつ、温度を変えてくれと言っていないこと。
ふたつ、「寒い」という主観でなく「風が当たる」という事実を言っていること。
温度は全員のものですが、風向きは自分の席のことです。
だから、反対されにくいのです。
| 通りにくい言い方 | 通りやすい言い方 |
|---|---|
| 寒いので、温度を上げてもらえますか | 風が直接当たるので、向きを変えてもいいですか |
| この部屋、寒すぎませんか | この席だけ冷えるみたいで、ついたてを置いてもいいですか |
| エアコン下げすぎです | 席を1つ動かしてもいいでしょうか |
右側は全部、自分の周りだけを変えるお願いです。
人の快適さを奪わないので、断る理由がありません。
③温度そのものを相談するとき
①も②もできない、それでも寒い。
ここまで来てはじめて、温度の話をします。
コツは、自分一人の希望として出さないことです。
言い方の例
何度になっているか、一度見てみてもいいですか」
これは、温度を上げてくれという要求ではありません。
いま何度かを確かめようという提案です。
温度計を1つ机に置いておくだけでも、話が早くなります。
「寒い気がする」が「いま16度でした」に変わるからです。
数字が出ると、誰かの感じ方の問題ではなくなります。
机の隅に置いておくだけ。
相談するときも、体調の記録をつけるときも、これがいちばん強い材料になります。
暑い人と、寒い人が一緒にいるとき
ここがいちばん、こじれるところです。
同じ部屋にいても、感じ方は人によって違います。
体格、動く量、着ているもの、座っている場所。
どちらが正しいという話ではありません。
相手に黙って、勝手に温度を変えること。
これが、いちばん関係を壊します。
変えたことより、黙って変えたことのほうが問題になります。
この対立には、温度を動かさずに済む解き方があります。
| やり方 | どう効くか |
|---|---|
| 席を入れ替える | 暑い人が風の下、寒い人が奥へ。それだけで解決することがある |
| 吹き出し口の向きを変える | 温度を変えずに、当たる人だけ変わる |
| ついたてを置く | 風をさえぎるだけで、体感は大きく変わる |
| 時間で区切る | 午前と午後で設定を変える |
どれも、どちらかが我慢する形にならないのが利点です。
温度を1度動かす話にすると、必ずどちらかが負けます。
負けた側は、次からもっと言いにくくなります。
自分たちで変えられない職場のとき
店舗、テナント、共有部分。
建物全体で空調が決まっていて、手元では何も変えられない職場があります。
この場合、温度の相談をしても意味がありません。
やることは2つです。
ひとつ、身につけるもので防ぐ。ここに全部かけてください。
ふたつ、立ち位置を変えられないか聞く。
入口の近く、風の通り道、冷蔵ケースの前。
同じ店内でも、体感は場所でまったく違います。
「入口の担当を、時間で交代にできませんか」。
こういう頼み方なら、温度の話をしなくて済みます。
体に出ているなら、それは別の話です
ここからは、我慢の範囲ではありません。
□ 手足の指の感覚がなくなる
□ 寒さで手が動かしにくい
□ 頭痛や腹痛が、その職場にいるときだけ出る
□ 帰宅後もしばらく体が冷えたまま
□ 冬のあいだ、ずっと体調が戻らない
ひとつでも当てはまるなら、作業の安全にもかかわります。
相談先は、直属の上司だけではありません。
総務、衛生管理者、産業医の窓口。
人数の多い会社なら、健康について相談できる仕組みがあります。
社内で話が進まないときは、各労働局の総合労働相談コーナーにも相談できます。
こんな状態なら、我慢しなくていいです
当てはまるものがあれば、今週のうちに一つ動かしてください。
□ 上着を着たまま一日を過ごしている
□ 足先の冷えが、夕方まで戻らない
□ 風が直接当たる席に座っている
□ 「寒い」と一度も言えたことがない
□ 職場の温度が何度なのか、知らない
□ 冬になると、その職場に行くのがつらくなる
4つ以上当てはまるなら、環境のほうに原因があります。
寒がりだからではありません。
まず、温度計を1つ置いて、数字を見てください。
話を進めるにも、あきらめるにも、数字があるかどうかで変わります。
やらないほうがいいこと
| やりがちなこと | なぜ避けるか |
|---|---|
| 黙って温度を変える | いちばん関係が悪くなる |
| いきなり決まりを持ち出す | 責められたと受け取られる |
| 「寒くないですか」と何度も聞く | 同意を求められると、人は答えにくい |
| 厚着だけで乗り切る | 足元が冷えたままだと効かない |
| 何年も我慢する | 体のほうが先に限界になる |
3番目が、意外と多いです。
同意してほしくて「寒くないですか」と聞いてしまう。
でも、聞かれた側は「いえ、私は大丈夫です」としか答えにくいのです。
同意を求めるのではなく、自分の席のことを、事実として言う。
それがいちばん通ります。
何を足すか、優先順位をつけると
全部そろえる必要はありません。
効く順番があります。
| 順番 | 足すもの | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ひざ掛け | 座り仕事なら、これがいちばん効く |
| 2 | 足元に敷くもの、厚手の履き物 | 冷えは下から来る |
| 3 | 首・手首を覆うもの | 体感が変わりやすい場所 |
| 4 | 薄手の重ね着 | 着ぶくれせずに調整できる |
| 5 | 温度計 | 相談するときの材料になる |
1つ目と2つ目で、たいてい足ります。
この2つは、人に見えにくいのも利点です。
机の下のことなので、何か言われることがありません。
足元を温める機器は、職場によって持ち込みが禁止されていることがあります。
ブレーカーや火の元の問題なので、決まりがあるのは当然です。
買う前に、総務か上司に「持ち込んでいいか」を一言聞いてください。
「足元が冷えるので、電気を使わないもので何か置いてもいいでしょうか」
電気を使わないと先に言うと、ほぼ通ります。
広告
この記事でいちばん効くと書いたひざ掛けにあたるものです。
職場に置いたままにするなら、洗えるものを選んでください。毎日ひざに掛けるので、季節の終わりに一度洗えると気持ちよく使えます。
机の下で使うものなので、色や柄で言われることはまずありません。静電気が起きにくい加工のものだと、冬に服にまとわりつきません。
※Amazonのアソシエイトとして、退職前夜は適格販売により収入を得ています。
季節の変わり目がいちばんつらい
実は、真冬より寒く感じる時期があります。
10月と、4月から5月です。
理由は3つあります。
ひとつ、まだ暖房が入っていないこと。
ふたつ、服装が夏のものから切り替わっていないこと。
みっつ、寒いと言いにくいこと。
この時期は「もう寒いですね」と言いづらいのです。
まだ暖かい日もあるので、自分だけ寒がっている気になります。
職場に、羽織るものとひざ掛けを置いたままにしておく。
「今日は寒いから持っていこう」だと、たいてい間に合いません。
置いておけば、寒い日にすぐ使えます。
夏の冷房も、同じ考え方です。
外は暑いので、持ち歩く気になりません。
だから、職場に置く。これだけで解決します。
よくある質問
Q. 私だけが寒がりなのでしょうか
感じ方には個人差があります。ただ、温度計を置いて実際の数字を見ると、寒がりではなく本当に低いことがよくあります。まず数字を見てください。
Q. ひざ掛けを使っていたら、だらしないと言われました
職場の決まりで禁止されていないなら、使って構いません。色を落ち着いたものにする、席を立つときはたたんでおく。これだけで言われにくくなります。
Q. 上司が暑がりで、いつも設定が低いです
温度の話にせず、風向きと席の話にしてください。上司の快適さを奪わない形なら、通りやすくなります。
Q. 換気で窓を開けるので、寒いです
換気は必要なものなので、やめてもらうのは難しいです。時間を決める、開ける窓を自分の席から遠いほうにする。この2つを相談してみてください。
Q. 冬より、夏の冷房のほうがつらいです
よくあります。夏は服で調整しにくいうえ、外との差が大きいためです。夏こそ、ひざ掛けと羽織るものを1枚、職場に置いておいてください。
Q. 我慢していれば、そのうち慣れますか
慣れる人もいますが、体調に出ている場合は慣れません。感覚がなくなる、痛みが出るといった状態は、慣れとは違います。
Q. 相談したのに、何も変わりませんでした
温度は動かせなくても、席や風向きは動かせることがあります。一度で終わりにせず、「では席を1つ動かしてもいいですか」と、変えられるほうに切り替えて聞いてみてください。
Q. 何度から「寒い」と言っていいのでしょうか
事務所の室温には目安が定められています。その下限を下回っているなら、言って構いません。まず温度計で実際の数字を確かめてください。
あわせて読みたい
隣の席がうるさくて集中できない
通勤用とオフィス用で靴を変えるべき?
職場の私語が多くて集中できない
温度ではなく、風と場所の話にしてください
① 足元を1つ変える(上着を増やすより効きます)
② ティッシュで、風が当たっているか確かめる
③ 言うときは「寒い」でなく「風が当たる」と言う
寒さを言い出せないのは、わがままだと思われたくないからだと思います。
でも、温度の話にしなければ、わがままにはなりません。
自分の席の風向きを変えることは、誰の快適さも奪わないからです。
席のことで似た悩みがあるなら、隣の席がうるさくて集中できないときも同じ考え方で書いています。
足元の冷えが気になるなら、通勤用とオフィス用で靴を変えるべきかに、冬の足元のことも書いています。
職場の環境そのものが変わらないと感じているなら、転職エージェントの選び方で、働く場所の環境を先に聞いてもらう方法があります。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言・医学的助言ではありません。事務所の室温については事務所衛生基準規則に目安が定められていますが、適用の範囲や取り扱いは職場の状況によります。体調に不安があるときは医療機関にご相談ください。困ったときは社内の相談窓口や総合労働相談コーナー(各労働局)にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。