入社1ヶ月で辞めたい…甘えじゃない理由と後悔しない決断の仕方
合わない環境に早く気づけただけです。法律上は、入社1ヶ月でも申し出から2週間で退職できます(民法627条)。1ヶ月で辞めても、20代なら第二新卒として次はあります。大事なのは「辞め方」と「次への動き方」。この記事で両方お伝えします。
「入社して、まだ1ヶ月。なのに、もう辞めたい」
「こんなに早く辞めたいなんて、自分はおかしいのかな」
そんな気持ちで、このページを開いたのではないでしょうか。
毎朝、重い気持ちで出社して、「違う」という感覚が日に日に大きくなる。
それはとても、しんどい状態です。
先に伝えさせてください。
入社1ヶ月で「辞めたい」と感じることは、珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。
入社1ヶ月で辞めたくなるのは、おかしくない
入社直後は、環境の変化がいちばん大きい時期です。
聞いていた条件と違う、社風が合わない、人間関係の空気がきつい——。
中に入って初めて分かることは、どうしてもあります。
求人票と面接だけでは、見えないことのほうが多いのです。
つまり、「入ってみたら違った」は、あなたの見る目がなかったのではなく、入る前には分からなかっただけ。
自分を責めるところから、まず降りて大丈夫です。
その「辞めたい」の正体はリアリティショックかもしれない
入社直後の「辞めたい」には、名前がついています。
「リアリティショック」
——入社前に思い描いていた理想と、現実とのギャップに衝撃を受けること。
人事の世界では、ごく一般的な現象として知られています。
つまり、あなたが感じている「思ってたのと違う」は、新入社員のほとんどが通る道だということです。
ここで大事なのは、リアリティショックには2種類あることです。
- 時間が解決するタイプ……仕事に慣れていない・環境に馴染めていないだけ。2〜3ヶ月で薄れることが多い
- 時間が解決しないタイプ……労働条件の相違・高圧的な環境・事業への根本的な違和感。時間が経つほど消耗する
前者なら、もう少しだけ様子を見る価値があります。
後者なら、早く動くほうが合理的です。
自分がどちらかを見分けるために、次の章の判断基準を使ってください。
「もう少し様子を見るべき?」の判断基準
とはいえ、勢いで決めるのは危険です。
次の2つを分けて考えてみてください。
様子を見てもいいケース
- 仕事内容がまだつかめず、不安が先行しているだけ
- 特定の業務・時期だけがつらい(繁忙期など)
- 相談できる相手が社内にいる
「慣れれば変わるかもしれない」要素が多いなら、もう1〜2ヶ月だけ様子を見る価値はあります。
早めに動いたほうがいいケース
- 求人票や面接での説明と、実際の条件が明らかに違う
- 高圧的な言動・長時間労働など、環境そのものに問題がある
- 心や体に不調が出はじめている
こちらに当てはまるなら、我慢を続けるほど、消耗が深くなります。
環境の問題は、あなたの努力では変えられません。
とくに、眠れない・食べられない・涙が出るなどのサインが出ているなら、無理は禁物です。休むこと・離れることを最優先にしてください。
辞める前に試せる3つのこと
「辞めたい」が確信になる前に、コストゼロで試せることが3つあります。
数日でできるので、順にどうぞ。
① 嫌なことを紙に全部書き出す
頭の中の「なんとなく無理」を、文字にします。
書き出すと、「嫌なのは仕事そのものではなく、あの人の言い方だけだった」というように、問題の輪郭がはっきりします。
輪郭が見えると、対処できるか・できないかも見えてきます。
② 信頼できる人に、一つだけ話してみる
社外の友人でも、家族でも構いません。
「入った会社が、ちょっとしんどい」と一言だけ。
全部を説明しなくていいのです。
声に出すだけで、悩みは軽くなります。
③ 思い切って1日休む
有給がまだなくても、体調を理由に1日休むことはできます。
会社と物理的に距離を置いた日に感じたことが、あなたの本音にいちばん近い。
休んだ日の解放感が大きすぎたなら、それも大事な判断材料です。
3つ試しても「辞めたい」が変わらないなら、それはもう気の迷いではありません。
次へ進みましょう。
入社1ヶ月でも、辞められる
法律の面も、はっきりさせておきます。
期間の定めのない雇用なら、民法627条により、退職を申し出てから2週間で退職が成立します。
入社からの期間は関係ありません。
「1年は続けないと辞められない」といったルールは、ありません。
伝え方は、通常の退職と同じです。
「お忙しいところ申し訳ありません。一身上の都合により、退職させていただきたく考えております。短い期間でのお申し出となり心苦しいのですが、ご指導いただきありがとうございました。」
理由は「一身上の都合」で足ります。
不満を細かく説明する義務はありません。
辞めると決めたら:退職までの流れ
決めたあとの動きを、時系列で整理します。
- STEP1……退職の意思を直属の上司に伝える(例文は上記)
- STEP2……退職届を提出(申し出から2週間以降の日付で)
- STEP3……担当業務のメモを残す(入社1ヶ月なら数枚で十分)
- STEP4……貸与物を返却して退職完了
引き継ぎの負担がほぼないのが、早期退職の数少ない利点です。
全体で見れば、伝えるまでが9割。
伝えたあとは、驚くほど事務的に進みます。
気になるお金の現実
辞めたあとの生活も、先に見ておきましょう。
給料は1ヶ月分、きちんともらえる
働いた分の賃金は、全額支払われます(労働基準法24条)。
「短期で辞めたから減額」は認められません。
失業保険は、原則もらえない
正直にお伝えします。
自己都合退職で失業手当を受け取るには、原則として離職前2年間に通算12ヶ月以上の雇用保険加入が必要です。
今の会社だけで1ヶ月なら、対象外。
ただし、前職の加入期間と通算できる場合があるので、転職組の人はハローワークで確認してみてください。
社会保険の切り替え
退職の翌日に資格を失うので、次が決まっていなければ、国民健康保険・国民年金への切り替えを市区町村で行います。
手続きは半日あれば終わります。
つまり、お金の面で本当に見るべきは「当面の生活費」だけ。
貯金と実家という選択肢も含めて、数ヶ月分の見通しが立つなら、動いて大丈夫です。
顔を合わせて言えないなら、退職代行
入社1ヶ月だと、「採用してくれた人たちに、言い出せない」という気持ちが、いちばんの壁になりがちです。
どうしても無理なら、退職代行を使えば、会社の誰とも顔を合わせずに退職を進められます。
たとえば、退職代行の即ヤメは、最短10分で会社へ連絡してくれて、完全後払いにも対応しています。
(サービスを比べて選びたい人は、退職代行おすすめ3選に整理しています)
「逃げみたいで嫌だ」と感じるかもしれません。
でも、消耗しきる前に、使える道具を使って環境を変えることは、逃げではなく対処です。
1ヶ月で辞めたあと、次はどうする?
「こんなに早く辞めて、次があるのか」——いちばん不安なのは、ここですよね。
結論、20代なら、次はあります。
新卒で入社して3年以内に転職する人は「第二新卒」と呼ばれ、柔軟に育てられる若手として、需要があります。
実際、新卒の約3人に1人が3年以内に離職しています(厚生労働省の調査より)。
次の面接では、「短期間で辞めた理由」を聞かれます。
そこでは、反省→学び→前向きの順で語れれば大丈夫です。
「早く辞めたこと」よりも、「そこから何を学び、次で何をしたいか」のほうが見られています。
入社1ヶ月の退職によくある誤解3つ
誤解①「最低1年は続けないと転職できない」
できます。
実際、入社1年未満で転職する人は珍しくなく、第二新卒向けの求人は「社会人経験の浅い若手」を前提に作られています。
「1年」に、法律上の意味も、転職市場上の絶対的な意味もありません。
誤解②「短期離職の記録が、業界で共有される」
されません。
前職の在籍情報が転職先に自動で伝わる仕組みは存在せず、あなたが履歴書に書き、面接で話す内容がすべてです。
だからこそ、伝え方を整えることに意味があります。
誤解③「一度早く辞めると、辞め癖がつく」
「辞め癖」という言葉には、根拠がありません。
合わない環境から撤退した経験は、癖ではなく、「次は何を確認して選ぶべきか」という学習です。
実際、1社目のミスマッチを踏まえて2社目で長く活躍する人は、いくらでもいます。
恐れるべきは辞め癖ではなく、消耗しきって動けなくなることのほうです。
次の転職活動は、いつ・どう始める?
「辞めてから探す」か「探してから辞める」か。
心身に余裕があるなら、在職中に情報収集だけ始めるのがおすすめです。
収入が途切れない安心感の中で、冷静に選べます。
もう限界で、先に辞める場合も、悲観はいりません。
入社1ヶ月なら空白期間はまだ短く、20代の第二新卒需要は実在します。
動き方は3ステップです。
- ① 20代向けの転職エージェントに登録(無料・在職中OK)
- ② 「1ヶ月で辞めた(辞める)」事情を正直に相談し、伝え方を一緒に整える
- ③ 未経験歓迎・若手歓迎の求人から、次の環境を選ぶ
短期離職の伝え方こそ、プロの力を借りる価値がある部分。
一人で抱えず、無料の相談相手を使ってください。
たとえば、MyStyle転職のような20代向けのエージェントは、1ヶ月で辞めた事情ごと受け止めて、伝え方を一緒に作ってくれます。
転職エージェントは、採用が決まった企業から報酬を受け取る仕組みのため、求職者は無料で使えます。
面接での答え方(もう1パターン)
「入社後、配属や業務内容が事前の説明と大きく異なり、悩んだ末に早期の決断をしました。この経験から、次は仕事内容と環境をしっかり確認して選びたいと考え、転職活動をしています。御社では◯◯として、長く貢献したいです。」
「反省→学び→前向き」の順。
この型に、あなたの事実を入れれば完成です。
辞める前の最終チェックリスト
決断の前に、6つだけ確認しておくと安心です。
- □ 「辞めたい」理由を紙に書き出した(時間が解決するタイプか見分けた)
- □ 3つの「試せること」をやってみた
- □ 当面の生活費の見通しを立てた(失業保険は原則あてにしない)
- □ 退職日をいつにしたいか決めた
- □ 伝える台本を一度声に出した
- □ 無理なら退職代行という逃げ道があると知っている
全部にチェックがつかなくても大丈夫。
6割そろったら、あとは動きながら整えていけます。
大事なのは、「悩み続ける」を今日で終わりにすることです。
よくある質問
Q. 1ヶ月で辞めたら、職歴に傷がつきますか
A. 影響はゼロではありませんが、致命傷ではありません。
20代の短期離職は、理由をきちんと語れれば十分カバーできます。
むしろ、合わない場所で消耗し続けるほうが、長い目では大きな損失です。
Q. 研修中でも辞められますか
A. 辞められます。
研修期間も労働契約は成立しているので、ルールは同じです。
Q. 給料や社会保険はどうなりますか
A. 働いた分の給料は、全額支払われます。
社会保険は退職日で資格を失うので、次が決まっていなければ、国民健康保険などへの切り替え手続きをします。
Q. 親には、なんて言えばいいですか
A. 決めてから、「決めたこと」として伝えるのがおすすめです。
相談の形で話すと、心配が先に立って反対されがちです。
「合わない環境だと分かったから、早めに切り替える。次はこう動く」と、次の計画とセットで話すと、親も安心しやすくなります。
Q. 「研修費用を返せ」と言われたら
A. あわてて払わないでください。
労働基準法16条は、退職への違約金や賠償額をあらかじめ定めることを禁じています。
返還請求が有効になるケースは限られるので、言われたら、その場で応じずに労働局の窓口や弁護士に確認を。
Q. 入社1ヶ月でも有給はありますか
A. 原則、まだありません。
有給休暇が付与されるのは、法律上、入社から6ヶ月後です(それより早く付与する会社もあります)。
退職までの2週間を休みたい場合は、欠勤あつかいで対応するのが一般的です。
Q. 同期に先に話してもいいですか
A. おすすめしません。
悪気がなくても、うわさは驚くほど早く広がります。
上司より先に同期へ伝わると、円満さが損なわれがちです。
話す順番は、直属の上司が最初、が鉄則です。
早い決断は、傷がいちばん浅い
入社1ヶ月の「辞めたい」は、あなたの弱さではありません。
合わない環境に、早く気づけたということです。
様子を見るか、動くか。
この記事の判断基準で、一度立ち止まって考えてみてください。
動くと決めたら、伝え方はシンプルに。
無理なら退職代行という道もあります。
「どの退職代行を選べばいいか、見比べたい」という人は、こちらの記事もどうぞ。
今夜の一歩:「試せる3つ」の①だけ——嫌なことを紙に書き出す15分。今夜のあなたにできるのは、それで十分です。