メモを取っても覚えられない…書き方が合っていないだけ。使えるメモの作り方
メモを取っても覚えられないのは、書き方が合っていないだけです。
直すところは3つ。①1行1操作で書く ②その場で読み上げて確認する ③その日のうちに整える。
とくに②のその場の確認を入れるだけで、二度聞きがはっきり減ります。
メモは覚えるための道具ではなく、覚えていなくても動けるための道具です。
ちゃんとメモは取っている。
ノートは、文字で埋まっている。
それなのに、いざやろうとすると手が止まる。
読み返しても、何を書いたのか自分でも分からない。
結局、また同じことを聞くことになる。
この記事は、使えるメモの作り方を書きます。
なぜ、メモが使えないのか
原因は、だいたい5つのどれかです。
| よくある原因 | 起きていること |
|---|---|
| ①文章で書いている | 読み返しても、手順として再現できません |
| ②書くのに必死で、聞けていない | 話の中身が頭に入らないまま、文字だけ残ります |
| ③その場だけ分かる書き方 | 省略しすぎて、翌日には意味が分かりません |
| ④どこに書いたか探せない | 時系列に書き足すと、あとで見つけられません |
| ⑤書いたきり、見返していない | 書く作業で満足してしまっています |
自分がどれに当てはまるか、まず決めてください。
多くの人は、①と④です。
この2つを直すだけで、ほとんど解決します。
①1行1操作で書く
いちばん効くのが、これです。
| 使えないメモ | 使えるメモ |
|---|---|
| 「請求書はシステムから出して、確認をもらってから送付」 | ①◯◯システムを開く ②上のメニューの「帳票」 ③「請求書」を選ぶ ④日付を入れて検索 ⑤印刷して、◯◯さんに確認をもらう ⑥確認後、郵送 |
左は要約です。
右は手順です。
要約は、すでに分かっている人にしか使えません。
あなたが必要なのは、そのとおりに手を動かせるものです。
・番号をふる
・1行に、1つの操作だけ
・実際に押すボタンの名前を、そのまま書く
・迷いやすいところに、印をつける(★や!)
3つ目が大事です。
「メニューから選ぶ」ではなく、「上のメニューの『帳票』」と書いてください。
画面のどこを押すかまで書いてあれば、迷いません。
②その場で、読み上げて確認する
これを入れるだけで、二度聞きが激減します。
「確認させてください。
①◯◯を開いて、②△△を選んで、③□□を入力する。
この順番で合っていますか。」
その場で読み上げると、間違って覚えた部分がその場で直ります。
メモが間違っていたら、あとで何度読み返しても、正しい手順にはたどり着きません。
そして、この確認にはもうひとつの効果があります。
教える側に、きちんと聞いていると伝わることです。
「メモを取ります」と言って書くだけより、印象が変わります。
書くのに必死で、聞けないとき
書きながら聞くのは、実はかなり難しいことです。
無理なら、順番を分けてください。
| やり方 | 向いている場面 |
|---|---|
| 聞くことに集中して、終わってから書く | 説明が短いとき(3分以内) |
| キーワードだけ書いて、あとで補う | 説明が長いとき |
| 「少し待ってください」と言って、書く | 手順が多く、飛ばされると困るとき |
3つ目は、遠慮しなくて大丈夫です。
その場で書き留めるほうが、あとで聞き直すより相手の時間を使いません。
③その日のうちに、整える
メモは、書いた時点では未完成です。
その日のうちに、5分だけ整えてください。
・省略した言葉を、書き足す
・順番が前後しているところを、直す
・分からなかったところに、印をつける(明日聞くこと)
・業務ごとのページに、書き写す
この5分があるかどうかで、メモの価値がまったく変わります。
その日なら、書いていない部分も思い出せます。
翌日になると、もう思い出せません。
そして、3つ目の「明日聞くこと」を作っておくと、翌日の質問が具体的になります。
質問しづらいと感じているなら、上司が忙しくて質問できないときもあわせて読んでみてください。
⑤見返すタイミングを、決めておく
メモは、書いたあとに見返してはじめて役に立ちます。
ですが、「気づいたときに見る」では、見ないまま終わります。
見る時間を決めてください。
・朝、席に着いたとき(今日やることの手順を、先に確認)
・作業の直前(やりながら見る。覚えてから始めない)
・帰る前の5分(整えるのと同時に見返す)
2つ目が大事です。
覚えてから始めようとしないでください。
メモを開いたまま作業して、構いません。
何回か繰り返すうちに、自然に見なくてもできるようになります。
覚えようとして覚えるのではなく、やっているうちに覚えるのが早道です。
見なくてもできるようになったら
そのメモは、残しておいてください。
理由は2つあります。
| 残しておく理由 | 効き方 |
|---|---|
| 久しぶりの作業のとき | 月に一度、年に一度の作業は、必ず忘れます |
| 次に入る人に渡せる | あなたが作った手順書が、そのまま使えます |
2つ目は、職場での評価にもつながります。
マニュアルのない職場なら、なおさらです。
④探せるようにする
メモが使えない理由の半分は、探せないことです。
時系列に書き足していくと、必要なときに見つかりません。
| やり方 | 向いている人 |
|---|---|
| ノートを2冊に分ける | その場のメモ用と、清書用。いちばん簡単な方法です |
| 業務ごとにページを決める | ノートの最初に目次を作っておくと、さらに探しやすくなります |
| 付箋で見出しをつける | よく使うページだけ、すぐ開けます |
| パソコンやスマホで作る | 検索で探せます。ただし持ち出しのルールは要確認 |
いちばん手軽なのは、ノートを2冊に分ける方法です。
1冊目は、教わりながら書く走り書き用。
2冊目は、その日のうちに整えて書き写す手順書用。
書き写す作業そのものが、覚え直しにもなります。
職場によっては、業務の内容を社外に持ち出すことが禁止されています。個人のスマートフォンやノートに書いていいかどうか、最初に上司や先輩に確認しておいてください。画面の撮影も、許可が必要なことがあります。
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この記事でいちばんおすすめした「ノートを2冊に分ける」をやるなら、この組み合わせが使いやすいです。
走り書き用は切り離せる方眼のメモ、清書用は開いたまま平らになるノート。リングが柔らかいものは、書いていて手が痛くなりません。
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専門用語が多くて、書けないとき
説明の中に知らない言葉が出てくると、そこで手が止まります。
そのまま流すと、あとでメモを読んでも意味が分かりません。
やることは、ひとつだけです。
・音のまま書いておく(漢字が分からなくても構いません)
・丸で囲んでおく(あとで調べる印)
・その場で聞けるなら聞く(「いまの◯◯というのは何ですか」)
最後ができれば、いちばん早いです。
知らない言葉を聞くのは、入ったばかりの人の特権です。
半年たつと、かえって聞きづらくなります。
社内だけで使われている略語は、調べても出てきません。
こういう言葉こそ、その場で聞いておいてください。
| 言葉の種類 | 対応 |
|---|---|
| 業界の用語 | あとで調べられます |
| 社内の略語・システムの名前 | 聞くしかありません。その場で聞いてください |
| 人の名前・部署の呼び方 | 聞いて、一覧にまとめておくと便利です |
最後の項目は、用語集のページを作っておくと役立ちます。
ノートの最後のページを、用語集にあてておいてください。
覚えられないのは、能力の問題ではありません
メモを取っても覚えられないと、自分の記憶力を疑う人がいます。
でも、入ったばかりの時期は、覚えることの量が異常に多いのです。
| 同時に覚えていること |
|---|
| 業務の手順/システムの操作/社内のルール |
| 人の名前と、誰が何の担当か |
| 建物の中の配置、ものの置き場所 |
| 通勤の道順、その職場の空気 |
これを全部、数週間で覚えようとしています。
入らないのは当たり前です。
だからこそ、覚えなくても動ける仕組みを作ってください。
それが、メモの本当の役割です。
メモを見ながらできるなら、それで十分に仕事をしています。
教わったことを、その日のうちに一度やってみる
メモを整えるより、さらに効くことがあります。
教わったその日のうちに、一度自分でやってみることです。
手順を見ながらで構いません。
一度でも自分の手で動かすと、メモの足りないところが分かります。
「ここ、何を入れるんだっけ」
「この画面、どこから開くんだっけ」
——ここが、メモの抜けている場所です。
その場で書き足してください。
教わった直後なら、まだ聞き直せます。
翌日になると、「昨日教わったのに」と思って聞きづらくなります。
その日のうちなら、聞くハードルが低いのです。
やる作業がないときは、頭の中で手順をたどるだけでも効果があります。
メモを見ずに、①から順に思い出してみてください。
止まったところが、あなたが分かっていない場所です。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ メモは取っているが、文章で書いている
□ 読み返しても、手順として分からない
□ 書いたきり、見返していない
このタイプは、1行1操作に変えるだけで変わります。
□ 書くのに必死で、説明が頭に入らない
□ 早口で説明されて、追いつけない
□ 専門用語が多くて、意味が分からない
このタイプは、その場で読み上げて確認してください。書く速さを上げる必要はありません。
□ 手順が人によって違う
□ 説明が毎回違う、聞くたびに変わる
□ そもそも、まとまった説明がない
この場合、覚えられないのはあなたのせいではありません。
「この手順で合っていますか」と、書いたものを見せて確認してください。
よくある質問
Q. メモを取る時間がなく、説明が進んでしまいます
「少し待ってください」と言って構いません。遠慮して書けないまま進むと、結局あとで聞き直すことになり、相手の時間をより使います。
Q. 何をメモすればいいのか、分かりません
迷ったら、「自分がもう一度やるときに必要なこと」を基準にしてください。押すボタン、入力する内容、確認をもらう相手。この3つが入っていれば、たいていの作業は再現できます。
Q. パソコンでメモを取ってもいいですか
職場のルール次第です。打つ音が気になる場面もあるので、最初に確認しておくと安心です。検索できる利点は大きいので、許可されているなら使いやすい方法です。
Q. 覚えが悪いと言われました
つらい言葉ですが、書き方を変えるだけで改善することがほとんどです。「手順をまとめたので、合っているか見ていただけますか」と見せると、姿勢も伝わります。
Q. 何度も見返すのは、恥ずかしいです
恥ずかしいことではありません。確認しながら正確にやる人のほうが、周りは安心します。何年もいる人でも、手順書を見ながら作業しています。
Q. メモが増えすぎて、管理できません
業務ごとにページを分けて、最初のページに目次を作ってください。それだけで探せるようになります。使わなくなったメモは、後ろにまとめてしまって構いません。
Q. 月に一度しかない作業を、忘れてしまいます
それは当然です。月に一度の作業こそ、手順を書き残しておいてください。次にやるときに開けば、思い出す必要がなくなります。
Q. 手順をまとめたメモを、共有してもいいですか
上司に確認してから出してください。歓迎されることが多く、次に入る人の助けにもなります。ただし、内容に誤りがないか、先に確認してもらってください。
Q. 手書きとパソコン、どちらがいいですか
どちらでも構いません。手書きは書きながら覚えやすく、パソコンは検索と修正が楽です。走り書きは手書き、清書はパソコンという使い分けもあります。職場のルールに合わせて選んでください。
Q. 教わったことを、その日のうちに整える時間がありません
5分で十分です。全部を清書しなくて構いません。省略した言葉を書き足すのと、明日聞くことに印をつけるだけでも、翌日の動きが変わります。
Q. 聞きながら書くのが、どうしても間に合いません
書く量を減らしてください。全部書こうとせず、押すボタンの名前と、迷いそうなところだけで十分です。残りは、その日のうちに思い出して書き足せます。
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① 今日教わったことを、番号つきで書き直す
② 次に教わるとき、その場で読み上げて確認する
③ 帰る前の5分で、メモを整える
メモを取っても覚えられないのは、書き方が合っていないだけです。
1行1操作で書いて、その場で読み上げて確認して、その日のうちに整える。
この3つで、同じことを二度聞く回数が減ります。
そして、全部を覚える必要はありません。
見れば動けるなら、それで十分です。
教える人もマニュアルもない職場が続くなら、転職エージェントの選び方も見ておいてください。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言ではありません。業務内容の記録や持ち出しについては、職場のルールを必ずご確認ください。※本記事には広告(PR)を含みます。