転職回数が多いと不利?見られているのは回数ではありません
採用側が見ているのは、回数そのものではなく「説明がつくかどうか」です。
3回でも一貫していれば通り、2回でも説明できなければ止まります。
やることは1つ。バラバラに見える経歴を、1本の線でつなぐ言葉を作ること。
この記事では、その作り方と、そのまま使える説明の型を書きます。
応募しようとして、手が止まる。
「この回数だと、書類で落とされるんじゃないか」
職務経歴書を開いて、社名が並んでいるのを見るのがつらい。
この記事では、回数をどう説明するかだけを書きます。
「気にしなくていい」とは言いません。
見られているのは事実だからです。
ただし、見られているポイントが、多くの人が思っているものと違います。
□ 同じ職種で会社が変わっている → いちばん説明しやすい形です
□ 職種がバラバラ → 「共通点」を作る章へ
□ 短期離職が続いている(1年未満が複数) → 正直に書く章へ
□ ブランクがある → 空白期間の章へ
タイプによって、使う説明の型が変わります。
採用側が本当に気にしていること
回数が多いと、採用側の頭に浮かぶのは1つだけです。
「うちも、またすぐ辞めるのでは」
これだけです。
人格を疑っているわけでも、能力を低く見ているわけでもありません。
採用にはコストがかかり、早期に辞められると損失になる。
だから確かめたいのは、「今回は続く理由があるか」です。
「なぜ辞めたのか」を並べても、相手の不安は消えません。
消えるのは、「今回はなぜ続くのか」に答えたときです。
過去の説明が7割、今回の理由が3割になっている人が多いのですが、逆にしてください。
回数は、何回から多いのか
明確な線はありません。
ただ、年齢との組み合わせで見られます。
| 年齢 | 説明が要りにくい | 説明が要る |
|---|---|---|
| 20代前半 | 1回 | 2回以上 |
| 20代後半 | 1〜2回 | 3回以上 |
| 30代 | 2〜3回 | 4回以上 |
これは目安であって、基準ではありません。
業界によっても大きく変わります。
人の流動が激しい業界では、3回でも珍しくありません。
大事なのは回数そのものではなく、1社あたりの在籍期間のほうです。
2〜3年ずつ在籍しているなら、回数が多くても説明はつきます。
逆に、1年未満が連続していると、回数が少なくても引っかかります。
バラバラな経歴を、1本の線にする
ここが作業の中心です。
やることは、共通点を1つ見つけることだけです。
職種が違っても、必ず何か共通しています。
① 相手は誰だったか
法人か個人か。社内か社外か。
「ずっと個人のお客様と向き合ってきた」は、業種が違っても線になります。
② 何をする役割だったか
売る/作る/直す/教える/支える/まとめる。
職種名が違っても、役割は重なっていることがあります。
③ 何が得意で選ばれてきたか
「困っている人の話を聞く仕事を任されることが多かった」など。
1つ見つかれば、そこから逆算して説明を組み立てられます。
1社目はこうで、2社目はこうで、3社目は……
これをやると、聞いている側は「転々としている」印象しか残りません。
先に共通点を言ってから、各社を短く触れる。
順番を変えるだけで、同じ経歴がまったく違って聞こえます。
そのまま使える説明の型
面接でも職務経歴書でも使えます。
順番は「線 → 各社 → 今回」です。
「一貫して、〇〇に関わる仕事をしてきました」
② 各社(短く・前向きに)
「1社目で〇〇の基礎を身につけ、より〇〇に近い環境を求めて2社目へ、3社目では〇〇まで担当しました」
③ 今回(ここを厚く)
「これまでの経験を踏まえて、次は〇〇ができる環境で長く働きたいと考えています。御社は〇〇の点で、その条件に合っていると感じました」
③がいちばん大事です。
ここに具体性があるほど、「またすぐ辞めるのでは」が消えます。
「御社なら長く働けます」だけでは弱いのです。
「これまで足りなかった〇〇が、御社にはある」という形にしてください。
短期離職が続いている場合
1年未満が複数あるケースです。
ここは、取り繕わないほうが通ります。
隠そうとすると、質問を重ねられて崩れます。
使うのは、この形です。
「短い期間で退職しており、ご懸念を持たれることは理解しております」
②理由を1つに絞る
「入社前に〇〇を確認しきれていなかったことが、共通した原因だと考えています」
③今回変えたことを言う
「そのため今回は、応募前に〇〇を必ず確認するようにしています。御社にも、その点をお伺いしました」
③が決定的です。
同じ失敗を繰り返す人と、原因を特定して手を打った人は、面接官から見て区別できます。
・前職の批判(「上司が」「会社が」)
→ 同じことをうちでも言うだろう、と受け取られます
・「人間関係が合わなかった」だけで終える
→ 次も同じでは、と思われます。何を確認するようにしたかまで言う
・嘘の理由
→ 掘り下げられると必ず崩れます
職務経歴書での見せ方
書き方を変えるだけで、印象は変えられます。
1. 冒頭に3行の要約を置く
社名が並ぶ前に、「何ができる人か」を先に読ませます。
ここがないと、採用担当は社名の羅列から読み始めます。
2. 短期のものは、簡潔に
全社を同じ分量で書く必要はありません。
長く在籍した会社を厚く、短い会社は数行で構いません。
3. 職種でまとめる書き方もある
時系列ではなく、経験した職務ごとにまとめる形式があります。
同じ職種を複数社で経験しているなら、まとめたほうが強く見えます。
書き方の基本は職務経歴書の書き方にまとめました。
回数が多いことの、強みもあります
ここは、無理な励ましではありません。
実際に評価される場面があります。
1. 複数の環境を知っている
1社しか知らない人には見えないものが見えます。
2. 立ち上がりが早い
新しい環境に入る経験を、何度もしているということです。
中途採用では、これは実務的な価値があります。
3. 自分に合う・合わないが分かっている
何が原因で合わなかったかを言葉にできる人は、次の選択の精度が高くなります。
これらは聞かれたときに答えられればいいものです。
自分から「回数が多いのは強みです」と言うと、開き直って聞こえます。
順番は、①事実を認める ②今回続く理由を言う ③聞かれたら強みも話す。
ブランク(空白期間)がある場合
回数と並んで、気にする人が多い部分です。
ここも見られ方は同じで、長さより、説明がつくかです。
同じ半年でも、受け取られ方が変わります。
・体調を戻すことに専念していた
・資格や勉強に使っていた
・家族の事情に対応していた
・納得できる会社を選ぶために時間をかけた
説明しにくい半年
・「とくに何もしていません」で終える
・「なんとなく決まりませんでした」
つまり、空白そのものが減点なのではなく、語れないことが減点になります。
正直に言えば、1年を超えると説明の負担ははっきり増えます。
これは事実として書いておきます。
「探していました」だけだと、面接で話すことがありません。
勉強でも、資格でも、短期の仕事でも構いません。
あとから理由を探すより、いま作るほうがずっと楽です。
在職中に動くほうが、回数の不利は小さくなる
これは、あまり語られない実務の話です。
回数が多い人ほど、在職中に動くべき理由があります。
1. 空白が増えない
回数に加えてブランクまで乗ると、説明する項目が2つになります。
2. 断れる
収入があるので、合わない会社を見送れます。
焦って決めた1社が、次の「1年未満」になるのがいちばん避けたい流れです。
3. 「働きながら計画的に動いている」と見える
回数が多い人にとって、この印象は効きます。
合わない職場から早く離れたい気持ちは分かります。
ただ、無職期間ができると「早く決めなきゃ」が判断に混じります。
そこで妥協して入った会社が短期離職になると、回数がもう1つ増えます。
先に辞めるかどうかの判断は、気持ちではなく数字でできます。転職先が決まっていないのに辞めていい?に計算の仕方をまとめました。
ただし、体調に影響が出ている場合は、離れることが先です。
応募先の選び方も、変えたほうがいい
説明を磨くのと同じくらい、どこに出すかが効きます。
回数を気にしない会社と、強く気にする会社が、はっきり分かれるからです。
・人の出入りが多い業界(IT、人材、飲食、小売など)
・成長中で、人手が足りていない会社
・実務経験を重視する中小企業
・複数社の経験が活きるポジション
回数が響きやすい
・新卒からの生え抜きが多い会社
・年功で運用している組織
・応募が集中する人気企業
同じ経歴でも、出す先を変えるだけで通過率が変わります。
書類で落ち続けているなら、書類ではなく応募先が原因のこともあります。
切り分け方は書類選考に落ちまくるときにまとめました。
「この会社は回数を気にするか」は、求人票には書いてありません。
担当者は、その企業が過去にどんな人を採ったかを知っていることがあります。
無駄な応募を減らせるだけでも、消耗がかなり違います。
よくある質問
Q. 短期間の在籍は、職務経歴書に書かなくてもいいですか
書いてください。雇用保険の記録や源泉徴収票から分かることがあります。空白として残すほうが、あとで説明が難しくなります。
Q. 転職回数が多いと、書類で落とされますか
落とされることはあります。ただし、冒頭の要約で「何ができる人か」が伝われば、読み進めてもらえます。書類で落ち続けるなら、書類選考に落ちまくるときで原因を切り分けてください。
Q. これ以上増やしたくないので、慎重になりすぎて動けません
気持ちは分かります。ただ、動かない間も年齢は上がります。慎重さは、応募を止めることではなく入社前の確認を増やすことに使ってください。確認すべきことは入社前に確認すべき質問12にまとめました。
Q. 面接で回数について何も聞かれませんでした
気にしていない場合と、すでに判断がついている場合があります。聞かれなくても、志望動機の中に「今回続く理由」を混ぜておくと安全です。
Q. 一貫性がある経歴に、どうしても見えません
一人で考えると見つからないことが多い部分です。他人のほうが共通点を見つけやすいので、一度、経歴を人に話してみてください。
Q. 面接で「なぜ長く続かないと思いますか」と聞かれました
責めているのではなく、自己分析ができているかを見ています。「分かりません」は避けてください。原因を1つに絞って、今回どう変えたかまで答えれば、むしろ好印象になります。
Q. 派遣や契約社員の期間満了も、回数に入りますか
自己都合の退職とは分けて見られます。契約期間の満了は、本人の意思で辞めたわけではないためです。職務経歴書に「契約期間満了のため」と一言添えておいてください。
見られているのは、回数ではありません
① これまでの会社を紙に並べる
② それぞれの「相手」「役割」を書き足す
③ 共通している言葉を1つ丸で囲む
その1語が、あなたの経歴を1本の線にします。
15分で終わります。
転職回数で悩む人の多くは、回数を減らせないことに悩んでいます。
でも、減らせないものは、変えられません。
変えられるのは、並べ方と、説明の順番だけです。
そして、それだけで結果は変わります。
同じ3社でも、「転々とした人」に見えるか「一貫して積み上げた人」に見えるかは、説明の順番で決まります。
経歴そのものは、変わっていません。
自分の経歴の共通点が見つからないなら、人に話してみてください。
同じような経歴の人を何人も見ている担当者なら、自分では気づかない線を見つけてくれます。
相談は無料で、転職を決めていなくても使えます。
選び方は転職エージェントの選び方にまとめました。
※本記事は一般的な情報の解説です。採用の判断基準は企業によって異なります。※本記事には広告(PR)を含みます。