上司が辞めると知って不安…いま動かせるのは「確認先を聞く」だけ。辞めたくなったときの分け方
不安になるのは自然です。ただ、いまやることは自分の仕事への影響を確かめることだけです。
進行中の仕事は誰に確認すればいいか。これを聞けば十分です。
理由を詮索しない・人に広めない。これは自分を守るためです。
「自分も辞めようかな」は、いま決めないでください。人が辞める時期は、気持ちが引っぱられます。
後任が決まってから考えても、まったく遅くありません。
いつも相談していた上司が、辞めるらしい。
本人からではなく、別の人から聞いた。
急に、足元が抜けたような気持ちになる。
この人がいるから続けてこられたのに、これからどうなるんだろう。
次の上司がどんな人かも分からない。
この記事は、その不安を仕事の話に切り分けるやり方を書きます。
不安の中身を、2つに分ける
この不安は、混ざっているから重く感じます。
分けてみると、やることがはっきりします。
| 不安の中身 | いまできること |
|---|---|
| 仕事が回らなくなるかもしれない | 確認先を聞く。引き継ぎの予定を聞く |
| 次の上司と合わないかもしれない | まだ分からない。決まってから考える |
| この会社は大丈夫なのか | 一人の退職では判断しない。数か月見る |
| 頼れる人がいなくなる | 相談先をもう一人つくっておく |
このうち、いま動かせるのは1つ目と4つ目だけです。
2つ目と3つ目は、材料がそろっていないので考えても答えが出ません。
考えても答えが出ないことを考え続けると、疲れだけが残ります。
聞いていいこと、聞かないほうがいいこと
本人に声をかけるとき、中身を選んでください。
・進行中の仕事を、誰に確認すればよいか
・引き継ぎの予定(いつまでに、どんな形で)
・自分がいま覚えておくべきことはあるか
・最後の出勤日(社内で公表されていれば)
・辞める理由(本人が話すまで待つ)
・次の行き先
・会社への不満や、誰とうまくいかなかったのか
とくに、聞いた話をほかの人に伝えるのは避けてください。広めた人として名前が残ります。
「お世話になりました。進めている◯◯の件は、どなたに確認すればよいでしょうか。」
「引き継ぎで、私が先に覚えておいたほうがよいことはありますか。」
理由を聞かずに、仕事の話だけする。
これが、いちばん失礼のない距離です。
うわさが回ってきたときの、返し方
この時期は、人のうわさが増えます。
「どうして辞めるか聞いた?」「次はどこに行くんだって」。
ここで話に乗ると、広めた人として名前が残ります。
「私もよく知らないんです。」
「本人から何も聞いていないので、分からないです。」
「そうなんですね。ところで◯◯の件、どうなりました?」
否定も肯定もせず、話題を仕事に戻す。これだけで足ります。
知っていても、知らないことにしておく。
冷たいようですが、これがいちばん誰も傷つけません。
引き継ぎで、自分から動いておくこと
上司が辞めるとき、いちばん困るのは確認先がなくなることです。
だから、いなくなる前に、自分の分だけ整えておきます。
① 進行中の仕事の一覧(案件名・相手先・次の締め切り)
② それぞれの承認者と確認先(誰に見せて、誰が決めるか)
③ 口で教わったやり方のメモ(書いてある資料がないもの)
とくに大事なのは、③です。
その上司しか知らないやり方は、いなくなると誰も答えられません。
「これ、どこにも書いていないので教えてください」と言えば、たいてい教えてもらえます。
この3つを紙1枚にまとめておくと、次の上司が来たときの説明にも使えます。
送別の場で、どうふるまうか
送別会や最後の日の挨拶は、短くていい場面です。
長く話す必要はありませんし、涙をこらえる必要もありません。
「◯◯の件で助けていただいたこと、忘れません。ありがとうございました。」
「新しいところでも、お元気で。またどこかでお会いできたら嬉しいです。」
気をつけたいのは、その場で会社の不満を言わないことです。
お酒が入ると出やすくなりますが、残るのは言った側の名前だけです。
会費や贈り物のことは、幹事の人に合わせてください。
自分だけ別に用意すると、かえって気をつかわせることがあります。
どうしても個人で渡したいなら、最後の日に短い手紙を1枚。それで十分伝わります。
後任が来るまでの、動き方
後任がすぐ決まらないこともあります。
その期間は、確認の残し方だけ変えてください。
| 場面 | やり方 |
|---|---|
| 誰に聞けばいいか分からない | 上司の上の人に「どなたに確認すればよいですか」と聞く |
| 口頭で指示された | 「念のため確認です」とメールやチャットで残す |
| 判断が必要なことが出た | 自分で決めない。判断できる人が決まるまで待つか、上に確認する |
| 仕事が増えた | 増えた分を書き出して、上の人に相談する |
この時期に多いのが、責任のあいまいな指示です。
「とりあえず進めておいて」と言われたら、「◯◯の方向で進めます。違っていたら教えてください」と残してください。
あとで話が違ったときに、自分を守れます。
次の上司が来たら、最初にやること
後任が決まったら、最初の2週間でやることは決まっています。
① 自分がいま何をしているかを、紙1枚で見せる
② 判断してほしいことを先に出す(止まっている案件から)
③ 報告のしかたの希望を聞く(口頭かメールか、どのタイミングか)
③は、意外と効きます。
人によって、ほしい報告の形が違うからです。
「◯◯さんは、どんな形で報告をいただけると助かりますか」と聞いてみてください。
前の上司のやり方をそのまま続けると、「報告がない」と思われることがあります。
やり方を一度そろえておくだけで、最初のすれ違いが減ります。
この時期に、自分の記録も残しておく
人が入れ替わる時期は、誰が何をしていたか分からなくなりやすいです。
あとで「やっていない」と言われないために、自分の分だけ残しておいてください。
・自分が担当した案件と時期
・上司から受けた指示のメール(消さずに残す)
・自分が引き継いだ仕事の一覧と、引き継いだ日
・増えた仕事があれば、いつ・誰から頼まれたか
あとから評価の話になったときに、この記録が役に立ちます。
とくに、増えた仕事の記録は残しておいてください。
「前より多く持っている」ことを、数で示せるようになります。
「自分も辞めようかな」と思ったとき
信頼していた人が辞めると、自分の気持ちも動きます。
これは、よくあることです。
ただ、いま決めないでください。
① 辞めたい理由は、その上司がいなくなることだけか
② 以前から思っていた不満が、ほかにもあるか
③ 次の上司が来ても変わらないことは、何か
①だけなら、しばらく様子を見る価値があります。
②があるなら、それは前から続いていた理由です。
その場合は、上司が辞めるのはきっかけにすぎません。
どちらなのかを、紙に書き出して分けてみてください。
会社員として続けることそのものに疲れているなら、会社員に向いていないと感じるときも読んでみてください。
同じ時期に、何人も辞めるとき
一人が辞めるのはよくある話ですが、続けて何人もだと話が変わります。
そういうときは、感情で決めずに、事実だけ数えてください。
| 数えること | 見えること |
|---|---|
| この半年で辞めた人数 | 一時的か、続いているか |
| 辞めた人の立場 | 特定の部署だけか、全体か |
| 補充されたか | 人を入れる気があるか、減らす方針か |
| 自分の仕事量の変化 | すでに影響が出ているか |
数えてみて、補充されていないのなら、自分の負担はこれから増える可能性があります。
その場合は、急いで辞める必要はありませんが、
外の話を聞いておくくらいの準備はしておいて損がありません。
・辞める人の話に合わせて、会社の不満を言わない(残る人の耳に入ります)
・「自分も辞めます」と口にしない(引き止めにも、評価にも影響します)
・決めたときだけ、正式に伝える
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 上司が辞めても、仕事は自分で進められる
□ 相談相手がほかにもいる
□ 会社そのものへの不満はない
このタイプは、確認先を聞いておくだけで十分です。
□ その上司にしか聞けないことが多い
□ 後任が決まっていない
□ 仕事が増えそう
このタイプは、一覧とメモを紙1枚にまとめておいてください。
□ 前から不満があった
□ ほかにも辞める人がいる
□ 会社の様子が変わってきた
このタイプは、急いで決めずに情報だけ集めるところから始めてください。
よくある質問
Q. 本人から聞いていないのに、知ってしまいました
知らないふりをしておくのが無難です。本人が話してくれたときに、はじめて知ったように受け止めれば十分です。
Q. お礼を伝えたいのですが、何と言えばいいですか
長い言葉はいりません。「◯◯のときに助けていただいて、本当に助かりました。ありがとうございました」と、具体的な場面を1つ添えるだけで伝わります。
Q. 連絡先を聞いてもいいですか
相手の様子を見て、無理に聞かないでください。「よろしければ」と前置きして、断られたらそれで終わりにするのが礼儀です。
Q. ほかの人にも辞める話が広まっています
自分からは話さないでおいてください。聞かれたら「私もよく知らないんです」で構いません。広めない人だと分かると、信頼が残ります。
Q. その上司がいたから続けられていました。急に自信がなくなりました
その人が支えになっていたのは事実ですが、仕事を覚えてきたのはあなたです。できるようになったことを3つ書き出してみてください。思っているより増えているはずです。
Q. 相談できる人がいなくなります
一人にすべてを頼らない形にしておくと楽になります。仕事の手順を聞ける人、気持ちを話せる人、社外の知り合い。役割を分けて、2〜3人に散らしておくのが安心です。
Q. 引き止めたい気持ちがあります。伝えてもいいですか
気持ちを伝えるのは構いませんが、決めたあとの人に考え直させようとするのは重くなります。「残念です」「助けられました」までにとどめて、あとは送り出すほうが、お互いに気持ちよく終われます。
まず「進めている◯◯は、どなたに確認すればよいですか」と聞くところまでで十分です。確認先が分かるだけで、不安はずいぶん軽くなります。
Q. 不安で、夜に眠れなくなってきました
眠れない、食べられないといったことが続いているなら、仕事の工夫とは別の話です。早めに医療機関にご相談ください。
Q. 新しい上司が、前の上司と正反対のやり方でした
やり方が変わるのは自然なことです。前のやり方と比べて口にすると、やりにくくなります。「前はこうでした」ではなく「このやり方で進めます」と、新しい形に合わせるほうが早く落ち着きます。
Q. 上司の退職を、取引先に伝えていいですか
自分の判断では伝えないでください。いつ、誰が、どう伝えるかは会社が決めることです。聞かれたら「担当の変更については、あらためてご連絡いたします」と返して、上に確認してください。
Q. 後任が決まらないまま、自分が代わりをしています
その状態が続くなら、上の人に「いつまでこの形でしょうか」と期限を確かめてください。期限が決まらないまま続けると、そのまま定着してしまいます。
Q. 上司が辞めたあと、仕事が一気に増えました
増えた分を書き出して、上の人に相談してください。気持ちではなく量で伝えると動いてもらいやすくなります。
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① 進行中の仕事の確認先を聞く
② 口で教わったことを、メモに書き出す
③ 自分の先のことは、後任が決まってから考える
人が辞めるときの不安は、先が見えないことから来ます。
見えないところを考えるのをいったん止めて、確認できることだけ確認してください。
自分も動こうかと考えているなら、転職エージェントの選び方で、情報だけ集めておくのも一つの手です。
仕事量が急に増えて回らないなら、自分だけ仕事量が多いときも参考にしてください。
※本記事は一般的な情報の解説です。引き継ぎや後任の決め方は、会社によって異なります。困ったときは社内の相談窓口や総合労働相談コーナー(各労働局)にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。