妻子持ちで仕事がつらい…「辞められない」を数字にすると変わります
家族がいるから辞められない、のではありません。
数字を出していないから、辞められないのです。
「いくらあれば生活が回るか」を出すだけで、判断できるようになります。
多くの場合、思っているより選択肢は残っています。
毎朝、体が重い。
でも、子どもの顔を見たら行くしかない。
自分ひとりなら、とっくに辞めている。
家に帰れば、何でもない顔をしている。
相談したら、不安にさせるだけだから。
この記事は、その状態にいる人のために書きます。
まず、それは「甘え」ではありません
家族を養う立場でつらいと感じるのは、責任を果たそうとしているからです。
どうでもいい仕事なら、ここまで消耗しません。
ただ、この状態には特有の危うさがあります。
| 起きやすいこと | なぜ |
|---|---|
| 誰にも言わない | 家族には心配をかけたくない。職場では立場がある |
| 限界まで我慢する | 「辞められない」が前提なので、逃げ道を探さなくなります |
| 体調に出てから気づく | 気持ちを抑え続けるので、体のほうが先に壊れます |
| 選択肢を調べない | 調べると辞めたくなってしまうから、避けてしまう |
とくに最後です。
調べないことで、辞めないでいられる。
でもそれは、選んでいるのではなく、目をつぶっているだけです。
「辞められない」の中身を、数字にしてください
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
「家族がいるから辞められない」は、正しいようで、何も決めていない状態です。
決めるために必要なのは、4つの数字だけです。
① 毎月、最低いくらあれば生活が回るか(固定費+生活費)
② いまの手取り(世帯全体)
③ 貯金はいくらあるか
④ ③ ÷ ① = 無収入で何ヶ月もつか
④が出ると、話が変わります。
「辞められない」が、「あと〇ヶ月なら耐えられる」という具体的な数字になります。
そして、多くの人はここで少し安心します。
思っていたより、余裕があることが多いからです。
この計算は、辞めるためにやるのではありません。
「まだ大丈夫だ」と確かめるためにやります。
数字が出れば、追い詰められている感覚が減ります。
それだけでも、明日が少し楽になります。
①は、思っているより低いことが多い
「毎月これだけ必要」と思っている額には、減らせるものが混ざっています。
通信費、保険、サブスク、車。
本気で削れば、数万円は動くことが多いです。
①が下がれば、④の月数が伸びます。
①の計算を、もう少し具体的に
「毎月いくらあれば回るか」は、ざっくりでは意味がありません。
項目に分けて書いてください。
・住居費(家賃/ローン)= 〇〇円
・水道光熱・通信 = 〇〇円
・保険 = 〇〇円
・食費・日用品 = 〇〇円
・教育費(保育料・習い事・学費)= 〇〇円
・車(維持費・駐車場)= 〇〇円
・その他 = 〇〇円
合計 = 〇〇円
書き出すと、「これは減らせる」というものが必ず出てきます。
通信費、入りっぱなしの保険、使っていないサブスク。
月3万円下げられれば、貯金がもつ月数は大きく変わります。
世帯で見てください
自分の収入だけで考えると、実際より厳しく見えます。
共働きなら、世帯の手取りで計算してください。
片働きでも、配偶者が働けるかどうかは選択肢のひとつです。
いますぐ働いてもらう必要はありません。
「その手もある」と分かっているだけで、追い詰められ方が変わります。
辞める以外の選択肢が、3つあります
「続ける」か「辞める」かの2択で考えると、動けなくなります。
1. 在職のまま、相場だけ知る
いちばん負担が小さい方法です。
辞めずに、自分にいくらの評価がつくかだけ確かめる。
結果は、どちらでも収穫です。
思ったより高いと分かれば、「いつでも動ける」という余裕ができます。
いまの会社のほうが条件がいいと分かれば、それはそれで納得できます。
どちらにしても、「辞められない」という思い込みは消えます。
2. 社内で動く
つらさの原因が特定の人や部署にあるなら、異動で解決することがあります。
転職より収入が途切れるリスクがありません。
家族の生活を変えずに済むので、最初に検討する価値があります。
3. 休む
体調に出ているなら、これが最優先です。
数日の休みでも、判断力は戻ります。
長く必要なら、休職という制度がある会社もあります。
違いは休職か退職か迷うときにまとめました。
動くなら、この順番がいちばん安全です
家族がいる場合、収入を途切れさせないことが最優先です。
順番を守れば、収入が途切れる期間を小さくできます。
| 順 | やること | この時点のリスク |
|---|---|---|
| 1 | 家計の数字を出す | なし(誰にも知られません) |
| 2 | 職務経歴書を書く | なし |
| 3 | 相場を聞く(在職のまま) | なし(会社に伝わりません) |
| 4 | 家族に「考えている」と話す | 小 |
| 5 | 応募・面接(在職のまま) | 小 |
| 6 | 内定・条件の確認 | 小 |
| 7 | ここで初めて退職を伝える | — |
1〜3は、誰にも知られずにできます。
そして、この3つだけで「辞められない」の感覚はかなり変わります。
家族がいる場合、収入が止まった時点で判断がゆがみます。
3ヶ月で決まる前提で辞めると、4ヶ月目から条件を下げ始めます。
詳しくは転職先が決まっていないのに辞めていい?にまとめました。
家族に言うかどうか
多くの人が、言わないまま抱えています。
気持ちは分かりますが、黙っているほうが危ないことがあります。
・限界まで気づかれない(体調を崩してから発覚する)
・いざ動くとき、事後報告になる(相手は驚き、反対しやすい)
・家でも気を張り続ける(休まる場所がなくなる)
「心配をかけたくない」の結果、もっと大きな心配をかけることになります。
言うなら、「決めてから」ではなく「考えている」段階がいいです。
いますぐどうこうという話ではないんだけど、一度、家計のことを一緒に見てもらえないかな。
「辞めたい」でなく「家計を見たい」から入るのがコツです。
相手は身構えずに聞けますし、数字を一緒に見れば、話が具体的になります。
伝え方は転職を家族に言えないときにまとめました。
「自分さえ我慢すれば」の落とし穴
家族を守るために、自分が耐えればいいと考える。
筋が通っているように見えますが、ここには前提の間違いがあります。
「自分が我慢する」=家族は困らない
「自分が動く」=家族が困る
でも実際は、こうです。
「我慢し続ける」=いつか働けなくなる→ 家族が困る
「準備して動く」=収入は途切れない → 家族は困らない
つまり、我慢のほうがリスクが高いということがあります。
体調を崩して働けなくなるのが、いちばん家族に影響します。
家の中の空気も、伝わっています
言葉にしていなくても、家族は気づいていることが多いです。
疲れた顔、減った会話、休日に動けないこと。
黙っていることが、守っていることにはなりません。
むしろ、理由が分からないぶん、相手も不安になります。
言わなくていい:職場の詳しい愚痴、具体的な人の話
言ったほうがいい:「いま仕事がしんどい」という事実と、「一緒に家計を見てほしい」という依頼
事実と依頼だけなら、相手を不安にさせずに共有できます。
こういう状態なら、動いていい
・毎月いくら必要かを、数字で出してある
・無収入で何ヶ月もつかを知っている
・家族と一度は話している
・在職のまま活動するつもりでいる
・辞めたい理由が、言葉になっている
逆に、1つも当てはまらないまま辞めるのは危ないです。
家族がいる場合、やり直しのコストが一人のときより大きいからです。
逆に、こういう状態なら急いでください
・眠れない・食べられない日が続いている
・朝、体が動かない
・休日も回復しない
・消えてしまいたいと思うことがある
この場合、数字より先に、休むことと医療機関です。
準備は、体調が戻ってからで間に合います。
こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)で、お住まいの自治体の窓口につながります。
無料で、会社に連絡がいくことはありません。
よくある質問
Q. 家族に反対されそうです
反対されるのは、情報がないからであることが多いです。「辞めたい」だけ伝えれば、当然不安になります。数字を一緒に見せてください。「いくら必要か」「何ヶ月もつか」「次の見込みはいくらか」。材料があると、反対ではなく相談になります。
Q. 「もう少し我慢して」と言われました
その言葉は、あなたのつらさが伝わっていないだけかもしれません。「しんどい」だけでは、程度が分かりません。眠れていない、朝起きられない、といった具体的なことを伝えてください。体調の話になると、受け止め方が変わります。
Q. 一人で決めたほうが早い気がします
決めるのはあなたですが、生活が変わるのは家族も同じです。事後報告になると、決断の中身ではなく「相談されなかったこと」で揉めます。「考えている」の段階で一度話しておくほうが、結果的に早く進みます。
Q. 収入が下がるのが怖くて動けません
下がると決まったわけではありません。まず相場を知ってから考えてください。同じ会社に長くいると、市場の水準より低くなっていることもあります。考え方は転職で年収が下がるのが怖いときにまとめました。
Q. 住宅ローンがあります
転職前後は、新規の借入や借り換えの審査に影響することがあります。返済中のローンがすぐ問題になるわけではありませんが、気になる場合は借入先の金融機関に確認してください。在職中に転職先を決めてから動くほうが、収入の空白がないぶん安全です。
Q. 転職して年収が下がったら、家族に申し訳ないです
年収は下がることも上がることもあります。ただ、比べるべきは「いまの年収」と「次の年収」だけではありません。あと何年その働き方を続けられるかも一緒に見てください。年収が1割下がっても、10年続けられるほうが、家族にとっては大きいこともあります。
Q. 家族のために我慢している自分が、情けなくなります
情けなくありません。家族のために働き続けているのは、事実として立派なことです。ただ、その責任感が「選択肢を見ない理由」になっていないかだけ、確かめてください。調べることは、辞めることではありません。
Q. 子どもの学費を考えると動けません
だからこそ、いま数字を出しておく価値があります。「いつまでにいくら必要か」が分かれば、動ける時期と動けない時期が見えます。漠然と我慢し続けるより、計画に変わります。
Q. 転職活動をする時間がありません
在職中でも進められます。オンライン面談、始業前、有給の半日。方法は在職中で面接の時間が作れないときにまとめました。
Q. 体調に出ています
それは、最優先で扱ってください。眠れない・食べられない状態が続いているなら、医療機関に相談してください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)でも、お住まいの自治体の窓口につながります。家族を守るには、まずあなたが倒れないことです。
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体力の限界で仕事を辞めたい
内定が出たのに嬉しくない
転職であっさり内定が出て不安
数字を出すと、選べるようになります
① 毎月いくらあれば回るかを書く
② 貯金÷①=何ヶ月もつかを計算する
③ それだけ。今日は辞めるかどうか決めなくていい
15分で終わります。
「家族がいるから辞められない」
この言葉は、責任感から出ています。
でも、そのまま置いておくと、選択肢を見なくなります。
そして、見ないまま我慢し続けると、体のほうが先に限界を迎えます。
家族が本当に困るのは、収入が少し下がることではありません。
あなたが働けなくなることです。
だから、数字を出してください。
出したうえで「いまは続ける」と決めるなら、それは立派な選択です。
我慢しているのと、選んで続けているのは、まったく違います。
相場を知る方法は転職エージェントの選び方にまとめました。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的・医学的・金融上の助言ではありません。住宅ローン等については金融機関に、心身の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556。※本記事には広告(PR)を含みます。