派遣の契約更新を断りたい…伝える相手は派遣元。そのまま使える3行の文例
契約を更新しないのは、契約どおりの選択です。辞めるのとは違い、期間が終わるだけです。
伝える相手は派遣先ではなく、派遣元(派遣会社)の営業担当。ここを間違えないでください。
時期は契約が終わる1か月前までを目安に。契約書に予告の期限が書いてあることもあります。
本当の理由は、言わなくて構いません。「次に挑戦したい分野がある」で十分通ります。
引き止められても、こちらが謝る必要はありません。
契約更新の返答期限が、もうすぐ来る。
続けるかどうか、まだ決めきれない。
断りたい気持ちはあるけれど、言い方が分からない。
次の仕事を紹介してもらえなくなるのではないか、という不安もある。
この記事は、更新を断るときの伝え方を書きます。
更新しないのは、辞めるのとは違います
まず、ここを分けて考えてください。
| 正社員が辞める | 派遣の更新をしない | |
|---|---|---|
| 性質 | 契約を途中で終える | 契約期間が終わるだけ |
| 手続き | 退職届を出す | 更新しない意思を伝える |
| 相手 | 会社(上司) | 派遣元の営業担当 |
| 理由 | 聞かれることが多い | 細かく説明しなくてよい |
派遣の契約は、最初から期間が決まっています。
その期間が終わるときに「続けない」と選ぶのは、契約に沿った行動です。
約束を破ることではありません。
更新するかどうかは、お互いが決めることです。
派遣先も「次は更新しません」と言うことがあります。
こちらが断るのも、同じように認められています。
伝える相手は、派遣元の営業担当
いちばん多い間違いが、派遣先に直接言ってしまうことです。
・契約を結んでいるのは派遣元(派遣会社)です
・派遣先に先に伝わると、派遣元が状況を把握できません
・「話が違う」と両者の間でもめる原因になります
・親しい社員さんにも、正式に伝わるまでは言わないでおいてください
順番は、派遣元の営業担当 → 派遣元が派遣先に連絡です。
自分から派遣先に伝えるのは、正式に決まったあとで構いません。
伝え方は、電話かメールのどちらでも問題ありません。
あとで確認できるよう、メールでも一度残しておくと安心です。
いつまでに伝えるか
目安は、契約が終わる1か月前までです。
| 契約の形 | 伝える目安 |
|---|---|
| 3か月更新 | 終了の1か月前まで |
| 1か月更新 | 2〜3週間前まで |
| 初回契約(短い) | 営業担当から確認が来たとき |
多くの場合、派遣元から先に確認の連絡が来ます。
「次も更新されますか」と聞かれたら、そこで答えれば十分です。
自分から切り出すのが不安なら、その連絡を待っても構いません。
ただし、契約書に予告の期限が書いてあることがあります。
手元の契約書か、就業条件明示書を一度確認してください。
決めきれないときの、考え方
「続けるべきか、断るべきか」で止まっている人もいると思います。
そのときは、次の契約期間を最後まで働けるかだけで考えてください。
① 次の3か月(または1か月)を、いまと同じ状態で働けるか
② 働けないとしたら、何が変われば働けるか
③ それは言えば変わることか
②③に答えがあるなら、更新する前に相談してください。
席の位置、担当する業務、勤務時間。変えられることは、意外にあります。
営業担当に「こういう条件なら続けられます」と伝えるのは、わがままではありません。
逆に、③が「言っても変わらない」なら、断る理由が十分にあります。
無理に3か月を耐えて、体調を崩すほうが損です。
そのまま使える、断り方
長く説明する必要はありません。3行で終わります。
「お世話になっております。◯◯です。次回の契約更新の件でご連絡しました。
今回で契約を終了させていただきたいと考えております。
就業中はお世話になりました。残りの期間も、しっかり務めます。」
件名:契約更新について(◯◯)
◯◯株式会社 ◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
◯月◯日で終了する契約について、ご連絡いたします。
今回の期間をもって、契約を終了させていただきたく存じます。
就業中は大変お世話になりました。
残りの期間も責任をもって務めますので、よろしくお願いいたします。」
ポイントは、最後の一文です。
「残りの期間もしっかり務めます」と添えると、話がこじれにくくなります。
本当の理由は、言わなくて構いません
人間関係がつらい。仕事が合わない。暇すぎる。
こうした理由は、正直に言わなくて大丈夫です。
| 本当の理由 | そのまま使える言い方 |
|---|---|
| 人間関係がつらい | 「次は別の分野に挑戦したいと考えています」 |
| 仕事が合わない | 「自分の経験が活かせる仕事を探したいです」 |
| 暇すぎる | 「もう少し忙しい環境で働きたいです」 |
| 通勤がつらい | 「通勤の負担を見直したいと思っています」 |
| 家庭の事情 | 「家庭の都合で、働き方を変える必要があります」 |
ただし、職場の環境に問題がある場合は別です。
ハラスメントや、契約と違う仕事をさせられているなら、派遣元に事実として伝えてください。
次の人が同じ思いをしないためにも、記録として残る意味があります。
引き止められたときの返し方
「あと1回だけ」「人が足りない」と言われることがあります。
断って構いません。
「ありがとうございます。ただ、すでに決めておりますので、今回で終了とさせてください。」
「申し訳ありませんが、次の予定が決まっております。」
(何度も言われるとき)「何度も申し上げていますが、変わりません。残りの期間はしっかり務めますので、よろしくお願いします。」
コツは、理由を足さないことです。
理由を増やすほど、そこを崩そうとされます。
「決めています」だけで十分です。
伝えたあと、残りの期間をどう過ごすか
断ったあとの数週間が、いちばん気を張る時期です。
やることは、いつもどおり働くことだけです。
・引き継ぎの資料を作る(自分の担当を1枚にまとめる)
・手順が書かれていないものをメモにする
・借りているもの(入館証・制服・パソコン)を確認しておく
・最終日のあいさつを、ひと言だけ考えておく
引き継ぎの資料は、次に入る人のためであると同時に、
自分の評価を守るためでもあります。
「辞めると決めたとたんに手を抜いた」と思われるのは、もったいないです。
派遣元の営業担当は、派遣先から評判を聞きます。
最後まできちんとやった人には、次の紹介も出しやすくなります。
次の紹介に影響するか
いちばん心配されるところだと思います。
結論から言うと、断ったこと自体で紹介が止まることは、ふつうありません。
・更新しない人は毎月たくさんいます(珍しいことではありません)
・営業担当は、次の就業先を紹介するほうが仕事になります
・早めに伝えてくれる人のほうが、動きやすくて助かります
むしろ、ぎりぎりまで言わないほうが迷惑をかけます。
印象を気にするなら、早めに伝えるのが正解です。
ただし、無断欠勤や、期間の途中で急に来なくなるのは別の話です。
そこだけ避ければ、関係は保てます。
最終日の、あいさつ
派遣の場合、あいさつは短くて構いません。
「本日で契約が終了となります。短い間でしたが、ありがとうございました。」
「お世話になりました。みなさま、お元気で。」
全員に回る必要はありません。
直接お世話になった人と、席の近い人に伝えれば十分です。
菓子折りも、必須ではありません。
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 職場に配る習慣がある | 合わせる。1,000〜2,000円で十分 |
| 習慣がない | 何もしなくてよい |
| 短期間だった | あいさつだけで十分 |
迷ったら、退職に菓子折りはいらない?の判断基準がそのまま使えます。
逆に「更新しない」と言われたとき
こちらが続けたくても、派遣先の都合で終わることがあります。
この場合も、契約の期間が終わるだけです。
・いつ言われたか(契約終了日の何日前か)
・次の紹介があるか(派遣元に聞いてよいことです)
・失業給付の扱い(自己都合か会社都合かで変わります)
・有給が残っていないか
厚生労働省は、有期契約の雇止めについて、一定の場合に30日前までの予告を求める基準を示しています(3回以上更新している場合や、1年を超えて継続している場合など)。
ただし、あてはまるかどうかは契約の内容によって変わります。
納得できないときは、派遣元に説明を求めるか、各労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 更新しないと決めた
□ 返答の期限が近い
□ 言い方だけ知りたい
このタイプは、上の文例をそのまま使ってください。3行で終わります。
□ 続けるか決めきれない
□ 次のあてがない
□ 職場は悪くないが、何か違う
このタイプは、次の紹介を先に聞いてから決めて構いません。「他にどんな案件がありますか」と聞くのは自由です。
□ ハラスメントがある
□ 契約と違う仕事をさせられている
□ 体調に出ている
このタイプは、事実として派遣元に伝えてください。期間の途中でも、相談していい話です。
よくある質問
Q. 初回の更新で断るのは、印象が悪いですか
よくあることです。短い初回契約は、お互いに合うかどうかを見る期間でもあります。合わなかったと伝えれば十分です。
Q. 更新の返答を、期限まで待ってもらえますか
「◯日まで考えさせてください」と伝えて構いません。ただ、あまり延ばすと派遣先の採用計画に影響します。期限は守ってください。
Q. いつもより短い期間を提示されました
派遣先の業務量や予算の都合であることが多いです。理由を聞いてよいので、営業担当に確認してください。次の見通しも一緒に聞いておくと判断しやすくなります。
Q. 更新しないと伝えたあと、職場に居づらくなりませんか
多少気にする人はいますが、残りの期間をきちんと務めていれば、たいていは普通に終わります。引き継ぎを丁寧にすると、さらに穏やかです。
Q. 派遣先から直接「更新して」と言われました
その場では「派遣元に確認します」と答えてください。契約は派遣元と結んでいるので、返事は営業担当を通すのが筋です。直接答えると、あとで話が食い違います。
Q. 更新しないと伝えたら、担当者の態度が変わりました
残念ですが、そういうこともあります。ただ、契約どおりの行動をしただけなので、気にしなくて大丈夫です。対応がひどいと感じたら、派遣会社の別の窓口に相談できます。
Q. 次の派遣先が決まるまで、どのくらいかかりますか
職種や地域によりますが、早ければ数日、時間がかかると1か月以上のこともあります。空白の期間が心配なら、更新を断る前に「次の見通し」を営業担当に聞いておいてください。派遣以外の働き方も見ておきたいなら、転職エージェントの選び方も参考にしてください。
まず、契約書(就業条件明示書)を出して、契約の終了日を確かめてください。そこから逆算すると、いつまでに伝えればいいかが決まります。
Q. 時給を上げてもらえるなら続けたいです
交渉して構いません。営業担当に「時給が◯円になるなら更新したい」と伝えてください。通らないこともありますが、聞くこと自体は問題ありません。更新の返答と一緒に伝えるのが、いちばん通りやすいタイミングです。
Q. 契約の途中で辞めたくなりました
期間の途中は、原則として契約を守る必要があります。ただし体調やハラスメントなど事情があるなら、まず派遣元に相談してください。
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① 契約書で、予告の期限を確かめる
② 派遣元の営業担当に、3行で伝える
③ 理由は足さない。「決めています」で通す
更新を断るのは、わがままではありません。
期間が決まっている働き方を選んだ以上、そこで区切るのは当然の権利です。
次の働き方を考えたいなら、転職エージェントの選び方も見ておいてください。派遣以外の選択肢も含めて相談できます。
人間関係がつらくて辞めたいなら、職場の人間関係に疲れたときも参考になります。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言ではありません。契約の内容や予告の期限は、就業条件明示書・契約書によって異なります。雇止めの予告については厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を参照。困ったときは派遣元の担当者、または総合労働相談コーナー(各労働局)にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。