退職前、仕事がなくて暇…外されたのでなく、引き継ぎが進んでいる証拠です
退職前に仕事がなくなるのは、あなたが外されたからではありません。
いなくなる人に新しい仕事を振れない、という職場側の段取りです。
空いた時間は、引き継ぎ資料と、自分の実績の棚卸しに使ってください。
それが、残る人にも、次の自分にも、いちばん役に立つ過ごし方です。
退職日まで、あと2週間。
気づけば、自分宛ての仕事がほとんど来なくなった。
周りは忙しそうに動いている。
自分だけ、パソコンの前で時間が過ぎるのを待っている。
「何か手伝いましょうか」と言うべきか。
でも、辞める人が仕事を増やしても迷惑かもしれない。
この記事は、その居心地の悪い時間をどう過ごすかを書きます。
まず、なぜ仕事が来なくなるのか
仕事が減るのには、はっきりした理由があります。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 途中で終われない仕事は振れない | 数週間で去る人に、終わりまでかかる案件は任せられません |
| 後任に経験させたい | あなたがやると、後任が覚える機会がなくなります |
| 取引先の窓口を切り替えた | 社外からの連絡が、先に新しい担当へ流れ始めます |
| 声をかけるのに遠慮している | 「もう辞める人に頼むのは悪い」と思われていることもあります |
どれも、あなたへの評価とは関係ありません。
むしろ、引き継ぎがうまく進んでいる証拠であることも多いです。
あなたの仕事が、ちゃんと次の人に移り始めているということです。
暇がつらいのは、「役に立っていない」感覚があるから
仕事がないなら楽でいい、と思われがちです。
でも実際は、暇のほうがずっとつらい。
理由は、時間の長さではありません。
自分がここにいる意味がない、と感じてしまうからです。
周りが忙しいほど、その感覚は強くなります。
座っているだけで、申し訳なさと、少しの寂しさがたまっていく。
辞めると決めたのは自分なのに、なぜか心が落ち着かない。
それは、おかしなことではありません。
続いていた日常が、終わりに向かっているからです。
だから、暇を「楽な時間」と思わなくて大丈夫です。
役割がない時間は、誰にとってもしんどいものです。
やることを自分で作れば、その感覚はかなり軽くなります。
あなたの「暇」は、どちらですか
仕事が来ない理由は、ほとんどが段取りの問題です。
ただ、まれに意図的に外されていることもあります。
どちらなのかで、気の持ち方が変わります。
当てはまるものを数えてみてください。
□ 挨拶は普通に返ってくる
□ 業務の連絡は、必要なものは届いている
□ 後任への説明を頼まれている
□ 前に辞めた人も、最後は同じように暇そうだった
□ 仕事が減ったのは、退職日が決まってから
□ 必要な情報まで、自分にだけ回ってこない
□ 会議やメールの宛先から、急に外された
□ 質問しても、答えてもらえない
□ 人前で嫌味を言われる
上の箱に当てはまるなら、ただの段取りです。
気にせず、空いた時間を自分のために使ってください。
下の箱に当てはまるなら、いつ・誰に・何をされたかをメモに残してください。
あと数週間で終わる話ですが、記録があるだけで気持ちが落ち着きます。
我慢できないほどなら、残りの期間を有給にあてられないか、早めに相談してください。
空いた時間に、やるといいこと
やることは、大きく3つです。
① 引き継ぎ資料を厚くする(残る人のため)
② 自分の実績を棚卸しする(次の自分のため)
③ 身の回りを少しずつ片づける(最終日を軽くするため)
① 引き継ぎ資料を、もう一段厚くする
いちばんおすすめなのが、これです。
手順書はもう作ってある、という人も多いと思います。
でも、手順書に書かれないことこそ、あとで困るところです。
・過去につまずいたところ(ここで間違えやすい、の一言)
・年に一度しかない作業(決算・棚卸し・更新手続きなど)
・社外の人の特徴(この人にはメールより電話、など)
・「なぜこうしているか」(理由が分かれば、後任が判断できます)
とくに最後の項目です。
やり方だけ残すと、状況が変わったときに後任が動けなくなります。
理由まで書いてあれば、あなたがいなくても判断できます。
後任がまだ決まっていない場合は、後任がいないまま辞めるときにまとめました。
② 自分の実績を、数字でメモする
これは、いまのうちにしかできないことです。
辞めたあとで職務経歴書を書こうとすると、数字が思い出せないことがよくあります。
売上、件数、担当した取引先の数、短くした作業時間。
手元の資料を見られるうちに、自分の言葉でメモしておいてください。
顧客名簿・社内資料・ファイルそのものは、持ち出せません。
メモするのは「年間〇件を担当」「作業時間を〇割短縮」といった、あなたの仕事の結果までにしてください。
迷うものは、書き写さないほうが確実です。
③ 身の回りを、少しずつ片づける
デスクの私物、共有フォルダの自分用ファイル、ブラウザのブックマーク。
最終日にまとめてやると、挨拶と片づけで一日が終わってしまいます。
暇な時間に少しずつ進めておくと、最終日を落ち着いて迎えられます。
「何か手伝いましょうか」は、言っていい?
言って構いません。
ただし、言い方にひと工夫すると、相手が受け取りやすくなります。
「〇日まで手が空いているので、
その日までに終わる作業があれば、お手伝いさせてください。」
ポイントは、期限を自分から言うことです。
相手が迷うのは、「途中で辞められたら困る」という一点です。
いつまでなら大丈夫かを先に言えば、その心配がなくなります。
頼まれなければ、それで構いません。
一度声をかけたという事実は、ちゃんと残ります。
引き受けないほうがいい仕事
一方で、手伝いを申し出たときに、重い仕事を渡されることもあります。
| 引き受けないほうがいい | 断り方 |
|---|---|
| 退職日までに終わらない仕事 | 「途中でお渡しすることになるので、〇〇さんに最初から持っていただくほうが確実です」 |
| 責任者として名前が残る仕事 | 「辞めたあとに問い合わせが来ると対応できないので」 |
| 最終日の直前に締め切りがある仕事 | 「最終日は挨拶と返却で埋まりそうなので、前日までの作業ならお受けできます」 |
断るときも、理由を「あなたのため」ではなく「仕事のため」にすると、角が立ちません。
やってしまいがちで、損をすること
暇な時間には、つい気がゆるむものです。
でも、最後の数週間の姿は、いちばん記憶に残ります。
・スマホを長く触る(周りから見えています)
・早く帰る・遅く来る(勤務時間は最後まで勤務時間です)
・「暇です」と口に出す(忙しい人の気持ちを逆なでします)
・次の職場の話を楽しそうにする(残る人は複雑な気持ちになります)
・勤務中に転職先の準備をする(会社のパソコンは会社のものです)
とくに3つ目です。
本当に暇でも、「資料をまとめています」と言える状態にしておいてください。
それだけで、周りの見る目がまったく違います。
最後の1週間の、過ごし方の例
何をすればいいか分からないと、時間は長く感じます。
逆に、1日ごとにやることを決めておくと、あっという間に過ぎます。
| 日 | やること |
|---|---|
| 月 | 引き継ぎ資料を後任と一緒に読み合わせる |
| 火 | 読み合わせで出た質問を、資料に書き足す |
| 水 | 自分の実績を数字でメモする/私物を半分持ち帰る |
| 木 | 返却物(社員証・備品・名刺)を一か所にまとめる |
| 金 | 最終日。挨拶と返却だけ |
これはあくまで一例です。
大事なのは、最終日に何も残さないことです。
最終日は、挨拶と返却だけで一日が終わります。
その前日までに、自分でしかできないことを終わらせておくと、気持ちよく最後の日を迎えられます。
資料の読み合わせは、とくにおすすめです。
後任が実際に読んでみると、書いた本人には分からない穴が必ず見つかります。
それを埋められるのは、あなたがまだ職場にいるあいだだけです。
どうしても時間が余るときは
資料も片づけも終わった。
それでも、まだ何日も残っている。
そういうときは、有給休暇を前倒しで使えないか相談するのも一つの手です。
「引き継ぎ資料がまとまり、後任の方への説明もひととおり終わりました。
残りの期間で有給を使わせていただくことはできますか。」
引き継ぎが終わっていることを先に伝えると、話が通りやすくなります。
有給を使って休みに入ったあとの過ごし方は、有給消化中が暇すぎるにまとめました。
よくある質問
Q. 周りが忙しそうなのに、帰りづらいです
定時で帰って構いません。自分の仕事が終わっているなら、残る理由はありません。気になるなら、帰る前に「何かあれば明日やります」と一言添えてください。それで十分です。
Q. 仕事を回してもらえないのは、嫌われたからですか
多くは、実務上の判断です。途中で終われない仕事は、辞める人に振れません。嫌われているかどうかは、挨拶が返ってくるか、業務の連絡が普通に来るかで判断してください。そこが普段どおりなら、心配いりません。
Q. 最後の1週間は、何をしているのが普通ですか
引き継ぎの最終確認、返却物の準備、挨拶回りが中心です。暇を持て余す人もいれば、最後まで忙しい人もいます。どちらが正しいということはありません。空いた時間があるなら、引き継ぎ資料を見直してください。
Q. 暇なのに給料をもらうのが申し訳ないです
あなたが決めたことではありません。仕事の割り振りは会社が決めています。申し訳なく思うなら、その分を引き継ぎ資料に注いでください。それが、いちばん会社のためになる使い方です。
Q. 退職を伝えてから、態度が冷たくなった気もします
仕事が減ると、そう感じやすくなります。実際に態度が変わる人もいますが、多くは「もうすぐいなくなる人」として扱い方が変わっただけです。詳しくは退職を伝えたら態度が変わったにまとめました。
Q. 仕事中に転職先の勉強をしてもいいですか
勤務時間中は、会社の仕事をする時間です。業務と関係のない勉強は、休憩時間か勤務後にしてください。どうしても手が空くなら、上司に「何かできることはありますか」と確認するほうが先です。
Q. 最終日の菓子折りは用意したほうがいいですか
必須ではありません。辞めたあともその人たちと関わるかどうかで決めてください。暇な時間に考えておくと、最終日に慌てずに済みます。判断の基準は退職に菓子折りはいらない?にまとめました。
Q. 辞めると決めたのに、寂しさで気持ちが不安定です
よくあることです。長く続いた日常が終わるときは、決断が正しくても心が揺れます。寂しさは、そこで過ごした時間があった証拠です。無理に打ち消さず、残りの日々を丁寧に過ごすことに意識を向けてください。
Q. 後任がいなくて、引き継ぐ相手がいません
その場合は、上司に引き継ぐ形になります。資料は、上司が読んで分かる粒度で書いてください。後任が決まったときに、そのまま渡せる形にしておくのがいちばん親切です。
Q. 最後の週に有給を使うと、印象が悪くなりませんか
引き継ぎが終わっているなら、問題ありません。印象が悪くなるのは、引き継ぎを残したまま休みに入ったときです。順番は「引き継ぎを終える→有給を使う」で考えてください。
Q. 私物はいつから持ち帰ればいいですか
最終日の1週間前くらいから、少しずつ持ち帰るのがおすすめです。一度に持ち帰ると、最終日に荷物が多くなって挨拶どころではなくなります。毎日1つずつ減らしていけば、目立たずに済みます。
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① 引き継ぎ資料に「つまずきやすいところ」を1つ書き足す
② 自分の実績を、数字で3つメモする
③ 手が空いていることを、期限つきで一度だけ伝える
仕事が来なくなったのは、あなたの役割が次の人へ移り始めたからです。
その時間を、ただ待つだけにしないでください。
引き継ぎ資料に書き足した一行は、あなたが去ったあとに何度も読まれます。
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暇な時間は、残る人と次の自分への、最後の贈り物にできます。
次の準備がまだなら、転職エージェントの選び方を参考にしてください。
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