内定辞退の理由は何と言う?角が立たない伝え方とケース別の文例
内定辞退の理由は、詳しく話す必要はありません。
基本の形は「検討した結果、他社に決めました」だけ。
理由を細かく説明するほど、引き止めの材料になります。
嘘はつかない。でも、全部は言わない。これが正解です。
内定を辞退すると決めた。
でも、何と言えばいいのか分からない。
「他にいい会社が見つかったので」なんて、失礼な気がする。
かといって、嘘をつくのも気が引ける。
この記事では、辞退の理由をどう伝えるかだけを書きます。
手順や電話の全体的な流れは別の記事にまとめているので、ここでは「理由の中身」に絞ります。
□ 他社の内定を選んだ
□ 条件(年収・勤務地・仕事内容)が合わなかった
□ 今の会社に残ることにした
□ 家庭や健康の事情が変わった
□ 面接や対応の印象が悪かった
それぞれの言い方を、下で1つずつ用意しました。そのまま使えます。
大原則:理由は「短く」「変えない」
辞退の理由を伝えるときのルールは、たった2つです。
1. 短く言う
長く説明するほど、相手は反論できる箇所を見つけます。「年収が」と言えば「上げます」と返ってきます。説明が増えると、交渉が始まります。
2. 途中で変えない
最初に「他社に決めた」と言ったのに、引き止められて「実は年収が」と言い直すと、話が振り出しに戻ります。最初に決めた理由を、最後まで通してください。
「親が病気で」など、事実でない理由は使わないほうがいいです。
理由は本当のことの中から、言いやすいものを選ぶ。全部を話す義務はありませんが、作り話をする必要もありません。
業界が狭い場合、後から本当のことが伝わることもあります。
ケース1:他社の内定を選んだとき
いちばん多いケースです。そして、いちばん角が立ちません。
大変申し上げにくいのですが、慎重に検討した結果、他社への入社を決めさせていただきました。
お時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
これで十分です。
社名を言う必要はありません。
聞かれても「申し訳ありませんが、控えさせてください」で問題ありません。
「なぜそちらを選んだのか」と聞かれた場合は、こう返してください。
この言い方だと、相手が改善提案をする余地がなくなります。
条件の話ではなく、自分の方向性の話にしているからです。
ケース2:条件が合わなかったとき
年収、勤務地、仕事内容。これが理由の場合は、少し注意が必要です。
条件を理由に挙げると、条件を変える提案が返ってくる可能性があります。
本当に条件が変われば入社したいなら、正直に言っていいです。
でも、もう決めているなら、条件を理由にしないほうが早く終わります。
貴重な機会をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
それでも「何が合わなかったのか」と聞かれたら、1つだけ、変えようのないものを挙げるのが有効です。
・勤務地(引っ越しが難しい)
・職種の方向性(今後こういう仕事をしていきたい)
年収や残業は「変えられる」ので、交渉が始まります。
勤務地や方向性は、会社側が動かせないので、話が終わります。
ケース3:今の会社に残ることにしたとき
引き止め(カウンターオファー)を受けて残る場合です。
身勝手なご連絡となり、誠に申し訳ございません。
この理由は、相手にとって反論しづらいものです。
他社に負けたわけではないので、深追いされにくくなります。
引き止められて残る決断は、数ヶ月後にまた同じ悩みに戻ることがあります。
辞めたい理由が「給料」だけだったなら、条件が変われば解決します。
でも人間関係や働き方が理由だったなら、給料が上がっても理由は残ります。
何が変わったから残るのかを、一度言葉にしてみてください。
ケース4:家庭や健康の事情
本当にその事情があるなら、そのまま伝えて構いません。
詳細は控えさせていただきますが、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
詳しく話す必要はありません。「個人的な事情」で通じます。
踏み込んで聞いてくる会社は多くありません。
この理由は相手が追及しにくいので、嘘の理由として使われがちです。
ですが、家族の事情を作り話にするのは避けてください。入社しないとはいえ、後味が悪く残ります。
事情がないなら、ケース1か2の言い方を使ってください。
ケース5:面接や対応の印象が悪かったとき
選考中の対応が雑だった。面接官の態度が気になった。連絡がいつも遅かった。
これが本当の理由でも、そのまま伝える必要はありません。
伝えたところで改善されることは少なく、言い合いになるリスクだけが残ります。
この場合も、ケース1か2の言い方を使ってください。
ただし、エージェント経由の応募なら、担当者には正直に伝えていいです。
担当者にとっては次の紹介の材料になりますし、企業への伝え方も調整してもらえます。
引き止められたときの返し方
理由を短く伝えても、引き止められることがあります。
よくあるパターンと返し方を挙げます。
「条件を見直すので、もう一度考えてもらえませんか」
「一度会って話しませんか」
「採用にかかった費用はどうするのか」
この言い方をされることがありますが、内定辞退そのもので費用を請求されるのは一般的なことではありません。
不安になったら、承諾後の辞退について書いた記事で法的な位置づけを説明しています。
実際に請求などの話になった場合は、労働問題に詳しい専門家に相談してください。
共通して大事なのは、謝る言葉は入れるが、結論は動かさないことです。
伝える手段は、電話が基本
理由の中身とあわせて、よく聞かれるのが伝え方です。
基本は電話です。メールだけだと、届いていない可能性が残ります。
電話がつながらない場合は、メールを送ったうえで、あらためて電話をかけてください。
時間帯は、始業直後と終業間際を避けるのが無難です。
午前10時〜11時半、午後2時〜4時ごろが目安になります。
エージェント経由の内定なら、辞退の連絡は担当者が代わりに行います。
自分で企業に電話をかける必要はありません。この場合、担当者には正直な理由を伝えてください。
いつまでに伝えるべきか
理由の中身と同じくらい大事なのが、いつ言うかです。
結論は、決めた日のうちです。
遅れて困るのは、相手の採用計画だからです。
内定を出した会社は、あなたが来る前提で他の候補者を断っていることがあります。
1日遅れるごとに、その影響が大きくなります。
そして、遅れるほど自分もつらくなります。
「なぜもっと早く言わなかったのか」と謝る内容が1つ増えるからです。
早ければ「申し訳ありません」だけで済みます。
入社直前の辞退は、企業への影響が大きくなります。それでも、黙って入社日に来ないことだけは避けてください。
連絡がつかないまま当日を迎えると、企業は状況が分からず動けません。言いにくくても、電話をかけてください。
辞退のメールはどう書くか
電話がつながらないときや、電話のあとに記録を残したいときに使います。
件名で用件が分かるようにしてください。
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
お世話になっております。〇〇 〇〇です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し上げにくいのですが、慎重に検討いたしました結果、内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご返答となり、誠に申し訳ございません。
末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
〇〇 〇〇
電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
メール:〇〇@〇〇
メールでも、理由は書かなくて構いません。「慎重に検討した結果」で十分です。
・会社名は正式名称になっていますか(株式会社の位置も)
・担当者の氏名は合っていますか
・自分の連絡先を入れましたか
・送信時間は営業時間内ですか
辞退の連絡だからこそ、最後まで丁寧にしておくと後味が違います。
言わないほうがいいこと
1. 他社の社名と条件
比較の材料を渡すことになり、交渉が始まります。
2. 会社への不満や批判
辞退する相手に伝えても、状況は良くなりません。
3. 「まだ迷っています」
決めたなら、決めたと言ってください。含みを残すと、連絡が続きます。
4. 「またご縁があれば」を軽く使う
社交辞令として使われる言葉ですが、本気で再応募の可能性を残したいときだけにしてください。
言いにくさの正体
辞退の連絡が言いにくいのは、相手を裏切っているように感じるからです。
内定は「あなたと働きたい」という意思表示です。
それを断るのは、期待を裏切る行為に見えます。
でも、実際のところ、企業側は辞退されることを想定しています。
複数の候補者を並行して見ていますし、内定を出した人の何割かは辞退するという前提で採用計画を立てているのが普通です。
だから、辞退の電話を受けた採用担当者は、あなたが想像しているほど驚きません。
驚かせるのは、辞退することではなく、連絡が来ないことのほうです。
練習してから、かけていい
どうしても言葉が出てこないなら、一度、声に出して読んでみてください。
この記事の文例をそのまま読み上げるだけで、伝えるべきことは全部入っています。
アドリブで話そうとするから、言葉に詰まるのです。
原稿を手元に置いて、読みながらかけて構いません。相手には見えません。
よくある質問
Q. 理由を聞かれなかったら、言わなくていいですか
言わなくて構いません。聞かれていないことを説明する必要はありません。お礼と謝罪だけで終わって問題ありません。
Q. メールだけで済ませてもいいですか
電話がつながらない場合の手段としてはありです。ただし、送りっぱなしにせず、後日あらためて電話をかけてください。
Q. 内定承諾書を提出したあとでも辞退できますか
できます。詳しくは内定承諾後の辞退の記事にまとめました。
Q. 辞退した会社に、また応募できますか
会社によります。再応募を受け付けているところもあれば、一定期間は受け付けないところもあります。丁寧に辞退しておくことが、可能性を残すことにつながります。
Q. 言いにくくて、何日も連絡できていません
今日、連絡してください。遅れるほど相手の採用計画に影響し、謝る内容が増えていきます。言いにくさは、時間が経っても軽くなりません。
最後に:辞退は、悪いことではありません
内定を辞退するのは、相手に選ばれたあとに、こちらが選ばなかったということです。
気まずいのは分かります。
でも、合わないと分かっている会社に入るほうが、お互いにとって損失が大きいのです。
早期に辞めることになれば、採用にかけた時間はもっと無駄になります。
① 5つのケースから、自分に当てはまるものを選ぶ
② その文例をメモ帳にコピーして、社名だけ入れる
③ 午前10時〜11時半の間に、電話をかける
読み上げてもいいので、原稿を手元に置いてかけてください。3分で終わります。
辞退したあと、次の会社への不安が出てくることもあります。
それは内定ブルーといって、選んだ人にはよく起きるものです。
言いにくい連絡を自分でしたくない、あるいは辞退したあとに転職活動をやり直すことになった場合は、転職エージェントに間に入ってもらう方法があります。
辞退の連絡も、次の紹介も、担当者の仕事の範囲です。
※本記事は一般的な情報の解説です。個別の法的トラブルについては、専門家にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。