上司の指示がコロコロ変わる…止められないなら記録で守る。振り回されない3つの手
指示が変わること自体は、止められません。
あなたが守るべきなのは、「言った・言わない」にならないことです。
やることは1つ。指示を受けたら、その場で復唱して、あとで一行だけ記録する。
これだけで、やり直しの回数と、責められる回数が両方減ります。
言われたとおりに作った。
見せたら、「そうじゃない」と言われた。
「え、そう言われましたよね」とは、さすがに言えない。
直したものを見せると、今度は最初の形に戻せと言われる。
しかも、自分が勝手にやったことになっている。
この記事は、振り回される回数を減らす方法を書きます。
なぜ、指示が変わるのか
先に言っておくと、相手を変えるのは難しいです。
できるのは、変わったときに自分が困らない形を作ることです。
そのために、まず理由を分けておきます。
| 理由 | 見分け方 | 効く手 |
|---|---|---|
| ①上司も決まっていない | 上司のさらに上から、話が降りてくる | 着手前に方向を確認する |
| ②伝え方が足りない | 頭の中にある完成形が、言葉になっていない | 途中で一度見せる |
| ③忘れている | 前に言ったことを覚えていない | 記録を残す |
| ④状況が変わった | 取引先や上層部の事情で、前提が動いた | これは仕方がない。作り直す前提で動く |
多くは①か②です。
どちらも、あなたの側の動き方で減らせます。
③だけは、記録がないと防げません。
振り回されて消耗するのは、作業量のせいではありません
指示が変わると、作り直しの時間が増えます。
ですが、本当に消耗しているのは、別のところです。
| 起きていること | 消耗の正体 |
|---|---|
| 作ったものが、無駄になる | やった意味がなくなる感覚が残ります |
| 自分が間違えたことにされる | 事実が書き換えられる。これがいちばん堪えます |
| 次も変わるかもしれないと思う | 集中できなくなります |
| 確認するのが怖くなる | 聞かずに進めて、また外れます |
2つ目が続くと、自分の記憶のほうを疑い始めます。
記録を取る本当の理由は、ここにあります。
相手を責めるためではなく、自分が自分を疑わないためです。
一行でも残っていれば、「やっぱり、ああ言われていた」と確かめられます。
それだけで、気持ちの消耗がかなり減ります。
最後の項目に、気をつけてください
4つ目の「確認するのが怖くなる」は、悪い循環の入り口です。
聞くと怒られる気がして、黙って進める。
すると、また外れて、また責められる。
確認の回数を減らしてはいけません。
むしろ、短く増やしてください。
「1分だけ」「方向だけ」と区切れば、忙しい相手にも通ります。
いちばん効くのは、着手前の確認
できあがってから直すのが、いちばん時間を失います。
だから、作り始める前に一度確かめてください。
「確認させてください。
◯◯を△△の形でまとめて、□□までにお出しする、ということでよろしいですか。」
この一言で、相手の頭の中にある完成形が出てきます。
言葉にしてもらうと、その場で食い違いが見つかります。
言われたことをそのまま復唱するだけなので、失礼にもなりません。
途中で一度、見せる
もうひとつ効くのが、途中で見せることです。
完成させてから見せると、全部作り直しになります。
3割できた時点で見せれば、直すのも3割で済みます。
「途中ですが、方向だけ確認させてください。
この形で進めて問題なさそうでしょうか。」
「途中ですが」と先に言うのがコツです。
完成品として見られないので、指摘も軽くなります。
「言った・言わない」を防ぐ、一行の記録
指示を忘れられて、勝手にやったことにされる。
これがいちばんつらい場面です。
防ぐ方法は、一行の記録です。
・日付と時刻
・誰から
・何を言われたか(短くて構いません)
例:9/20 14:00 ◯◯さん「資料はAの形で。金曜まで」
手帳でも、スマートフォンのメモでも構いません。
その場で書くのがコツです。
あとで書こうとすると、言葉が変わってしまいます。
この記録は、相手を責めるためのものではありません。
自分が混乱しないための、自分用の控えです。
メールやチャットで確認する形にする
もっと確実なのは、文字で残るやり取りに変えることです。
「先ほどご指示いただいた件、下記の通り進めます。
・◯◯を△△の形で
・金曜日までに
認識に違いがあればお知らせください。」
これを送っておくと、記録が両方に残ります。
送る目的は、証拠を作ることではありません。
認識を合わせることです。
その形で送れば、角も立ちません。
変わったと言われたときの、返し方
記録があっても、その場で言い返さないでください。
勝つことが目的ではないからです。
| 言わないほうがいい | こう返す |
|---|---|
| 「そう言われましたよね」 | 「失礼しました。Aで進めていました。Bに変更でよろしいですか」 |
| 「前と違います」 | 「いまのお話だと、□□ということでしょうか。確認させてください」 |
右は、争っていません。
ただ、いまの指示は何かを確定させています。
こう返すと、相手も変更したという前提で話を続けます。
それで十分です。
記録は、繰り返されたときのために取っておいてください。
繰り返されるとき
毎回のように振り回され、仕事が進まない状態が続くこともあります。
その場合は、人ではなく仕事の話として相談してください。
「◯◯の件で、作り直しが続いてしまっています。
着手前に、一度方向を確認させていただくことはできますか。
そのほうが、早くお出しできると思います。」
責める形になっていないのがポイントです。
早く仕上げるための提案になっています。
上司本人に言いにくい場合は、さらに上の人や人事に相談する道もあります。
そのときも、感情ではなく記録で話してください。
・人前で繰り返し責められる
・「勝手にやった」と事実と違うことを言われ続ける
・そのせいで、眠れない・体調に出ている
こうした状態が続くなら、記録を残したうえで社内の相談窓口や、各労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。体に出ているなら、医療機関にも相談してください。
作り直しを、前提に組み込む
指示が変わる職場では、作り直す前提で進めるほうが消耗しません。
・清書は最後にする(体裁を整えるのは、中身が固まってから)
・前の版を残しておく(「やっぱりAで」と言われたときに戻せます)
・7割で一度見せる(完璧にしてから見せない)
・作ったものに日付をつけて保存する
2つ目が、とくに効きます。
AからBに直したあと、またAに戻せと言われることがあります。
前の版が残っていれば、作り直しになりません。
消さずに、別名で残しておいてください。
1つ目も大事です。
見栄えを整えるのに時間をかけてから直しが入ると、その時間が丸ごと消えます。
中身が固まるまでは、粗いままで構いません。
むしろ粗いほうが、相手も遠慮なく直しを言えます。
「まだ体裁は整えていないのですが、
中身の方向だけ、先に見ていただけますか。」
メモの残し方は、メモを取っても覚えられないときも参考にしてください。
上司の側にも、事情があることがあります
擁護するつもりはありませんが、知っておくと受け止め方が変わります。
指示が変わる背景には、こういうことがあります。
・さらに上から、方針が降りてくる(上司も振り回されています)
・取引先の要望が変わった
・実物を見て、はじめて違和感に気づいた(頭の中では分からなかった)
・単純に、抱えている件数が多い
3つ目は、意外と多い理由です。
人は、できあがったものを見てはじめて「そうじゃなかった」と気づきます。
これは能力の問題ではなく、言葉だけで完成形を共有するのが難しいからです。
だからこそ、途中で見せることが効きます。
早い段階で実物を見せれば、気づくのも早くなります。
相手が悪意で変えているわけではないと分かると、受け止め方が少し楽になります。
ただし、事実と違うことを言われ続ける場合は別です。
そこは、事情とは切り離して記録を残してください。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 完成させてから見せている
□ 指示を口頭だけで受けている
□ 上司に悪気はなさそう
このタイプは、着手前の確認と、途中で一度見せるだけで大きく変わります。
□ 言ったことを忘れられる
□ 自分が勝手にやったことにされる
□ 同じことが何度も起きている
このタイプは、一行の記録と、文字で残る確認を始めてください。
□ 人前で繰り返し責められる
□ 事実と違うことを言われ続けている
□ 体調に出ている
このタイプは、一人で抱えないでください。
よくある質問
Q. 確認ばかりしていると、面倒な人だと思われませんか
着手前に一度と、途中で一度だけなら、むしろ仕事の進め方が分かっている人だと見られます。やり直しが減る分、相手の手間も減ります。
Q. メールで送ると、嫌味に取られませんか
「認識に違いがあればお知らせください」という形にしてください。確認の依頼であって、証拠を残す宣言ではありません。この形なら嫌味にはなりません。
Q. 記録を取っていることを、言うべきですか
言う必要はありません。自分の備忘として持っておけば十分です。相談する場面になったときに、はじめて出せば構いません。
Q. 上司が忙しくて、確認する時間がありません
「1分だけ、方向の確認だけさせてください」と時間を区切って声をかけてください。短いと分かれば、答えてもらいやすくなります。
Q. 指示が変わるたびに、残業になります
その状態は、業務量の問題として相談できます。「作り直しで時間がかかっているので、優先順位を決めていただけますか」と伝えてください。
Q. 複数の人から、違う指示が来ます
よくあることです。「◯◯さんからは△△と伺っています。どちらで進めましょうか」と、両方の名前を出して確認してください。あなたが板挟みになる必要はありません。
Q. 言われた通りにやったのに、怒られます
その場では「失礼しました。次はこの形で進めます」と受けて、記録を残してください。争っても、その場では解決しません。繰り返されるなら、記録が材料になります。
Q. 入ったばかりなので、自分が悪いのかもしれません
分からないことが多いのは当然です。ただ、着手前に確認しているのに変わるなら、あなたの理解力の問題ではありません。確認した記録が、そこを切り分けてくれます。
Q. 記録を取るのが、面倒で続きません
1件1行で十分です。指示を受けたその場で、スマートフォンに打つだけにしてください。あとでまとめようとすると続きません。続けるコツは、短くすることです。
Q. 上司が変わるまで、我慢するしかないですか
我慢ではなく、仕組みで減らしてください。着手前の確認と、文字で残る形での擦り合わせ。この2つは、相手が誰でも効きます。そのうえで改善しないなら、環境を変える判断も現実的です。
Q. 確認したのに、確認していないことにされます
口頭での確認だと、そうなりやすいです。確認したあとに短いメッセージを送る形に切り替えてください。「先ほどの件、この形で進めます」の一文で十分です。
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止められないなら、記録で守ってください
① 次に指示を受けたら、その場で復唱する
② 「日付・誰から・何を」を1行だけメモする
③ 作り始める前に、一度だけ方向を確認する
上司の指示が変わること自体は、止められません。
できるのは、変わっても自分が困らない形を作ることです。
着手前に確認し、途中で一度見せ、一行だけ記録する。
この3つで、やり直しも、責められる回数も減ります。
それでも変わらない職場が続くなら、転職エージェントの選び方も見ておいてください。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言・医学的助言ではありません。ハラスメントに当たるかどうかの判断は、個別の状況によって異なります。困ったときは総合労働相談コーナー(各労働局)などの公的な窓口に、体調の不安が続く場合は医療機関にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。