職場で意見が通らない…内容ではなく渡し方です。今日から効く3つの出し方
意見が通らない原因は、内容よりも「出し方」にあることが多いです。
通らない理由は内容・出し方・相手・もう決まっているの4つに分かれます。
このうち自分で動かせるのは、出し方と相手の2つだけ。
効くのは3つです。①「提案」ではなく「困っています」から入る、②数字を一つ添える、③大きく変えず、小さく試す形にする。
それでも3回続けて、誰が出しても通らないなら、それは決まった人しか決められない職場です。そこは変えられません。
こうしたほうがいいと思って、言ってみた。
でも、「今はいい」で終わった。
別の人が同じことを言ったら、その場で決まった。
何度か続くと、だんだん言わなくなります。
この記事は、通らない理由を分けて、動かせるところだけを直す話です。
通らない理由は、4つに分かれます
まず、自分のケースがどれかを分けてください。
分けないまま工夫しても、効きません。
| 型 | 起きていること | 動かせるか |
|---|---|---|
| 内容 | 案そのものに無理がある・コストが見えていない | 動かせる |
| 出し方 | 言うタイミング・言葉の形が合っていない | 動かせる |
| 相手 | 決める人に届いていない | 動かせる |
| もう決まっている | 形だけ意見を聞いている | 動かせない |
多いのは、真ん中の2つです。
内容は悪くないのに、出し方と相手でつまずいている。
ここを直すだけで、通り方が変わることがあります。
同じ内容を、別の人が言ったら通った。
→ 内容の問題ではありません。出し方か相手の問題です。
①「提案」ではなく「困っています」から入る
これがいちばん効きます。
「こうしたほうがいいと思います」は、提案です。
提案は、受け取る側にとって採点する対象になります。
「今こういうことで困っていて」は、相談です。
相談は、一緒に考える対象になります。
同じ中身でも、相手の立ち位置が変わります。
| 通りにくい言い方 | 通りやすい言い方 |
|---|---|
| この手順、変えたほうがいいと思います | この手順のここで毎回止まってしまって、困っています |
| 会議を減らすべきです | この時間帯だと作業が止まるのですが、どうするのがいいでしょうか |
| この書類は不要では | この書類は、どこで使われているものでしょうか |
右側は、どれも相手に判断を渡していません。
質問の形なので、否定される場所がないのです。
そして、相手が自分で気づいたことは、通ります。
これは、遠回しに言えという話ではありません。
困っている事実を、そのまま言うというだけです。
事実は否定できません。意見は否定できます。
②数字を、一つだけ添える
意見が通らない人の話は、たいてい「感覚」で終わっています。
多い、大変、ムダ、面倒。
これらは全部、受け取る側の感覚と比べられてしまいます。
数字を一つ入れると、比べる対象が変わります。
| 感覚のまま | 数字を足す |
|---|---|
| この作業、時間がかかりすぎます | この作業に、1日およそ40分使っています |
| 問い合わせが多いです | 先週、同じ問い合わせが9件ありました |
| 書類のミスが多いです | 今月、差し戻しが6件ありました |
正確でなくて構いません。
数えた、という事実のほうが効きます。
数えている人の話は、簡単には流せないからです。
手帳の端に、正の字を書くだけでいいです。
1週間分あれば、話すには十分な材料になります。
③大きく変えず、小さく試す形にする
通らない提案には、共通点があります。
やめられない提案になっていることです。
一度決めたら戻せない、全員がやり方を変える、お金がかかる。
こういう形だと、決める側は失敗したときの責任を考えます。
だから「今はいい」になります。
そこで、形を変えます。
| 通りにくい形 | 通りやすい形 |
|---|---|
| 全員でやり方を変えましょう | まず自分の担当分だけ、2週間やってみていいですか |
| この会議をなくしましょう | 今月だけ、隔週にしてみるのはどうでしょう |
| 新しい道具を入れましょう | 無料の範囲で、1か月だけ試してみていいですか |
右側には、期限と範囲が入っています。
この2つがあると、相手は「戻せる」と分かります。
戻せる提案は、承認のハードルが一気に下がります。
そして、小さく試してうまくいけば、次は自然に広がります。
出す相手と、順番を変える
内容も出し方も直したのに通らない。
そのときは、届いている相手が違う可能性があります。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 決めるのは誰か | 直属の上司か、その上か、別の部署か |
| 誰に話が通ると早いか | 普段から意見が通っている人は誰か |
| どこで決まっているか | 会議の場か、その前の雑談か |
多くの職場では、会議で決まっているように見えて、実際はその前に決まっています。
会議の場でいきなり出すと、ほぼ通りません。
その前に、一人に話しておく。
これだけで結果が変わることがあります。
「来週の会議で、◯◯の話を出そうと思っているのですが、どう思われますか」
これは根回しという言葉で嫌がられることがありますが、中身は驚かせないという配慮です。
人は、その場で初めて聞いた話には反対しやすくなります。
3回やって通らないなら、見きわめてください
ここまでは、自分で動かせる部分の話でした。
ただ、どうやっても通らない職場はあります。
次のどれかに当てはまるなら、出し方の問題ではありません。
□ 誰が出しても、内容にかかわらず通らない
□ 「決まったことだから」で説明が終わる
□ 意見を出した人が、あとで面倒な扱いを受ける
□ 同じ人の言うことだけが、いつも通る
□ 意見を聞く場はあるが、結果が変わったことがない
3つ以上当てはまるなら、これは職場の決め方の問題です。
あなたの言い方をどれだけ磨いても、届きません。
そこで消耗し続けるより、言わないと決めるほうが体力が残ります。
通らないと分かっている場所に出し続けると、
「自分の考えには価値がない」と思い込むようになります。
それがいちばん危ない。
通る場所に持っていく、という選び方もあります。
こんな状態なら、まず出し方を変えてみてください
当てはまるものがあれば、次の一回で試せます。
□ 言ったのに「今はいい」で終わったことがある
□ 別の人が同じことを言ったら、その場で決まった
□ 「多い」「大変」という言葉で説明している
□ 会議の場で、初めてその話を出している
□ 提案をいくつかまとめて出したことがある
□ 最近、言うこと自体をやめてしまった
上から4つは、出し方を変えれば結果が変わるものです。
いちばん下だけは、少し違います。
言わなくなった状態が長いなら、まず一つだけ、通りそうな小さいことから戻してください。
やらないほうがいいこと
| やりがちなこと | なぜ避けるか |
|---|---|
| 会議の場で強く押す | 相手が引けなくなり、次から聞かれなくなる |
| 前のやり方を否定する | 決めた人を否定することになる |
| まとめて何個も出す | 一番弱い案で全部が止まる |
| 正しさだけで押す | 正しくても、決めるのは人です |
| 黙って自分だけやり方を変える | あとで大きな問題になります |
3番目が見落とされがちです。
言いたいことが溜まると、まとめて出したくなります。
でも、提案は一度に一つ。
一つ通れば、次も聞いてもらえます。
通る人が、実際にやっていること
周りに、なぜか意見が通る人がいると思います。
その人が特別に賢いわけではありません。
やっていることは、だいたい同じです。
| やっていること | 効いている理由 |
|---|---|
| 先に一人に話している | 会議の場で驚かせない |
| 相手の関心から入る | 自分の不満ではなく、相手が気にしていることを先に言う |
| やめる条件を先に出す | うまくいかなければ戻せる、と分かる |
| 自分で手を動かす分を持っている | 誰かに丸ごと仕事が増えない |
| 一度で決めようとしない | 二回目、三回目に通る前提で出している |
とくに最後が大きな差です。
通る人は、一度目で通らないことを織り込んでいます。
一度目は、話を置いてくるだけ。
二度目に「この前の件ですが」と続ける。
この二段構えだけで、通る確率はだいぶ変わります。
「すぐにということではないのですが、頭の片隅に置いていただけますか」
これを添えておくと、断られること自体がなくなります。
断られなければ、二度目が出しやすくなります。
記録に残しておくと、あとで効きます
通らなかった意見も、消さずに残しておいてください。
メモ帳でも、スマホのアプリでも構いません。
| 残すこと | あとでどう効くか |
|---|---|
| いつ、誰に、何を言ったか | 同じ問題が起きたときに「以前お伝えした件です」と出せる |
| 断られた理由 | 次に出すとき、その理由をつぶしてから出せる |
| そのあと実際に起きたこと | 言っていたことが当たったという事実が残る |
これは、誰かを責めるための記録ではありません。
自分の考えが的外れではなかったと、自分で確かめるための記録です。
「9/26 ◯◯さんに手順の件。今は忙しいからと保留。」
これだけで、3か月後に役に立ちます。
よくある質問
Q. 契約社員やパートだから、通らないのでしょうか
立場で扱いが変わる職場はあります。ただ、その場合も「困っている事実」と「数字」は効きます。判断を求めず、事実を渡す形にしてみてください。
Q. 意見を出したら、面倒な人だと思われませんか
提案の形だと思われやすく、相談や質問の形だと思われにくいです。回数より、形のほうが効きます。
Q. 別の人が同じことを言ったら通りました
よくあります。悔しいと思いますが、内容は正しかったということです。次は、その人に先に話してみるという手もあります。
Q. 上司が最初から聞く気がありません
その場合は、上司を変えようとしないでください。決める人が他にいるか、記録に残す形にするか、この2つを考えるほうが早いです。
Q. 我慢していたら、だんだん何も言えなくなりました
意見を出さないことに慣れると、自分が何を思っているかも分からなくなります。小さいことでいいので、通る場所で言う習慣を残しておいてください。
通ったときに、やっておくこと
意見が一度通ったら、そこで終わりにしないでください。
次につながるかどうかは、通ったあとの動きで決まります。
① 結果を、短く報告する
やってみてどうだったかを、自分から一言伝えます。
うまくいかなかったときも、そのまま伝えてください。
うまくいかなかった報告ができる人は、次も任されます。
② 通してくれた人に、一言だけ返す
「あのとき通していただいて、助かりました」で十分です。
判断した人にとっては、その一言が次の判断材料になります。
通ったあとに「だから言ったのに」と言うこと。
その一言で、次からは通らなくなります。
Q. 意見を出しても、いつも自分の仕事が増えるだけです
提案した人がやる、という運用になっている職場は多いです。出すときに「自分の担当分でまず試します」と範囲を先に決めておくと、丸ごと引き受ける形になりにくいです。
Q. 若いから聞いてもらえないのでしょうか
経験が浅いと、判断の部分は通りにくいことがあります。ただ、事実の報告は年数と関係ありません。判断ではなく事実を渡す形にすると、通ることがあります。
Q. 何度も言うと、しつこいと思われませんか
同じ言葉で繰り返すとそう見えます。二度目は「この前の件ですが、先週こういうことがありました」と、新しい事実を足して出してください。繰り返しではなく、続きになります。
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① 提案ではなく「困っています」から入る
② 数字を1つだけ添える
③ 2週間だけ、自分の担当分で試す形にする
意見が通らないのは、あなたの考えが浅いからではありません。
多くは、渡し方の問題です。
そして、渡し方を変えても動かない職場もあります。
会議そのものに時間を取られていると感じるなら、会議が長くて仕事が進まないときも読んでみてください。
言っても通らない状態が人間関係にまで及んでいるなら、職場の人間関係に疲れたときにまとめています。
どこに出しても通らない職場が続いているなら、転職エージェントの選び方で、話を聞いてもらえる場所があるかを見ておくのも一つの手です。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言ではありません。職場での扱いに不当なものがあると感じる場合は、社内の相談窓口や総合労働相談コーナー(各労働局)にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。