上司が自分にだけ厳しい…まず事実を書き出す。言い方と中身を分けて、自分を守る方法
「自分にだけ厳しい」と感じたら、まず事実を書き出して確かめるところから始めてください。
本当に自分だけなのか、いつ・誰に・何を言われたかを、1〜2週間メモに残すと見えてきます。
指摘の中身が仕事のことなら、言い方は受け流して、中身だけ受け取る。
人格を否定される、人前で責められるなどが続くなら、記録を持って相談してください。
同じミスをしても、ほかの人は軽く流されるのに、自分だけ強く言われる。
あいさつをしても、自分にだけそっけない気がする。
「嫌われているのかもしれない」と思うと、職場に行くのがつらくなってくる。
この記事は、「自分にだけ厳しい」と感じたときの確かめ方と、自分の守り方を書きます。
まず、事実を書き出して確かめる
「自分にだけ」と感じているとき、その感覚が正しいこともあれば、思い込みが入っていることもあります。
どちらなのかを確かめるために、1〜2週間、事実だけをメモしてみてください。
・いつ(日付と時間)
・何を言われたか(できるだけそのままの言葉で)
・どんな場面だったか(人前か、二人きりか)
・ほかの人が同じことをしたとき、どう扱われていたか
書き出してみると、思っていたより回数が少なかったと気づくこともあります。
逆に、明らかに自分だけ扱いが違うと分かることもあります。
どちらにしても、この記録は次の一歩を決める材料になります。
「自分だけ」と感じやすくなる理由
人は、自分に向けられた言葉ほど強く記憶に残ります。
ほかの人が注意されている場面は、その場にいなければ分かりません。
だから、実際には全員が同じように注意されていても、自分だけが言われているように感じてしまうことがあります。
とくに入ったばかりの時期は、指摘される回数そのものが多くなります。
仕事を覚えていないのだから当然なのですが、毎日続くと気持ちが沈んでしまいます。
また、疲れているときや自信をなくしているときほど、悪いほうに受け取りやすくなります。
だからこそ、感じ方ではなく、事実を確かめることが大切なのです。
メモを見返して「今週は2回だった」と分かるだけでも、気持ちは少し落ち着きます。
上司が厳しくなる、いくつかの理由
| 理由 | よくある状況 |
|---|---|
| 期待している | 伸びてほしい人に、あえて厳しく言う |
| 近くにいる時間が長い | 席が近い、担当が同じで、目につきやすい |
| 入ったばかりだから | まだ仕事を覚えていないので、指摘が増える |
| 相性が合わない | 話し方や進め方が、たまたま合わない |
| 上司の問題 | 言いやすい人に強く当たってしまう |
「期待しているから厳しい」という言葉は、よく聞きます。
ただ、それが本当かどうかは、指摘の中身で判断できます。
仕事のやり方についての指摘なら、あなたに成長してほしいという気持ちがあるのかもしれません。
人格や性格について言われているなら、それは指導とは別のものです。
つらい時期は、自分を責めがちになります。
でも、毎日職場へ向かっているだけで、あなたは十分にがんばっています。
「言い方」と「中身」を分ける
きつい言葉を受けたときは、言い方と中身を分けて受け取ってみてください。
言われた言葉→「何回言えば分かるの」
中身→「同じ確認を繰り返してほしい」
受け取ること→次から確認の手順を増やす
受け流すこと→言い方のとげ
中身だけを取り出して、次にどうするかを決める。
言い方のきつさは、その人の癖だと考えて、深く受け取りすぎないようにします。
これができると、同じ言葉を受けても、疲れ方がかなり変わってきます。
自分からできる、小さな工夫
・指摘されたことは、その場でメモする
・直したら、「◯◯、直しました」と報告する
・分からないことは、早めに聞く
・あいさつは、自分から変わらず続ける
とくに効くのが、直したことの報告です。
言ったことが伝わっていると分かると、上司の言い方がやわらぐことがあります。
また、上司が何を気にしているのかを知っておくと、先回りできるようになります。
「◯◯さんは、数字の確認を必ず見る」といったことをメモしておきましょう。
自分を責めすぎないために
厳しく言われ続けると、「自分ができないからだ」と思い込みやすくなります。
でも、同じ職場で働く人の中には、あなたの仕事ぶりをちゃんと見ている人もいます。
できるようになったことを、自分でも数えておいてください。
入ったころにはできなかったことが、今はできているはずです。
一人の上司の評価が、あなたのすべてではありません。
つらい時期は長く感じますが、異動や担当替えで状況が変わることもあります。
思いきって、聞いてみる方法もある
関係を良くしたいなら、直接聞いてみるという方法もあります。
「お時間をいただきありがとうございます。
自分の仕事で、直したほうがいいところを教えていただけますか。
今後のために、具体的に知っておきたいです。」
責めるのではなく、教えてもらう形で聞くのがポイントです。
この聞き方なら、上司も答えやすくなります。
返ってきた答えが具体的なら、直していけば関係は変わっていきます。
答えがあいまいだったり、感情的な言葉が返ってきたりしたときは、相手の側の問題かもしれません。
つらさを、ひとりで抱えない
厳しい言葉を毎日受けていると、少しずつ心がすり減っていきます。
「自分が悪いんだ」と思い込んでしまう人もいます。
そんなときは、職場の外の人に話してみてください。
家族や友人に「こんなことを言われてさ」と話すだけでも、気持ちが軽くなります。
話すうちに、「それはちょっと言いすぎだよ」と言ってもらえて、自分の感覚が戻ってくることもあります。
眠れない、食べられない、職場のことを考えると体調が悪くなる。こうした状態が続くなら、医療機関に相談してください。
つらさに慣れてしまう前に、早めに人を頼ることが大切です。
周りの人との関係も、支えになる
上司との関係がつらいときほど、ほかの人とのつながりが支えになります。
同僚や先輩に、仕事の相談をしてみる。休憩のときに軽く話してみる。
職場に味方だと思える人が一人いるだけで、気持ちの重さはずいぶん違ってきます。
また、ほかの人から見た状況を知ることもできます。
「部長は誰にでもあの調子だよ」と言われれば、自分だけではないと分かります。
逆に「ちょっと言いすぎだと思う」と言われたなら、それも大事な情報です。
人に話すことは、弱さではありません。状況を正しく知るための行動です。
我慢しなくていいライン
・「使えない」「向いていない」など、人格を否定する言葉を言われる
・人前で、大声で責められる
・必要な情報を、自分にだけ伝えてもらえない
・あいさつや報告を、無視される
こうした状態が続くなら、記録を残して、さらに上の上司や人事、社内の相談窓口に相談してください。
厚生労働省は、パワーハラスメントの例として、人格を否定するような言動や、人間関係からの切り離しを挙げています。
指導の範囲を超えていると感じたら、我慢し続ける必要はありません。
記録の残し方と、相談の切り出し方
相談を考えるなら、記録の形にも少し気をつけてみてください。
感情ではなく、事実だけを短く書いておくのがコツです。
「9月24日 14時 会議室で、部長から『こんなこともできないのか』と言われた。同席者は◯◯さん」。
このくらい具体的だと、相談を受ける側も状況をつかみやすくなります。
相談するときは、「困っていること」から切り出しましょう。
「仕事の進め方でご相談があります。
最近、注意を受けることが続いていて、どう改善すればよいか分からなくなっています。
状況を聞いていただけますか。」
相談先は、直属の上司の上の人、人事、社内の相談窓口などです。
社内で話しにくければ、総合労働相談コーナー(各労働局)でも無料で相談できます。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 指摘の中身は、仕事のこと
□ ほかの人にも、それなりに厳しい
□ 二人きりのときは、ふつうに話せる
このタイプは、中身だけ受け取ることから始めてみてください。
□ 自分だけ言われている気がする
□ 何が悪いのか分からない
□ 話す機会が少ない
このタイプは、直したことの報告と、教えてもらう聞き方を試してください。
□ 人格を否定される
□ 人前で責められる
□ 職場に行くのがつらい
このタイプは、記録を残して、相談先へ。
よくある質問
Q. 上司に嫌われているのでしょうか
好き嫌いよりも、目につきやすい場所にいる、担当が近いといった理由のことが多いです。まずは事実を書き出して、本当に自分だけなのかを確かめてみてください。
Q. ほかの人に相談してもいいですか
信頼できる先輩になら、相談して構いません。ただ、悪口のように広がらないよう、「自分の受け止め方の相談」として話すと安心です。
Q. 厳しくされて、仕事が怖くなりました
その状態が続くと、ミスも増えてしまいます。信頼できる人に話し、つらさが続くようなら医療機関や相談窓口も頼ってください。
Q. 期待されているから厳しいのだと言われました
そういう場合もあります。ただ、期待していても、人格を否定していい理由にはなりません。中身が仕事のことかどうかで見分けてください。
Q. 異動や転職を考えたほうがいいですか
まずは記録を残して、相談してみてください。それでも変わらず、体調にも影響が出ているなら、働く場所を変えることも選択肢になります。
Q. 上司の機嫌によって、態度が変わります
機嫌の波がある人の場合、話しかけるタイミングを選ぶだけでもだいぶ変わります。朝のうちや、落ち着いている時間帯を見つけてみてください。
Q. 上司が代わる予定があります。それまで我慢すべきでしょうか
期限が見えているなら、それを支えにするのも一つの方法です。ただ、体調に影響が出ているなら、我慢せず先に相談してください。
Q. 厳しくされるのは、自分に期待されていないからでしょうか
期待の有無は、言葉だけでは分かりません。仕事の中身について具体的に指摘されているなら、よくなってほしいと思われている可能性が高いです。
Q. 我慢して続けていれば、そのうち変わりますか
仕事を覚えるにつれて指摘が減り、関係が落ち着くことはよくあります。ただ、人格を否定されるような言動が続くなら、時間がたっても変わらないことが多いので、早めに相談してください。
Q. 在宅勤務の日でも、チャットで厳しい言葉が届きます
文字は、口頭よりきつく感じられることがあります。仕事の中身だけを受け取り、「承知しました。修正します」と短く返せば十分です。人格を否定するような内容なら、画面を保存して記録に残しておきましょう。
Q. 上司に言い返してしまいました
感情的になってしまうこともあります。落ち着いたら、「先ほどは言い方が強くなってしまい、失礼しました」と伝えておくと、関係がこじれにくくなります。
あわせて読みたい
自分だけ仕事量が多い
職場の派閥に巻き込まれたくない
お局がきつい
事実を書き出し、中身だけ受け取る
① いつ・何を言われたかを、1〜2週間メモする
② 指摘の中身だけを受け取って、直したら報告する
③ 人格を否定される状態が続くなら、記録を持って相談する
「自分にだけ厳しい」と感じるのは、とてもつらいことです。
でも、事実を確かめることから始めれば、次の一歩が見えてきます。
先輩の言い方がきつくて悩んでいるなら、先輩がきついときも参考にしてください。
つらい関係が続く職場から離れることを考えているなら、転職エージェントの選び方も見ておいてください。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言・医学的助言ではありません。パワーハラスメントにあたるかどうかは、個別の事情によって判断が異なります。参考:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために(パワーハラスメント)」。困ったときは社内の相談窓口や総合労働相談コーナー(各労働局)、体調がすぐれないときは医療機関にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。