転職という選択肢
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複数の内定で決められないときの選び方|比べる順番と、決め手の作り方

taishokuzenya
結論から
複数の内定で迷うのは、比べる項目が多すぎるからです。
やることは3つ。①条件を全部書き出す ②自分の優先順位を3つだけ決める ③その3つだけで比べる
全部を比べようとすると、いつまでも決まりません。

内定が2つ、あるいは3つ。

うれしいはずなのに、決められない。

A社は年収がいい。B社は仕事内容が面白そう。C社は家から近い。

どれを選んでも、選ばなかったほうが良く見えてくる。

この記事では、迷いを終わらせるための順番を書きます。

「どっちがいいか」を考え続けるのをやめて、決め方そのものを決めるやり方です。

あなたはどのタイプですか
当てはまるものを選んでください。

情報不足型:知らない項目がある(年収の内訳・配属先・残業の実態など)
優先順位未定型:全部大事に見えて、順番がつけられない
期限切迫型:回答期限が近く、焦って考えられない
本命待ち型:第一志望の結果がまだ出ていない

情報不足型ならステップ1、優先順位未定型ならステップ2、本命待ち型は「第一志望の結果を待ちたいとき」から読んでください。

決められない本当の理由

複数内定で決められないとき、原因はたいてい会社側ではありません。

自分が何を優先したいのかが決まっていないのです。

年収も、仕事内容も、休みも、人間関係も、全部大事です。

でも全部を満たす会社はありません。

だから、何を犠牲にできるかを決めないと、比較は終わりません。

もうひとつの理由が、情報の量が違うことです。

面接を多く受けた会社ほど、情報が多い。

情報が多いと、良いところも悪いところも見えます。

逆に情報が少ない会社は、悪いところが見えないぶん、良く見えます。

よくある錯覚
「なんとなく良さそうな会社」は、本当に良いのではなく、情報が少ないだけのことがあります。
選考回数・面接した人数・見学の有無を並べてみてください。情報量に大きな差があるなら、その差を埋めてから比べるべきです。

ステップ1:条件を全部、紙に書き出す

頭の中で比べないでください。頭の中では、直前に考えたほうが良く見えます

会社ごとに、次の項目を書き出します。

書き出す項目
・年収(額面/手取りの目安/賞与の有無)
・仕事内容(配属先/担当業務)
・勤務地と通勤時間
・残業の目安と休日
・入社日
・雇用形態と試用期間
・その他(在宅可否/転勤の有無など)

ここで分からない欄が出てきたら、それが今やるべきことです。比べる前に、埋めてください。

聞きにくいことは、転職エージェント経由の応募なら担当者に確認してもらえます。

年収や残業の実態など、本人からは聞きづらいことほど、間に人が入ると聞きやすくなります。

ステップ2:優先順位を3つだけ決める

ここが山場です。

書き出した項目の中から、「これだけは譲れない」を3つ選んでください。

4つ以上にしないのがコツです。

選び方のヒントとして、こう考えてみてください。

「1年後、何が満たされていなかったら辞めたくなるか」

今回の転職で辞めた理由が、答えのヒントになります。残業が理由なら休日と残業。年収が理由なら年収。人間関係が理由なら、職場の雰囲気。

逆算のやり方
今の会社を辞めたい理由を3つ書いてください。
その3つが解消される順に会社を並べる
それが、あなたにとっての正しい順位です。
世間的にどちらが良い会社かは、関係ありません。

ステップ3:3つだけで比べる

決めた3項目だけを見て、会社を並べます。

他の項目はいったん無視してください。

これで順位がつけば、それが答えです。

もし同点になったら、次の質問で決めます。

同点を破る3つの質問
Q1. 3年後、どちらの会社にいる自分のほうが想像できますか
Q2. 面接で会った人たちと、毎日働けそうですか
Q3. 断るとしたら、どちらを断るほうが心が痛みますか

Q3は特に効きます。断る想像をすると、本当はどちらを選びたいのかが出てくることがあります。
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年収で決めていいのか

よく聞かれる質問です。

答えは、年収を優先3つに入れたなら、入れていいです。

お金で決めるのは浅い、という言い方がありますが、生活が苦しければ、仕事内容がどれだけ面白くても続きません

年収が今回の転職理由なら、堂々と優先していい項目です。

ただし、比べるときは額面ではなく中身を見てください。

1. 賞与が含まれているか

「年収500万」の中に、業績次第の賞与が含まれていることがあります。

含まれているなら、その賞与は保証された金額ではありません

月給ベースでいくらかを確認してください。

2. 固定残業代が入っているか

固定残業代(みなし残業)が入っている場合、その時間分は働くことが前提の金額です。

何時間分なのかを必ず確認してください。

3. 昇給の仕組み

入社時の年収が高くても、その後上がらない会社があります。

逆に、初年度は低くても数年で追いつく会社もあります。

比べるなら、この形にそろえる
月給(固定残業代を除いた額)
固定残業代は何時間分か
賞与は実績ベースで何ヶ月分か
この3つにそろえないと、同じ「年収500万」でも中身がまったく違います。内定通知書や労働条件通知書に書いてあります。

入社日が違うときの考え方

A社は来月から、B社は3ヶ月後。

このパターンも迷いのもとです。

判断の材料は2つあります。

1. 今の会社の退職手続きが間に合うか

退職の申し出から実際に辞めるまでは、引き継ぎや有給消化を含めると1〜2ヶ月見ておくのが現実的です。

就業規則に「1ヶ月前まで」などの定めがある会社が多いので、確認してください。

なお、期間の定めのない雇用契約であれば、法律上は退職を申し出た日から2週間で退職できるとされています(民法627条)。

就業規則の「1ヶ月前まで」という定めは、実務上の目安として確認しておくものと考えてください。

2. 入社日は交渉できることがある

「その日は無理です」と諦める前に、相談してみてください。

入社日の調整は、内定後によくある相談です。

エージェント経由なら、担当者から伝えてもらえます。

ただし、あまりに先延ばしにすると企業側の採用計画に影響するので、2週間から1ヶ月程度の調整が現実的な範囲です。

第一志望の結果を待ちたいとき

B社から内定が出たが、本命のA社はまだ選考中。よくある状況です。

やることは1つ、両方に正直に言うです。

内定が出ている会社へ

内定をいただき、ありがとうございます。
大変ありがたいお話ですが、他社の選考結果を待っている状況です。
回答期限を〇月〇日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。

選考中の会社へ

選考を進めていただき、ありがとうございます。
他社より内定をいただいており、〇月〇日までに回答を求められている状況です。
恐れ入りますが、選考の見通しについてお教えいただくことは可能でしょうか。

どちらも、失礼にはあたりません

企業側も、応募者が他社を受けていることは分かっています。

黙って引き延ばすほうが、結果的に相手にも自分にも良くありません。

やってはいけない決め方

1. 人に決めてもらう

家族や友人に相談するのはいいのですが、決めるのは自分です。

人に決めてもらうと、うまくいかなかったときにその人のせいにしてしまいます。

2. 口コミサイトの点数で決める

点数は、書き込んだ人の状況によって大きく変わります。

部署が違えば、まったく別の会社のような働き方になることもあります。

3. 全部の会社を回答期限まで引っ張る

決めきれずに全社を待たせると、企業側の心証が悪くなるだけでなく、自分の迷いも長引きます

期限を延ばすなら、いつまでかを明確にしてください。

4. 断る会社に連絡しない

辞退の連絡をしないまま放置するのは避けてください。

業界が狭い場合、後々まで残ることがあります。

面接の「雰囲気が良かった」で決めていいのか

決め手として使っていいのですが、それが何を見た印象なのかを、一度分解してみてください

面接で会うのは、たいてい採用担当と、配属先の上司候補です。

雰囲気が良かったというのは、多くの場合この2人の印象です。

確認しておきたいのは、次の点です。

1. 面接官は、入社後に一緒に働く人か
人事だけとしか会っていないなら、職場の雰囲気を見たことにはなりません。

2. 何人と会ったか
1人だけの印象で会社全体を判断するのは、材料が少なすぎます。

3. 気になることを聞いたときの反応はどうだったか
残業や離職率を聞いたときに、はぐらかされたか、正直に答えたか。これは雰囲気より信頼できる材料です。

もう一度会わせてもらえます
判断材料が足りないなら、入社前にもう一度話す機会を作ってもらえないか、聞いてみてください
「配属予定の部署の方と、一度お話しさせていただくことは可能でしょうか」
これは失礼な依頼ではありません。むしろ真剣に検討している姿勢として受け取られます。断られたなら、それも1つの情報です。

もう1つの選択肢:条件を交渉する

見落とされがちですが、内定後は、条件を相談できる最後のタイミングです。

「A社のほうが年収は高いが、仕事はB社がいい」という迷いなら、B社に相談する余地があります。

伝え方は、他社を持ち出して脅すのではなく、正直に相談する形にします。

御社で働きたいという気持ちが強くあります。
ひとつだけ、待遇についてご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。
他社からも内定をいただいており、条件面で差があるため、正直に迷っている状況です。
ご検討いただくことは可能でしょうか。
交渉で気をつけること
入社の意思があることを先に伝える(条件次第で辞めるという言い方はしない)
要求は1つに絞る(年収も入社日も勤務地も、では通りません)
断られたら引く(食い下がると入社後の関係に響きます)
エージェント経由なら、この交渉は担当者の仕事です。自分で言いにくいことこそ、任せてください。

迷いが消えなくても、決めていい

最後にお伝えしたいことがあります。

迷いが完全に消えてから決められる人は、ほとんどいません

複数内定で迷うのは、どちらにも良いところがあるからです。

明らかに片方がダメなら、こんなに悩みません。

つまり、どちらを選んでも、そこまで悪い選択にはなりません

決めたあとに不安になることもあります。

これは内定ブルーといって、真剣に選んだ人ほど起きるものです。

選択を間違えたサインではありません。

よくある質問

Q. 回答期限はどのくらい延ばせますか

会社によりますが、1週間程度なら相談に応じてもらえることが多いです。ただし延長は確約されたものではないので、断られる可能性も考えて動いてください

Q. 他社の名前を聞かれたら答えるべきですか

答える義務はありません。「同業他社です」「別業界の会社です」程度で問題ありません。

Q. 内定を承諾したあとに、別の会社から内定が出ました

承諾後でも辞退は可能です。ただし早く伝えるほど迷惑が小さくなります。詳しくは内定承諾後の辞退の記事にまとめました。

Q. どちらも決め手がありません。辞退して転職活動を続けるべき?

3つの優先項目のうち、1つも満たしていない会社しかないなら、続ける選択もあります。ただし「なんとなく決め手がない」だけなら、次も同じ状態になる可能性が高いです。

Q. 選んだあと、やっぱり違ったらどうすればいいですか

入社してみて合わなければ、また動くことはできます。一度の選択で人生が決まるわけではありません。ただし短期での再転職は経歴に残るので、入社前に確認できることは確認しておいてください。

Q. 迷っていることを、面接した会社に知られたくありません

回答期限の延長を頼む時点で、他社を検討していることは相手に伝わります。ただしそれで内定が取り消されることは、通常ありません。複数社を受けるのは当たり前だからです。隠して黙り込むより、期限を相談したほうが印象は良くなります。

Q. 決めたあと、断った会社から連絡が来たらどうすればいいですか

辞退の意思を伝えたあとに引き止められることがあります。条件の上積みを提示される場合もあります。一度断った会社に戻る判断をするなら、なぜ最初に断ったのかをもう一度確認してください。条件だけが理由だったなら検討の余地はありますが、仕事内容や人が理由だったなら、条件が変わっても同じ結論になります。

今日やること

3つだけです
① 会社ごとに条件を書き出す(分からない欄は空欄でOK)
② 空欄を埋めるために、質問する
③ 「1年後、何が満たされていなかったら辞めたくなるか」を3つ書く

③まで書けたら、比べる作業は10分で終わります

全部を比べようとしている限り、答えは出ません。

比べる項目を減らすことが、決めるということです。

自分ひとりで整理しきれないときは、間に第三者を入れると早く進みます。

転職エージェントは、複数内定の相談も珍しいものではありません

内定が出たあとからの相談も可能です。

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※本記事は一般的な情報の解説です。労働条件の詳細は、内定通知書・労働条件通知書をご確認ください。※本記事には広告(PR)を含みます。

辞めたいのに、動けない夜に。
あなたに合う一歩を、静かに選べます。
退職前夜
この記事を書いた人
退職前夜

新卒で入った会社を、休職を経て辞め、個人事業主として独立しました。「辞めたいな…」と思う夜に、そっと寄り添う記事を書いています🌙

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