転職先で周りが優秀に見える…比べる相手が違います。焦りを止める考え方
周りが優秀に見えるのは、比べているものが違うからです。
あなたが見ているのは、相手の完成した仕事と、自分の途中の努力です。
相手にも、覚えられなかった時期と、ミスをした日がありました。
比べる相手は、先週の自分にしてください。それ以外は、判断の材料になりません。
会議で、周りが当たり前のように話している内容が分からない。
自分が半日かけたことを、隣の人は1時間で終わらせている。
質問の中身も、自分とはレベルが違う。
場違いなところに来てしまった。
採用されたのは、何かの間違いだったのではないか。
この記事は、その焦りを止める考え方を書きます。
なぜ、周りが優秀に見えるのか
理由は、見えているものが違うからです。
| 自分について見えているもの | 相手について見えているもの |
|---|---|
| 迷った時間、手が止まった時間 | できあがった成果物だけ |
| 失敗、やり直し | うまくいった場面だけ |
| 分からなかったことの全部 | 答えられたところだけ |
| いまの不安 | 落ち着いた表情 |
つまり、自分の裏側と、相手の表側を比べています。
これでは、どんな人でも負けます。
相手にも、迷った時間と失敗があります。
ただ、それがあなたには見えていないだけです。
年数が違うことを、忘れないでください
周りの人は、その職場で何年もやってきた人たちです。
同じ作業を何百回も繰り返し、失敗もして、覚えてきました。
あなたは、その作業を数回しかやっていません。
| 比べていること | 実際の差 |
|---|---|
| 作業の速さ | 回数の差。能力の差ではありません |
| 知識の量 | その職場にいた年数の差 |
| 会議での発言 | 過去の経緯を知っているかどうかの差 |
| 判断の早さ | 似た場面を経験した回数の差 |
どれも、時間が埋めるものです。
いま、その人たちと同じように動けないのは、当たり前のことです。
むしろ、数週間で同じように動けたら、そのほうが不自然です。
焦りが、いちばん足を引っ張ります
周りに追いつこうとして、やってはいけないことがあります。
・分からないまま、自分の判断で進めてしまう
・聞く回数を減らして、時間をかけて悩む
・できるふりをして、あとで大きく戻る
・家に持ち帰って、休む時間を削る
どれも、結果として遅くなります。
とくに1つ目は、やり直しが発生して、周りの手も止めてしまいます。
焦っているときほど、確認の回数を増やしてください。
速さより、正確さが先
入ったばかりの時期に評価されるのは、速さではありません。
| 周りが見ていること | あまり見ていないこと |
|---|---|
| 分からないときに、確認しているか | 作業にかかった時間 |
| ミスをすぐ報告しているか | ミスをしたかどうか |
| 言われたことを、次に活かしているか | 一度で完璧にできたか |
左の3つができていれば、遅くても信頼されます。
逆に、速いけれど確認しない人のほうが、周りは困ります。
いまは、正確さを優先してください。速さは、回数を重ねればあとからついてきます。
比べる相手を、変える
焦りを止めるいちばん確実な方法は、比べる相手を変えることです。
比べるのは、周りではなく先週の自分です。
「今日できるようになったこと」を、1行だけ書いてください。
・共有フォルダの場所を覚えた
・◯◯さんに、自分から質問できた
・昨日教わった手順を、見ずにできた
何でも構いません。
これを1週間続けると、7つ増えていることが目に見えます。
できなかったことは、放っておいても覚えています。
できるようになったことは、意識して残さないと消えます。
だから、書いてください。
1か月後に、見返してください
1か月分たまると、30行の記録になります。
それを読み返すと、いまの自分がどれだけ進んだかが分かります。
周りと比べているうちは、この進み方が見えません。
見えないから、ずっと同じ場所にいる気がして苦しくなります。
あなたが採用された理由
「採用されたのは間違いだったのでは」と思う人がいます。
ですが、採用には時間もお金もかかっています。
その手間をかけて選んだということは、選んだ理由があったということです。
| 会社が見ていたこと | いまのあなたの心配 |
|---|---|
| これまでの経験と、これからの可能性 | 入って数週間の作業の速さ |
| 長く働いてくれるかどうか | 今日のミスの数 |
| 職場に合う人かどうか | 会議で発言できなかったこと |
会社が見ていたのは、右側ではありません。
入って数週間の作業の速さで採用を決めた会社は、ありません。
いま求められているのは、覚えようとしているかどうかだけです。
自分の価値は、別のところにあります
その職場の中だけで比べると、入ったばかりの人は必ず最下位になります。
でも、あなたにはその職場の人が持っていないものがあります。
・別の会社のやり方を知っている(比べられるのは、あなただけです)
・当たり前を疑える(前からいる人には、おかしさが見えません)
・分からない人の気持ちが分かる(次に入る人に教えられます)
・これまでの経験(前の職場で身につけたもの)
2つ目は、いましか使えません。
半年たつと、あなたもその職場のやり方に慣れて、疑問に思わなくなります。
いま「なぜこうするんだろう」と思ったことは、メモに残しておいてください。
気づいたことをすぐ提案すると、「やり方も知らないのに」と受け取られることがあります。まずは一通りできるようになってから出すほうが、受け入れられます。メモに残しておいて、時期が来たら使ってください。
家に帰ってからの時間を、守ってください
追いつこうとして、家でも仕事のことを考え続ける人がいます。
ですが、これはほとんど効果がありません。
社内のやり方は、家では練習できないからです。
それより、翌日の頭の働きを守るほうが、結果的に早く覚えられます。
| 効果が薄いこと | 効果があること |
|---|---|
| 家で、その日の失敗を思い返す | 寝る前に、メモを3分だけ見返す |
| 関係のない資格の勉強を始める | いま困っている1つだけを調べる |
| 休みの日も仕事のことを考える | 休みの日は、しっかり休む |
右側は、どれも短時間で終わるものです。
覚える時期にいちばん効くのは、睡眠と休息です。
疲れた頭では、何度教わっても入りません。
できるようになる順番
| 時期 | だいたいの状態 |
|---|---|
| 1か月 | 毎日の作業を、聞きながら進められる |
| 3か月 | ひととおりの業務を、自分で進められる |
| 半年 | 判断が必要な場面でも、自分で決められることが増える |
| 1年 | 周りと同じ土俵に立てる。自分の意見も出せる |
いま1〜2か月目なら、できなくて当然の時期です。
焦って結論を出さないでください。
入って1か月で辞めたくなっているなら、入社1か月で辞めたいと思ったときも読んでみてください。
周りの人にも、その時期がありました
いま優秀に見える人にも、何も分からなかった時期があります。
それを確かめる方法が、ひとつあります。
「入られたばかりのころは、どうでしたか。
慣れるまで、どのくらいかかりましたか。」
この質問をすると、たいていの人が自分の苦労話をしてくれます。
「最初の半年は、何も分からなかった」
「毎日メモを見返していた」
そんな話が出てきます。
それを聞くだけで、いまの自分が特別に遅いわけではないと分かります。
そして、この質問にはもうひとつ効果があります。
相手が自分のことを話してくれるので、距離が近くなります。
雑談のきっかけとしても、使いやすい質問です。
聞く相手は、少し前に入った人がいい
できれば、1〜2年前に入った人に聞いてください。
覚えたてのころの記憶が、まだ残っているからです。
何年もいる人だと、できなかったころを忘れていることがあります。
少し前に入った人は、つまずきやすい場所も教えてくれます。
タイプ別|いま、どれに当てはまるか
□ 入って3か月以内
□ 教えてもらえば、できるようになっている
□ 少しずつだが、聞くことが減っている
このタイプは、順調です。記録を残しながら、続けてください。
□ 特定の知識や技能が、明らかに足りない
□ 求人票の想定より、高いものを求められている
□ 何を勉強すればいいかは、分かっている
このタイプは、足りない1つだけを補ってください。全部をやろうとしないでください。
□ 眠れない、食欲がない
□ 休みの日も、仕事のことを考えてしまう
□ 自分に価値がないと感じる
この状態は、考え方を変えるだけでは戻りません。
つらい状態が続くなら、医療機関に相談してください。
休むことも、環境を変えることも、選択肢です。
よくある質問
Q. 前の職場ではできていたのに、ここではできません
やり方も道具も違うので、当たり前です。前職での経験が消えたわけではありません。この職場のやり方を覚えれば、経験の分だけ早く追いつけます。
Q. 会議の内容が、まったく分かりません
過去の経緯を知らないので、分からなくて当然です。分からなかった言葉だけメモして、あとで誰かに聞いてください。3か月もすれば、話の流れが見えるようになります。
Q. 期待されている気がして、それがつらいです
中途採用だと、即戦力を期待されていると感じやすいものです。ただ、実際にはどの会社も、最初の数か月は覚える期間と見ています。不安なら、上司に「いま、どこまでできていればいいですか」と確認してみてください。
Q. 自分だけミスが多い気がします
入ったばかりの人がミスをするのは、織り込み済みです。周りのミスは見えていないだけで、みんなやっています。大事なのは、ミスをすぐ報告することです。
Q. 同じ時期に入った人のほうが、早く覚えています
担当業務も、これまでの経験も違います。その人の得意な分野だっただけ、ということもあります。人によって、伸びる時期はずれるものです。
Q. 自信をなくして、質問するのも怖くなりました
質問の回数を減らすと、かえってミスが増えて、つらくなります。聞くことをまとめて、1日1〜2回まとめて聞く形にしてみてください。回数が減れば、心の負担も減ります。
Q. いつまでたっても追いつける気がしません
追いつく必要はありません。年数の差は、そもそも埋まらないものです。求められているのは、自分の担当業務を進められるようになることだけです。
Q. 向いていないのではないかと思います
数週間から数か月では、判断するのが難しいです。少なくとも3か月は、結論を出さないでください。そのうえで、業務内容そのものが合わないと感じるなら、そのときに考えても遅くありません。
Q. 上司に「まだできないのか」と言われました
つらい言葉ですが、期限の話をしている場合もあります。「いつまでにできるようになればいいですか」と確認してみてください。目標がはっきりすると、やることも決まります。
Q. 得意なことが、この職場では役に立ちません
いまは見えていないだけかもしれません。担当が変わったときや、違う場面で活きることがあります。それでも合わないと感じ続けるなら、その職場が向いていない可能性も考えてください。
Q. 焦って空回りしている自覚があります
その自覚があるだけで、十分です。まずは、今日やることを3つだけに絞ってください。全部を追いかけると、どれも中途半端になります。1つずつ終わらせるほうが、結果的に早く進みます。
Q. 周りに迷惑をかけている気がして、申し訳なくなります
教える時間は、会社が織り込んでいるものです。周りの人も、かつて同じように教わってきました。申し訳なさは、いま返すのではなく、できるようになってから返せば十分です。
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比べる相手を、間違えないでください
① 今日できるようになったことを、1行書く
② 「なぜこうするんだろう」と思ったことを、メモに残す
③ 明日聞くことを、1つだけ決めておく
周りが優秀に見えるのは、見えているものが違うからです。
相手の完成した仕事と、自分の途中の努力を比べています。
比べるなら、先週の自分にしてください。
1か月後、記録を見返したとき、進んでいることが分かります。
それでも合わないと感じるなら、転職エージェントの選び方も見ておいてください。合う環境は、ひとつではありません。
※本記事は一般的な情報の解説であり、法的助言・医学的助言ではありません。体調や気持ちの不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。※本記事には広告(PR)を含みます。