仕事ができない自分がつらい…「向いてない」と責める前に整理したいこと
「仕事ができない」と感じる原因の多くは、あなたの才能ではなく「経験の浅さ」と「職場のハズレ」の掛け算で起きています。向いてないと結論を出すのは、①経験の谷を知る ②職場のせいか適性のせいかを切り分ける、の2つを済ませてからでも遅くありません。環境が変わっただけで見違える人は、どの職業にもいます。
まわりは普通にこなしているのに、自分だけ手が止まる。
同じミスを繰り返す。
上司の顔色をうかがってしまう。
「自分は仕事ができない。この仕事に向いてないんじゃないか」
——そう思いながら、この記事を開いた方が多いと思います。
まず伝えたいのは、その感覚は、まじめな人ほど強く持つということです。
そして、「できない」の正体を切り分けないまま辞めてしまうのが、いちばんもったいない辞め方です。
職種は関係ありません。
事務でも、接客でも、営業でも、技術職でも、「できない自分がつらい」の構造は同じです。
順番に整理していきましょう。
まず、いまの状態をセルフチェック
いまのあなたに、いくつ当てはまりますか。
- ☑ 何が分からないのかを、うまく言葉にできない
- ☑ 職場に、気軽に質問できる相手がいない
- ☑ 「なんでできないの」という反応をされたことがある
- ☑ 家に帰っても、仕事のミスを思い出してしまう
- ☑ ただ、この仕事そのものが嫌いになったわけではない
上の4つに当てはまって、最後の1つ(仕事自体は嫌いじゃない)も当てはまるなら。
——あなたに必要なのは、撤退ではなく整理と環境の見直しです。
この記事は、そのために書いています。
「できない」は、まだ経験の谷にいるだけかもしれない
どんな仕事も、成長はまっすぐな右肩上がりではありません。
始めて数ヶ月から数年のあいだには、ほぼ全員が通る「谷」があります。
理由はシンプルで、この時期は「教わったこと」と「現場で求められること」の差が、いちばん大きく見える時期だからです。
研修やマニュアルで学ぶのは、いわば教習所の運転です。
現場は、いきなり交通量の多い実際の道路。
習ったばかりの人が緊張して手間取るのは、才能の問題ではなく、順序の問題です。
先輩たちが涼しい顔でこなしているのは、頭の出来が違うからではありません。
同じ場所で手間取った回数が、あなたより多いだけです。
いまあなたに見えている「差」の大部分は、経験量の差であって、適性の差ではない。
まずここを疑ってください。
多くの職場で、「一人前になるまで3年」と言われます。裏を返せば、入って1〜2年のあなたが完璧にこなせないのは、予定通りの姿だということです。
「職場のせい」と「適性のせい」を切り分ける
とはいえ、「谷だから我慢」で終わらせるつもりはありません。
同じ谷でも、職場によって深さがまるで違うからです。
職場要因のサイン(あなたのせいではない)
- 教える人がいない・「見て覚えろ」で放置される
- 質問すると、ため息をつかれる・詰められる
- いまの経験では明らかに難しい仕事を、ひとりで任されている
- マニュアルや手順書がなく、口伝えでしか仕事が回っていない
- 人手が足りず、そもそも覚える時間が与えられない
これらに複数当てはまるなら、あなたは「できない」のではなく、「できるようにならない職場」にいるだけです。
登れない壁の前に立たされて、「登れないのは努力不足」と言われている状態です。
適性を考えはじめていいサイン
- 環境が整っていて、質問もできて、時間もあるのに、興味がまったく湧かない
- うまくいったときの「うれしい」を、一度も感じたことがない
- その仕事のスタイル(人と話す・数字を扱う・体を動かす等)そのものが苦痛
こちらに強く心当たりがあるなら、いまの仕事の外も含めたキャリアの見直しが、誠実な選択です。
それは逃げではなく、相性の確認が済んだということです。
「まわりと比べて落ち込む」の、正体
「できない自分がつらい」の多くは、実は「まわりと比べてつらい」です。
でも、あなたが比べている相手は、たいてい「そのことが得意な人」か「あなたより長くやっている人」。
あなたには相手の失敗や下積みが見えず、いまの完成形だけが見えている。
だから、実際以上に差が大きく感じられます。
比べるなら、他人ではなく、3ヶ月前の自分です。
できるようになったことが、必ず一つはあるはずです。
それが見つかるなら、あなたは着実に谷を登っています。
つらさを少し軽くする、今日からできる3つのこと
環境を変えるのは大きな決断です。
その前に、いまの職場のままでも試せる小さな対処を3つ紹介します。
効くかどうかで、「職場の問題」か「自分に合う工夫が見つかっていないだけ」かも見えてきます。
① 質問を「わからない」から「ここまで調べた」に変える
「わかりません」と聞くと詰められる職場でも、「ここまでは自分で調べて、この部分でつまずいています」と伝えると、反応が変わることがあります。
あなたが手を抜いていないことが相手に伝わるからです。
これで空気が変わらないなら、それは質問の仕方ではなく、職場のほうに問題があるサインです。
② 「できたことメモ」を1日1行つける
できないことばかり数えていると、成長が見えなくなります。
寝る前に、その日できたこと・少しマシになったことを1行だけ書き留めてください。
1週間ぶんたまると、「谷を登っている自分」が目に見える形で残ります。
落ち込んだ日に読み返す、お守りにもなります。
③ 比べる相手を、SNSや同期から外す
同期の活躍や、まわりの「順調そうな様子」は、あなたを一番消耗させる比較対象です。
見て落ち込むアカウントは、少しのあいだミュートして構いません。
比べる相手は、いつも過去の自分だけでいい。
他人の完成形と、自分の途中経過を並べても、正しい判断はできません。
この3つを2週間ためしても、つらさがまったく軽くならない。むしろ悪化する。そう感じたら、工夫の問題ではありません。環境を変える検討を、本格的に始めていい段階です。
環境を変えただけで変わる人は、本当にいる
教える人がいる職場に移った途端、あるいは自分のペースで覚えられる環境に変わった途端、見違えるように動けるようになる。
これは、どの業界でもよくある話です。
理由は、さっきの逆です。
質問できる相手がいて、教われて、少し背伸びすれば届く仕事が来る。
「登れるように用意された壁」
——その環境に置かれれば、同じ人でも変わります。
だから、「この仕事に向いてない」と結論を出す前に、「この職場を変えれば解決しないか」を先に確かめてほしいのです。
順番を間違えると、職場のハズレを自分の適性のせいだと誤解したまま、せっかく積んだ経験を手放すことになります。
「同じ仕事を、別の場所で」も「別の仕事へ」も選べる
動くと決めた場合、方向は大きく2つあります。
① 同じ仕事を、環境の良い場所で続ける
いまの仕事自体は嫌いじゃないなら、これが第一候補です。
教育体制のある会社、人手に余裕のある職場、あなたのペースを尊重してくれる上司。
同じ職種でも、環境が変わるだけで「できない」が「できる」に変わることは珍しくありません。
② 自分に合った別の仕事へ移る
「この仕事のスタイル自体が合わない」と分かったなら、それも大きな収穫です。
人と話すのが消耗するなら、人と向き合いすぎない仕事へ。
細かい作業が苦手なら、全体を動かす仕事へ。
「できない」と感じた経験そのものが、次に選ぶべき方向を教えてくれます。
どちらを選ぶにしても、これまでの経験はむだになりません。
「何がつらかったか」を知っている人は、次の職場選びで同じ失敗を避けられます。
それは立派な財産です。
動くと決めたら:在職中に、まず市場を見る
「環境を変えてみよう」でも「別の仕事を見てみよう」でも、動き方の鉄則は同じです。
辞めてから探すのではなく、在職中に情報を集める。
収入が続いている状態なら、焦らずに選べます。
焦らず選べるということは、「前と同じ構造の職場」を避けられるということです。
追い詰められてから探すと、また似た場所を選んでしまいがちです。
とはいえ、求人票を見ただけでは「教育体制があるか」「人手は足りているか」までは分かりません。
そこで、転職エージェントに「未経験・経験浅めでも育ててくれる会社」という軸で絞ってもらうのが現実的です。
転職エージェントは、採用が決まった企業から報酬を受け取る仕組みのため、求職者は無料で使えます。
エージェントは、年齢と地域で選ぶのが失敗しないコツです。
24歳から30歳で、首都圏・大阪・愛知・福岡あたりでの勤務を考えているなら、20代専門でマンツーマン支援のキャリ活。
年齢や住まいを問わず、全国の求人からオンライン相談で選びたいならMyStyle転職が向いています。
面談では、かっこつけずにこう話してください。
「いまの職場は教えてくれる人がいなくて、できない自分を責めてしまう。次は、ちゃんと育ててくれる環境で働き直したい」。
それだけで、次に選ぶべき職場の軸は十分に伝わります。
登録しても、転職を強制されるわけではありません。
「自分の経験が、外の世界でどう評価されるか」を知るだけでも価値があります。
いまの谷が「越えるべき谷」なのか「移るべき谷」なのか、他人の目を通して知るだけでも、心はずいぶん軽くなります。
はじめまして。いまの職場では教えてくれる人がおらず、できない自分を責めてしまう毎日です。仕事自体が嫌いなわけではないので、次は未経験や経験の浅い人でもきちんと育ててくれる環境で、長く働き直したいと思っています。私の経験が、どんな会社で評価されそうか教えてもらえますか。
どのエージェントが自分に合うか、複数の候補をまとめて比べたいときは、選び方を整理したこちらの記事もどうぞ。
よくある質問
Q. 経験が浅いのに辞めたら、次はもっと不利になりませんか?
20代であれば、経験の浅さより「なぜ辞めたか・次はどうしたいか」を自分の言葉で説明できるかが見られます。
「教えてもらえる環境がなく力を伸ばせなかった。次は育ててくれる職場で長く働きたい」と言えれば、前向きな理由として受け取ってもらえます。
期間の短さそのものは、致命傷にはなりません。
Q. 「どこへ行っても通用しない」と言われて、怖いです
その言葉は、辞めさせたくない側が使いがちなセリフで、根拠のあるものではありません。
ある職場でうまくいかなかったことと、どこでもうまくいかないことは、まったく別です。
環境との相性で人の力は大きく変わります。
まずは他の職場の話を聞いてみるだけでも、その呪いはほどけます。
Q. そもそも、辞めるべきか続けるべきか分かりません
判断の物差しがほしいときは、仕事を続けるべきか辞めるべきかの判断基準をどうぞ。
「辞めたいのは甘えなのか」で止まっているなら、仕事を辞めたいのは甘え?も合わせて読んでみてください。
Q. 働きながら転職活動なんて、時間も気力もありません
完璧に進めようとしなくて大丈夫です。
まずはエージェントに登録して、面談で話を聞いてもらうところまでで十分な一歩です。
求人探しや日程調整はエージェント側が代わりに進めてくれるので、消耗しているいまこそ、人の手を借りる意味があります。
「動き出す」と「辞める」は別物なので、情報を集めるだけなら、いまの仕事に影響はありません。
Q. 転職しても、また同じように「できない」になりませんか?
同じ失敗を避けるコツは、次の職場を選ぶときに「教えてくれる人がいるか」「マニュアルや手順書があるか」「人手は足りているか」を必ず確認することです。
今回の経験で、あなたはこの3つの大切さを身をもって知りました。
それを面談で正直に伝えれば、エージェントも同じ構造の会社を避けて紹介してくれます。
つらかった経験は、次の職場選びの精度を上げる材料になります。
「できない」と悩めるのは、ちゃんとやりたい証拠
本当にどうでもいい人は、「できない自分がつらい」とは悩みません。
うまくやりたいと思っているから、できない自分が気になるのです。
その真剣さは、環境さえ合えば、そのまま成長の力に変わります。
才能を疑う前に、環境を疑う。
それでも答えが「この仕事じゃない」なら、胸を張って次へ行く。
どちらの道でも、いま積んでいる経験は連れて行けます。
【今夜の一歩】いますぐ辞表を書く必要はありません。今夜は、この記事の「職場要因のサイン」と「適性のサイン」を見返して、自分がどちらに多く当てはまったかを、一つメモするだけで十分です。