退職の寄せ書きはいらない…事前に断っていい。もらったあとの扱い方まで
寄せ書きがいらないなら、事前に断って構いません。
非常識ではありません。
ただし、準備が始まる前に、幹事役の人へ一度だけ伝えるのがコツです。
もらってしまった寄せ書きは、しばらく置いてから手放しても、誰も困りません。
辞めることが決まった。
この職場では、辞める人に寄せ書きの色紙を渡すのが恒例になっている。
でも正直に言うと、いらない。
仲が良かったわけでもない人たちが、無理にひねり出した一言を並べた色紙。
もらっても、どこに置けばいいか分からない。
かといって、「いりません」と言うのは冷たい気がする。
この記事は、寄せ書きを角を立てずに断る方法と、もらってしまったときの扱い方を書きます。
寄せ書きがいらないと感じるのは、普通のことです
まず、あなたが冷たいわけではありません。
寄せ書きがいらないと感じる理由は、どれもまっとうです。
| いらないと感じる理由 | よくある背景 |
|---|---|
| 本音で書かれていない気がする | 書く側も、何を書けばいいか困っているのを知っている |
| 人間関係が理由で辞める | つらかった相手の言葉まで並ぶのが、いちばんしんどい |
| 置き場所に困る | 色紙は飾るには大きく、捨てるには気が引ける |
| 書かせるのが申し訳ない | 自分のために、みんなの手間を増やしたくない |
| そもそも形に残るものが苦手 | 気持ちは言葉で十分、と考えている |
とくに4つ目は、やさしい人ほど感じる理由です。
寄せ書きは、書く側にとっても手間がかかります。
短い期間しか一緒に働いていない人は、何を書けばいいか本当に困っています。
あなたが断れば、その手間がなくなって助かる人も少なくありません。
断ることは、わがままではなく、気づかいにもなり得ます。
断る前に、自分の気持ちを一度だけ確かめる
寄せ書きを断るのは、あとから取り消せない選択です。
だから、本当にいらないのかを、一度だけ確かめておいてください。
次の2つのうち、どちらに近いでしょうか。
□ もらっても、読み返す自分が想像できない
□ 辞めたあと、この職場の人と会うつもりがない
□ 人間関係がつらくて辞める
□ 形に残るものが、もともと好きではない
□ 仲の良い人が数人いる
□ 「自分なんかに書かせるのは悪い」という遠慮が大きい
□ 前に辞めた人がもらっているのを見て、少しうらやましかった
□ 断る理由を探している感じがある
下に多く当てはまるなら、断らずに受け取ってもいいと思います。
遠慮だけで断ると、あとで「もらっておけばよかった」と思うことがあります。
上に当てはまるなら、この先の方法で、早めに伝えてください。
断るなら、準備が始まる前に
寄せ書きで揉めるのは、断るタイミングが遅いときです。
色紙が回り始めてから断ると、すでに書いた人の気持ちが行き場をなくします。
幹事役の人も、「せっかく集めたのに」と困ってしまいます。
① 退職が職場に知らされた直後
② 送別会や花束の話が出たとき(まとめて断れます)
③ 遅くとも、最終日の2週間前まで
寄せ書きは、多くの場合最終日の2週間ほど前からこっそり準備が始まります。
主役には知らされないので、自分から先に言っておくしかありません。
誰が準備しそうか分からなければ、直属の上司か、いつも行事を取りまとめている人に伝えてください。
伝え方(そのまま使えます)
基本の断り方
「もし寄せ書きやお花を考えてくださっていたら、本当にお気持ちだけで十分です。
皆さんお忙しいので、どうか気をつかわないでください。」
ポイントは、「いらない」ではなく「気をつかわないで」と言うことです。
理由を相手の負担に置くと、断られた側も気持ちよく引けます。
送別会もまとめて断りたいとき
「送別会も寄せ書きも、お気持ちだけで本当にうれしいです。
そのぶん、最後まで引き継ぎをきちんとやらせてください。」
寄せ書き・花束・送別会は、バラバラに断るほど気まずくなります。
一度にまとめて伝えてしまうのが、いちばん楽です。
送別会の断り方をもう少し詳しく知りたいときは、退職するのに送別会がないもあわせて読んでみてください。
理由を聞かれたとき
深い理由を話す必要はありません。
・「形に残るものが、どうも照れくさくて」
・「皆さんの手を止めてしまうのが申し訳なくて」
・「家が狭くて、飾る場所がないんです」
3つ目は冗談まじりに言えるので、場の空気が和らぎます。
人間関係が理由で辞める場合
この場合、本当の理由は言わないでください。
「あの人の言葉を受け取りたくない」と伝えても、何もいいことがありません。
上の基本の断り方で十分です。
理由を聞かれても、「照れくさくて」で押し通して構いません。
・色紙が回り始めてから断る(書いた人の気持ちが宙に浮きます)
・職場の全員に言って回る(大ごとになります)
・「寄せ書きなんて意味がない」と言う(これまで贈った人を否定することになります)
・当日受け取りを拒む(その場にいる全員が気まずくなります)
断ったあと、最終日をどう迎えるか
寄せ書きを断ると、最終日の区切りが1つ減ります。
だからこそ、最後の挨拶だけは丁寧にしておくと、後味がよくなります。
「本日で最終出社となります。
お世話になり、ありがとうございました。
皆さんのご活躍をお祈りしております。」
寄せ書きを断ったことで、「気持ちを受け取ってもらえなかった」と感じている人もいるかもしれません。
その人には、最終日に一言だけ直接お礼を言ってください。
「お気づかいいただいて、ありがとうございました」で十分です。
それだけで、断ったことが冷たい記憶として残らずに済みます。
直接話すのが気まずい相手なら、挨拶メールに一行添えるだけでも構いません。
それでも渡されたら、笑顔で受け取る
断ったのに、当日になって渡されることもあります。
善意で準備していた人がいて、止まらなかったということです。
そのときは、その場では笑顔で受け取ってください。
「ありがとうございます。
お忙しいのに、すみません。大事にします。」
ここで「いらないと言ったのに」と表情に出すと、最後の印象がそれで決まってしまいます。
受け取ったあとどうするかは、あなたが一人で決めていいことです。
その場では、ただ受け取るだけで十分です。
もらった寄せ書きは、捨ててもいい?
ここが、いちばん聞きにくいところだと思います。
結論から言うと、手放しても構いません。
寄せ書きは、渡された時点で役目を終えています。
渡す側は、「送り出した」という区切りのために書いています。
あなたが何年も飾っているかどうかを、気にしている人はまずいません。
| 扱い方 | 向いている人 |
|---|---|
| 写真に撮ってから手放す | 形は残したくないが、少し気がとがめる人。よく聞く方法です |
| しばらく箱にしまう | いまは見たくないが、捨てる決心もつかない人 |
| うれしかった言葉だけ書き写す | 一部の人の言葉は大事にしたい人 |
| すぐに手放す | つらい職場だった人。持っているだけでしんどいなら、それが正解です |
手放すときは、ほかの紙ごみと混ぜて、見えない形で出すと気持ちが楽です。
名前が書かれたものなので、そのまま出すのが気になる人もいると思います。
裏返して、紙袋に入れて出せば十分です。
しばらく置いておくと、見え方が変わることもあります
辞めた直後は、どんな言葉も素直に受け取れないことがあります。
でも、半年ほどたって読み返すと、思ったより温かい言葉が並んでいたと感じる人もいます。
捨てる決心がつかないなら、急いで決める必要はありません。
箱にしまって、忘れておくくらいでちょうどいいです。
書く側として、困っているとき
逆の立場で、この記事にたどり着いた人もいると思います。
あまり関わりのなかった人の寄せ書きを、書かないといけない。
何を書けばいいか分からない。
そんなときは、無理に思い出を作らなくて大丈夫です。
・「〇年間お疲れさまでした。新しい場所でのご活躍をお祈りしています。」
・「いつも丁寧なお仕事に助けられていました。どうぞお元気で。」
・「〇〇の件では、ありがとうございました。これからも応援しています。」
3つ目のように、一つでも具体的な出来事を入れると、定型文でも温かく伝わります。
思い当たる出来事がなければ、1つ目で十分です。
長く書こうとしなくて構いません。
短くても、名前を添えて丁寧に書いてあれば、それで気持ちは伝わります。
よくある質問
Q. 寄せ書きを事前に断るのは非常識ですか
非常識ではありません。準備が始まる前に、感謝を添えて伝えれば、ほとんどの人は受け入れてくれます。非常識に見えるのは、回り始めてから断ったときや、当日受け取りを拒んだときです。
Q. 前に辞めた人はみんな受け取っていました
それでも断って構いません。前例は、前に辞めた人の選択です。あなたが同じ選択をする必要はありません。気になるなら、「皆さんお忙しいので」と相手の負担を理由にすれば、前例との違いも目立ちません。
Q. 寄せ書きが少なかったら、どうしよう
寄せ書きの数は、人数や部署の大きさ、書く時間があったかどうかで決まります。あなたの評価とは関係ありません。そもそもいらないと感じているなら、少なくても何も困りません。
Q. 本音で書かれていない言葉を読むのがつらいです
その感覚は正しいと思います。ただ、書く側も「当たり障りのないことしか書けない」と困っていることが多いです。定型文は、悪意ではなく、言葉が見つからなかった結果です。読むのがつらければ、読まずにしまって構いません。
Q. 花束もいらないのですが、一緒に断っていいですか
一緒に断るのがいちばん楽です。「寄せ書きもお花も、お気持ちだけで」と一度に伝えてください。別々に断ると、準備が進んでいたほうが気まずくなります。
Q. 最終日の挨拶で、寄せ書きのお礼を言うべきですか
受け取ったなら、一言添えると丁寧です。「寄せ書きまでいただいて、ありがとうございました」で十分です。断った場合は、何も言わなくて構いません。
Q. 菓子折りは、寄せ書きのお返しになりますか
お返しという考え方をしなくて大丈夫です。菓子折りを配るかどうかは、寄せ書きとは別に、辞めたあともその人たちと関わるかで決めてください。判断の基準は退職に菓子折りはいらない?にまとめました。
Q. 寄せ書きの代わりに、何かしてほしいと言われたら
「最終日にご挨拶させてください」と返すのがいちばん自然です。形のあるものより、直接言葉を交わすほうが、あなたも相手も気が楽です。
Q. 寄せ書きを断ったら、陰で何か言われませんか
言われるとしても、あなたが辞めるまでの短いあいだだけです。そして、早めに感謝を添えて断っていれば、悪く言う理由はほとんどありません。気にする価値は低いと思います。
Q. 異動でも、寄せ書きを断っていいですか
断って構いませんが、同じ会社に残るぶん、より丁寧に伝えてください。異動先でまた一緒に働く人がいるかもしれないので、「お気持ちだけで」に加えて、「また別の場所でもよろしくお願いします」と一言添えると安心です。
Q. パートや派遣でも、寄せ書きは用意されるものですか
職場によります。雇用の形より、その職場で前に辞めた人がどうだったかで決まることが多いです。気になるなら、同じ立場で辞めた人のときを思い出してください。用意されそうなら、同じように早めに一言伝えておけば安心です。
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いらないなら、早めに一言で
① 寄せ書きを準備しそうな人を思い浮かべる(上司か、行事をまとめる人)
② 「お気持ちだけで十分です」とメモしておく
③ 送別会や花束の話が出たら、まとめて伝える
寄せ書きを断ることは、冷たいことではありません。
早めに、感謝を添えて伝えれば、誰の手間も増えずに済みます。
そして、もらってしまったとしても、その後どうするかはあなたが決めていいことです。
寄せ書きの扱いに悩む時間は、長くなくていい。
次の場所の準備に、その時間を使ってください。
次の準備がまだなら、転職エージェントの選び方を参考にしてください。
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