退職代行を使った後は気まずい?辞めたその後に起こることのすべて
なぜなら「退職代行を使う」とは、もう会社の人と関わらずに辞める、ということだからです。
あなたが恐れている気まずさの多くは、これから起こる現実ではなく、頭の中の想像です。
この記事では、その不安をひとつずつ、事実でほどいていきます。
「退職代行を使ったら、その後が気まずいんじゃないか」
そう思って、申し込みボタンの手前で、そっと指を止めていませんか。
元同僚にばったり会ったらどうしよう。
机の私物はどうなるんだろう。
転職先に、バレたりしないかな。
考え出すと、不安はあとからあとから湧いてきます。
でも、安心してください。
そのほとんどには、ちゃんとした答えがあります。
そして答えを知ると、あなたが恐れているほどの気まずさは、現実にはほとんど起きないと分かるはずです。
なぜ「退職代行を使った後が気まずい」と感じてしまうのか
まず、その気持ちは自然なものです。
人は、まだ起きていないことを、つい悪いほうに想像してしまう生き物だからです。
とくに退職代行を考える人には、優しくて、真面目で、周りの目を気にする人が多くいます。
「迷惑をかけたかもしれない」「どう思われるだろう」と、人一倍考えてしまう。
だから、辞めた後の場面を、頭の中で何度もシミュレーションしてしまうのです。
でも、ここで大事なことをひとつ。
その気まずい場面は、ほとんどが「想像の中」でしか起きていません。
これから、ひとつずつ現実を確認していきましょう。
大前提:退職代行を使えば、会社の人とは関わらずに辞められる
退職代行とは、あなたの代わりに会社へ退職の意思を伝えてくれるサービスです。
申し込んだあとは、あなたが会社に行く必要も、上司に電話する必要もありません。
会社とのやり取りは、基本的にすべて代行業者が間に入ってくれます。
つまり、辞めた後に元同僚や上司と顔を合わせる場面そのものが、発生しにくいのです。
「気まずい思いをする相手」と「気まずくなる場面」が、そもそも消える。
これが、退職代行を使った後が気まずくなりにくい、いちばんの理由です。
退職代行を使った後の流れを、時系列で見てみる
不安の正体は、先が見えないことです。
だから、申し込んだ後に何が起こるのかを、順番に並べてみます。
- ① 退職代行に申し込み、状況を伝える
- ② 代行業者が、あなたの会社へ退職の意思を連絡する(あなたは出社しない)
- ③ 会社からの連絡も、基本は代行業者が窓口になる
- ④ 私物は郵送で受け取り、貸与物は郵送で返却する
- ⑤ 離職票・源泉徴収票など、必要な書類が後日届く
- ⑥ 完了。あなたはもう、その会社と関わる必要がない
見てのとおり、あなたが会社の人と直接やり取りする場面は、ほとんどありません。
「気まずさ」が入り込むすき間が、そもそも少ない流れになっています。
不安①:元同僚や上司に、ばったり会わない?
いちばん多い不安が、これかもしれません。
結論から言うと、その確率は、あなたが思うよりずっと低いです。
退職代行を使った後、あなたはもうその会社に通いません。
通勤路で顔を合わせることも、社内で鉢合わせることもなくなります。
もちろん、家が近所だったり、業界が狭かったりすれば、ゼロとは言いません。
でも、たとえ偶然会ったとしても、相手はもうあなたの同僚ではありません。
あなたを叱る権利も、引き止める権利も、その人にはもうないのです。
「会ったら気まずい」という感覚は、まだあなたが心のどこかで、その会社に縛られているサインかもしれません。
不安②:デスクの私物は、どうやって受け取るの?
机の中やロッカーに、私物を置いたままの人も多いはずです。
これも、取りに戻る必要はありません。
退職代行を通して「私物は郵送してほしい」と伝えてもらえば、会社から送ってもらえます。
多くの会社は、退職者の私物を着払いなどで郵送する対応をしています。
どうしても大事なものがあるなら、申し込みのときに、その品物を具体的に伝えておくと安心です。
わざわざ気まずい思いをして、会社へ取りに行かなくて大丈夫です。
不安③:会社からの貸与物は、どう返せばいい?
PC・制服・社員証・健康保険証など、会社から借りているものがありますよね。
これらも、出社して手渡しする必要はありません。
段ボールにまとめて、郵送で返却すれば問題ないことがほとんどです。
- 社員証・入館カード・名刺
- 制服・作業着
- 貸与のPC・スマホ・備品
- 健康保険証(返却が必要。退職日以降は使えません)
- 会社の書類・マニュアル類
返却物のリストは、退職代行や会社から案内されることが多いです。
健康保険証だけは、返却が必要なので忘れないようにしましょう。
それ以外は、箱に詰めて送るだけ。
顔を合わせる必要はありません。
不安④:離職票や源泉徴収票は、ちゃんと届く?
退職した後に必要になる、大事な書類があります。
離職票(失業給付の手続きに使う)と、源泉徴収票(転職先や確定申告で使う)です。
「退職代行を使ったら、嫌がらせで送ってもらえないのでは」と心配する人もいます。
でも、これらの書類を交付するのは、会社の法律上の義務です。
源泉徴収票は所得税法で、離職票も雇用保険の手続きとして、会社が出さなければなりません。
退職代行を使ったかどうかは、関係ありません。
万が一、なかなか届かない場合も、退職代行やハローワーク、労働基準監督署を通じて督促できます。
感情で書類を止めることは、会社にはできないのです。
不安⑤:転職先に、退職代行を使ったことがバレない?
これも、よくある心配です。
結論として、退職代行を使った事実が、次の会社に伝わることは基本的にありません。
日本では、転職先が前の会社に勝手に問い合わせる「前職調査」は、一般的ではありません。
本人の同意なく前職に連絡することは、個人情報の観点からも問題があるからです。
面接で退職理由を聞かれることはあっても、「退職代行を使いましたか」と問われることは、まずありません。
履歴書に「退職代行を使用」と書く欄もありません。
辞め方ではなく、これからどう働きたいかを話せば、それで十分です。
不安⑥:SNSや共通の知人から、気まずくならない?
直接は会わなくても、SNSや共通の知人を通じて気まずくならないか、と気になる人もいます。
気になるなら、退職をきっかけに、職場関係のSNSのつながりは静かに整理しておくと楽になります。
ミュートやフォロー解除は、相手に通知が飛びにくく、波風を立てずにできます。
共通の知人がいる場合も、あなたから事情を細かく説明する義務はありません。
「いろいろあって辞めたんだ」くらいで、十分です。
辞めた理由を、誰かに完璧に納得してもらう必要はないのです。
不安⑦:訴えられたり、損害賠償を請求されたりしない?
「急に辞めたら、損害賠償を請求されるのでは」という不安もよく聞きます。
まず、働く人には「退職の自由」があります。
期間の定めのない雇用なら、原則として、退職を申し入れてから2週間で辞められます(民法627条)。
そして、辞めたこと自体を理由に損害賠償が認められるケースは、実際にはほとんどありません。
会社が「損害賠償だ」と口にすることはあっても、それが実際に認められるのは、極めて限られた場合だけです。
多くは、辞めさせないための脅し文句にとどまります。
ここまでの不安が「想像の中」だと分かっても、それでも直接のやりとりを最初からゼロにしたい——そんなときに使えるのが退職代行です。
もし法的なやり取りが心配なら、弁護士が監修・運営する退職代行を選べば、その点も安心できます。
(サービスを比べて選びたい人は、退職代行おすすめ3選に整理しています)
正直に言うと、ゼロリスクではありません
ここまで「気まずくならない」とお伝えしてきました。
でも、誠実にお話しするために、正直なことも書いておきます。
気まずさが完全にゼロになる、とまでは言えません。
- 地元の小さな会社で、生活圏が完全に重なっている
- 同じ業界の狭い世界で、今後も関わる可能性がある
- どうしても直接お礼を言いたかった人がいた、という心残り
こうした場合は、少しだけ気持ちの整理が必要かもしれません。
ただ、それでも「会社に行って、自分の口で辞めると言う」つらさに比べれば、はるかに軽い負担です。
大切なのは、リスクをゼロにすることではなく、いちばんしんどい部分を手放すことです。
退職代行は、そのいちばんしんどい部分を、代わりに引き受けてくれる手段です。
気まずさを、さらに小さくする3つのこと
それでも気になる人のために、気まずさをやわらげるコツを3つ紹介します。
- お世話になった人にだけ、あとで一言:全員に挨拶する必要はありません。本当に世話になった一人に、落ち着いてからLINEやメッセージで「お世話になりました」と伝えるだけで、心は整理できます。
- 返却物と書類だけ、淡々と済ませる:感情を込めず、事務手続きとして片づける。それだけで、関係はきれいに終わります。
- 「もう関わらない」と、自分に許可を出す:辞めた会社のことを、ずっと考え続けなくていい。あなたには、次に進む権利があります。
お礼は、電話や対面でなくて構いません。
短いメッセージでも、気持ちはちゃんと伝わります。
退職代行を使った人は、その後どうなっているのか
最後に、実際に使った人たちのその後にふれておきます。
退職代行の利用者アンケートでは、多くの人が「使ってよかった」と答えています。
そしてよく聞かれるのが、「もっと早く使えばよかった」という声です。
使う前は、あれほど気まずさや罪悪感に悩んでいたのに、です。
辞めた後に待っていたのは、想像していた気まずさではなく、「もう、あの場所に行かなくていい」という静かな解放感だった。
そう振り返る人が、とても多いのです。
気まずさは、辞める前がいちばん大きく感じます。
そして、辞めてしまえば、驚くほど小さくなっていきます。
「その後も安心」な退職代行の選び方
気まずさやトラブルを最小限にするには、退職代行そのものの選び方も大切です。
安さだけで選ぶと、会社との交渉ができなかったり、対応が雑だったりして、かえって不安が残ることがあります。
- 弁護士が監修、または運営している(法的なやり取りも任せられる)
- 料金が明確で、追加費用がない
- 退職できなければ返金、などの保証がある
- 私物の郵送や書類のやり取りまで、サポートしてくれる
この条件で選んでおけば、辞めた後の手続きまで、安心して任せられます。
具体的にどのサービスがこの条件を満たすのかは、別の記事で、悩み別にまとめています。
「自分の場合はどれがいいんだろう」と思ったら、こちらをのぞいてみてください。
この記事が特に効く人
次に当てはまるなら、あなたの「気まずい」は想像が九割です。
- 使いたい気持ちはあるのに「その後」が怖くて止まっている
- 元同僚にどう思われるかが頭から離れない
- 私物や書類のやりとりを想像すると気が重い
- 狭い業界で働いている
今夜の一歩:不安を3つ書き出して、この記事の該当する章と突き合わせてみてください。名前のついた不安は、もう漠然とした恐怖ではありません。
よくある質問(退職代行のその後)
Q. 退職代行を使った後、会社から直接電話がきませんか?
会社からの連絡は、基本的に退職代行が窓口になります。
それでも個人に連絡がくる場合は、出る義務はありません。
「対応は代行を通してください」と伝えれば大丈夫です。
Q. 有給休暇は、辞める前に使えますか?
多くの退職代行は、有給消化の希望も会社に伝えてくれます。
残っている有給を使ってから退職日を迎える、という形も取れることが多いです。
Q. 離職票が届くまで、どれくらいかかりますか?
一般的には、退職後10日〜2週間ほどで届くことが多いです。
遅れる場合は、退職代行やハローワークから督促してもらえます。
Q. 退職代行を使うと、転職で不利になりませんか?
退職代行を使った事実が、転職先に伝わることは基本的にありません。
面接で問われることもないため、過度に心配しなくて大丈夫です。
おわりに:気まずさのほとんどは、まだ起きていない
退職代行を使った後の気まずさは、その大半が「想像の中」にあります。
元同僚にはまず会わないし、私物も書類も郵送で片づきます。
転職先にバレることも、損害賠償も、現実にはほとんど起きません。
あなたが今いちばんつらいのは、辞めた後ではなく、辞められずにいる「今」のはずです。
気まずさを恐れて我慢を続けるより、いちばんしんどい一歩を、誰かに代わってもらっていい。
それは逃げではなく、自分を守るための、まっとうな選択です。
まずは、相談だけでも。
それだけで、ふさがっていた出口が、すこし見えてくるはずです。